2025年2月分 人事労務クイズ~無期転換ルール~
問題 ∼ 無期転換ルール ∼
無期転換ルールに基づいて、労働者が無期労働契約に転換できるのは、どのくらいの契約期間を超えた場合でしょうか?
答え
【A】 3年
【B】 5年
【C】 10年
【B】 5年
1. 無期転換ルールとは?
無期転換ルールは、有期労働契約の反復更新による雇用の不安定さを解消するために導入され、2013年4月1日から適用されています。
同じ企業で有期労働契約を繰り返し更新し、通算5年を超えた場合、労働者は無期労働契約への転換を申し込むことができます。
申し込みがあれば、企業側は拒否できません!
2. 無期転換の適用時期
このルールの影響が出るのは、契約期間の通算が5年を超えたタイミングですので、最初の適用は2018年4月から始まっています。
3. 無期転換後の労働条件
(1)原則の考え方
無期転換後の労働条件は、原則として無期転換前の契約条件がそのまま引き継がれます。
無期転換しても自動的に正社員になるわけではなく、転換前と同じ職務内容・労働時間・賃金体系が適用されるのが原則です。
(2)別段の定めがある場合
企業が就業規則や契約書に「無期転換後の労働条件を変更する」と明記している場合は、転換後に異なる条件が適用されることがあります。
■適用時の注意点
•就業規則や契約書に明確に記載する
•無期転換前に労働者へ十分な説明を行う
•合理的な範囲で変更を行い、不利益変更にならないよう配慮
無期転換後の条件変更を行う場合、労働者と合意し、適正な手続きを踏むことが重要です。
さらに、「無期転換=正社員化」ではないため、処遇の差が不合理にならないよう「同一労働同一賃金」の原則にも注意が必要です。
4. まとめ
無期転換ルールは、有期契約労働者の雇用安定を目的とした制度であり、企業には適正な運用が求められます。
無期転換後の雇用区分の整備、労働条件の明確化、労働者への周知を徹底することで、
企業にとっても人材の確保と労働環境の安定につながるため、計画的な対応を進めていきましょう。