知らないと損?特退共で“退職金ゼロ”のリスクを回避しよう【中小企業向け】

杉山 晃浩

第1章|そもそも退職金って、必要なの?

「うちの会社、退職金制度はないけど、それって問題あるの?」

中小企業の経営者や人事担当者から、よく聞く言葉です。確かに、大企業と違って中小企業には余裕がなく、「退職金まで準備できない」というのが本音かもしれません。

しかし、社員にとっては話が別です。

たとえば、同じ仕事内容で2社から内定が出たとしましょう。片方には退職金制度があり、もう一方にはない――。ほとんどの人が、退職金のある会社を選ぶのではないでしょうか?

退職金は、給料とは別に“会社が用意してくれる人生最後のボーナス”です。それがあるかないかで、「大事にされている」と感じる度合いは大きく違ってきます。


第2章|退職金が払えない…という悩みを解決する仕組みがある

「でも、うちは退職金なんて払える余裕がないよ……」

そう思うのも無理はありません。退職金は、一時に数百万円という大金が必要になることもあります。そんなお金、急に用意するのは大変です。

でも、ご安心ください。

実は中小企業向けに「少しずつ積み立てて、退職時にまとめて支払ってくれる仕組み」が用意されています。それが「特定退職金共済制度(特退共)」です。

いわば“退職金のための積立貯金”を、外部機関に任せる制度。中小企業の味方とも言える存在です。


第3章|特退共ってなに?ざっくり仕組みを解説!

「共済制度」と聞くと少し難しく感じますが、ざっくり言えばこういう仕組みです。

  • 会社が毎月、社員1人あたり一定額を積み立てる(掛金)

  • このお金は“退職金専用”として管理される

  • いざ社員が退職したときに、まとまった退職金が支払われる

掛金の金額は、会社が自由に決められます。1人あたり月1,000円〜3万円程度まで対応可能で、業績に応じて変更も可能です。

運営は、商工会議所や業界団体、または厚生労働省管轄の機関が行っており、信頼性も高く、万が一制度が崩壊するようなリスクも非常に低いとされています。


第4章|特退共のメリットとデメリットを整理しよう

では、特退共を導入することで、どんな利点があるのでしょうか?また、注意点も押さえておきましょう。

✅メリット

  • 少額から始められる
    → 月1,000円程度の積立でもOK。負担が少ないです。

  • 退職金を準備している会社だとアピールできる
    → 求人票に「退職金制度あり」と記載できるのは大きな武器。

  • 掛金は全額、法人の経費になる
    → 節税効果も見込めます。

  • 手続きがシンプルで、専門知識不要
    → 商工会議所などが窓口となっており、導入しやすいです。

⚠️デメリット

  • 途中でやめにくい
    → 長期継続が前提の制度です。

  • 柔軟性が少ない
    → 社員の等級や評価に応じた支給額の調整ができないため、評価制度と連動させるにはやや不向きです。

  • 地域・業種によって加入できない場合がある
    → 特退共は地域・団体ごとに制度が違うため、詳細確認が必要です。


第5章|こんな中小企業には、特退共がピッタリ!

では、実際にどのような会社に特退共は向いているのでしょうか?

💡特退共の導入が向いている企業の特徴

  • 退職金制度がこれまでなかった会社

  • 社員数が少ない(1~30人)会社

  • 経理の負担をできるだけ減らしたい会社

  • 求人票で福利厚生を充実させたい会社

  • 急に数百万円の退職金を用意するのが難しい会社

とくに、社員の定着率に課題を感じていたり、求人で応募が来ないことに悩んでいたりする企業には、特退共のような「小さく始められる退職金制度」は非常に有効です。


第6章|まとめ:退職金ゼロの“無責任経営”にならないために

退職金を出せるか出せないか――。

それは中小企業にとって大きな悩みですが、「出せないから仕方ない」で終わらせてしまうと、社員との信頼関係にヒビが入ります。最悪、優秀な人材の流出につながってしまうこともあります。

でも、今日ご紹介した特退共なら、小さな一歩からスタートできます。

・毎月1,000円の積立からでもOK
・退職金制度の「ある会社」になれる
・採用や定着にも好影響がある

社員のため、そして会社の未来のために――。

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