社員が離れない企業は「なぜ」を語っている──『ゴールデンサークル』× 地産地働®で変わる中小企業の未来

杉山 晃浩

序章:「なぜ」を語る企業だけが選ばれる時代

今、会社を選ぶときに「給料が高いか」「福利厚生が良いか」だけではなく、「どんな思いでその仕事をしているのか」が大切になってきています。

サイモン・シネックという人が提唱した『ゴールデンサークル』という考え方があります。彼は「人は“何をしているか”ではなく、“なぜそれをしているのか”に共感して動く」と言っています。

私たち「地産地働®」の活動も、まさにこの“なぜ”を大事にしています。地域の若者が地元で働きたくなるような企業を増やしたい。それが私たちの信念であり、存在意義です。

第1章:すべては「Why」から始まる

『ゴールデンサークル』とは、3つの円で表されます。

  • 一番内側が「Why(なぜ)」

  • その外側が「How(どうやって)」

  • 一番外側が「What(何を)」

多くの企業は「何をしているか(What)」から話し始めますが、本当に人を動かすのは「なぜそれをしているのか(Why)」です。

たとえば、Appleは「革新的なデザインのパソコンを作る会社」ではなく、「常に現状を疑い、新しい考え方で世の中を変えようとしている会社」だと多くの人が感じています。だからこそ、スマホでも時計でも人はAppleを信頼するのです。

第2章:「地産地働®」を通じた「Why」の実践

私たちの「Why」は、「地元の若者が地元で働きたいと思えるような会社を増やしたい」という思いです。

なぜなら、多くの若者が「地元にはいい仕事がない」と感じ、都会に出て行ってしまう現状があるからです。そうした若者たちに、「この地域にも誇りをもって働ける会社があるよ」と伝えたいのです。

ただし、どれだけ素晴らしい考えを持っていても、発信しなければ存在しないのと同じです。あなたの「Why(なぜやっているか)」に共感する誰かに届けるために、情報発信は欠かせません。

第3章:中小企業が「Why」を浸透させるための3つの柱

私たちは「地産地働®」を広げていくために、次の3つを柱としています。

  1. 未来志向の経営者を増やす
    過去の成功だけに頼るのではなく、これからの時代に合った柔軟な考えを持つ経営者を応援します。

  2. 3年後の経営目標を明確にする
    「なんとなく経営」から、「目指すゴールを明確にした経営」へ。社員にもその目標をしっかり伝えることで、一体感が生まれます。

  3. 信頼できる伴走者になる
    経営者と同じ目線で、ともに悩み、考え、進むパートナーであること。それが私たちの役割です。

第4章:「わかちあう」ことで社員は離れなくなる

会社の理念や思い(=Why)を社員と共有し、日常の中で繰り返し伝えていくことで、社員の中にも共感が生まれていきます。

そのプロセスを私たちは「成長の5ステップ」と呼んでいます:

  1. 知る

  2. わかる

  3. おこなう

  4. できる

  5. わかちあう

最後の「わかちあう」段階になると、社員は自分ごととしてその思いを語れるようになります。そうした会社では、社員の定着率が高く、強い組織になっていきます。

第5章:「Why」を共有し合う地域企業ネットワークの構築

私たちは全国の仲間と連携し、地元でがんばる中小企業の活動を応援しています。

例えば、すでに1万社以上のノウハウ提供企業があり、何千もの自社採用サイトが構築されています。これらの“集合知”は、あなたの経営にも活用できます。

地元で働くことを大切にする企業同士が「Why」を共有し合うことで、地域全体が元気になっていくのです。

結章:地産地働®で未来を変える第一歩を踏み出そう

難しいことを始める必要はありません。

あなたの「Why」を、あなたの言葉で語ることから始めてみてください。

  • ブログに書く

  • SNSで発信する

  • 顧客との会話で伝える

  • セミナーなどで発表する

たとえ完璧でなくても、その一歩がやがて多くの人に伝わり、地域と未来を変える力になります。

あなたの「なぜ」を、今日から発信してみませんか?

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