“地産地消”だけじゃない!地元を支える「地産地働」のススメ

杉山 晃浩

第1章:「地元で働く」という選択肢、ありますか?

「地元には仕事がないから…」「都会で働くのが普通でしょ?」
そんな言葉を、地方に住む若者たちから何度も聞いてきました。

多くの地域で、進学や就職をきっかけに若者が都市部へと流出し、戻ってこないという現象が続いています。
結果、地元には若手人材がいなくなり、企業は人手不足に悩み、地域経済の縮小が進んでいます。

この負のループに歯止めをかけるために、私たちが提唱しているのが「地産地働®」という考え方です。

「地産地消」という言葉は聞いたことがあるかもしれません。
地元で育てたものを地元で消費することで、地域経済を循環させ、地産業を守る取り組みです。

それと同じように、「地元で育った人が、地元で働く」──これが「地産地働」です。
地元の人材を、地元の企業が雇用し、育てることによって、地域に人が根づき、企業が活力を取り戻し、地域が持続可能になります。

この考えを広め、実践していくことこそが、私たち採用定着士の使命なのです。


第2章:採用定着士の“Why”──なぜ「地産地働」なのか?

私たち採用定着士の究極の目的は、ただ人を採用することではありません。

地元の若者が、地元で働きたくなるような会社を、地元に増やすこと。

それが、私たちが全国共通で掲げている揺るぎない信念です。

人口が減り、若者が減り、地域経済が縮小していく中で、「都会から人を呼ぶ」ことには限界があります。
だからこそ、地域にいる若者が「ここで働いてもいいな」「ここで暮らしたい」と思えるような企業を、地域の中につくっていく必要があります。

企業にとっても、地元に根ざして長く働いてくれる人材の確保は、事業の持続性に直結する重要な課題です。

そのために、私たちは採用戦略の見直しから、定着支援、人間関係の改善、職場環境の整備まで、あらゆる角度から中小企業をサポートしています。

採用定着士は、単なる「採用コンサル」ではなく、**地域と企業と人材の未来をつなぐ“懸け橋”**です。


第3章:「地産地働」が注目される社会背景

なぜ今、地産地働が注目されるのか?その背景には、大きく3つの社会課題があります。

① 若者の都会流出と地元離れ

地方の若者の多くが、高校卒業後に進学や就職で都市部に移り、そのまま戻らなくなっています。
「やりがいがなさそう」「給与が安そう」「ブラックそう」──こうしたイメージが、地元企業への就職を遠ざけています。

② 中小企業の採用難と人材定着率の低さ

一方で、地元の中小企業は人手不足が深刻化しています。
採用してもすぐ辞めてしまう、応募すら来ない、といった悩みを抱えている企業は少なくありません。

③ 地域経済の縮小と活力の低下

若者が減れば、家庭が減り、子どもが減り、学校や商店がなくなり、地域そのものの活力が失われます。
これらの問題を根本から解決していくには、「地元で働く若者」を増やすことが不可欠です。


第4章:地元で働くことのリアルな価値

では、地元で働くことに本当に価値はあるのでしょうか?
答えは「Yes」です。むしろ、これからの時代において、地元就職には都会では得られないメリットがあります。

  • 生活コストが低い(家賃・通勤費など)

  • 親や家族と近く、精神的な安心感がある

  • 地域とのつながりが強く、人として成長できる

  • 早期から重要な仕事を任されやすく、スキルが磨ける

これらの価値をしっかり伝え、地元企業が自らの魅力に気づき、若者に伝える努力をすれば、“地産地働”は十分に可能です。


第5章:地産地働を実現する3つのアクション

アクション①:求人の「見せ方」を変える

求人票にただ仕事内容と給与だけを書いていては、若者の心は動きません。

  • どんな人が働いているか?

  • 入社後の成長イメージは?

  • 職場の雰囲気ややりがいは?

こうした「人となり」「職場のリアル」が伝わるような求人づくりが、最初の一歩です。

アクション②:ミスマッチを防ぐ面接と体験

「思っていたのと違った」と辞められないために、面接段階でしっかりと職場の現実を伝えること。
できれば、入社前に職場体験や先輩との対話の機会を設けると、定着率が飛躍的に高まります。

アクション③:定着支援と人間関係の土壌づくり

人間関係で離職する若手は多いもの。
採用して終わりではなく、入社後のOJT制度やフィードバック面談、リーダー育成など、**“辞めない仕組み”**が必要です。


第6章:採用定着士と歩む、企業の変化ストーリー(仮想事例)

宮崎県のある印刷会社は、ここ数年若手社員が定着せず悩んでいました。

「うちは田舎だし、給料もそんなに高くないし…」と半ばあきらめていた社長に、採用定着士が入り、求人の見直しからスタート。

  • 現場社員の声を反映した“本音の求人票”を作成

  • インターン制度を導入し、応募前に体験の機会を提供

  • 入社後3か月、6か月でのフィードバック面談制度を導入

その結果、翌年採用した地元の専門学校卒の若者2名が定着。
今では業務の中核を担い、会社の雰囲気も明るくなったとのこと。

「地元で働けてよかったです」
その言葉を聞いた社長の目には、うっすら涙が浮かんでいました。


第7章:地産地働の未来は、地域の未来

「地元には仕事がない」と決めつけるのではなく、
「地元で働く価値」を企業も地域も、もっと伝えていく必要があります。

私たち採用定着士は、その実現のために、日々全国で企業と若者と向き合いながら動いています。

地元で生まれ、地元で育ち、地元で働き、地元に貢献する。

そんな働き方が、当たり前になる社会へ。
“地産地働”は、決して夢物語ではありません。

あなたの地域にも、あなたの会社にも、今すぐできることがきっとあるはずです。
その一歩を、私たちと一緒に踏み出してみませんか?


📌最後に:採用定着士への相談を希望される方へ

地産地働を実現したい、若者を地元に呼び戻したい──
そう願う経営者・人事担当者の皆様。ぜひ一度、採用定着士にご相談ください。

私たちがあなたの地元の未来を、共に考え、共に創ります。

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