インフレ時代の退職金制度──中退共とDC、社員の未来を守るのはどちらか?
杉山 晃浩
1. はじめに:経営者に突きつけられる“インフレという現実”
いま、私たちは「インフレ時代」という新しい局面に突入しています。
物価上昇によって、お金の価値は確実に下がっています。日常の買い物でも「同じ金額で買えるものが減った」と感じている方は多いでしょう。
この流れは、退職金制度にも大きな影響を及ぼします。20年、30年後に社員が退職する時、退職金がインフレに対応できていなければ、実質的に社員の老後資産は目減りしてしまいます。
「退職金制度があるから安心」と思っていませんか?
実は、その選択を誤ると、社員の未来を守るどころか、裏切る結果になりかねません。
2. 中退共の限界──インフレに弱い退職金制度
多くの中小企業が利用している「中小企業退職金共済(中退共)」。国の制度で導入は簡単、掛金も損金算入できるため「とりあえず退職金制度は整えている」という安心感を経営者に与えてきました。
しかし、中退共の資産運用は国債中心。低金利時代には安全策かもしれませんが、インフレ下では完全に逆風です。実際に昨年はマイナス利回りを記録しました。
その結果、社員が将来受け取る退職金の購買力が落ち続けるという深刻な問題が起きています。
つまり、退職金があるのに老後を守れない──これが中退共の限界です。
3. 中退共 vs 企業型DC:比較で分かる決定的な違い
項目 | 中退共 | 企業型DC |
---|---|---|
制度の成り立ち | 国の共済制度 | 法律に基づく企業年金制度 |
運用方法 | 国債中心、低リスク・低リターン | 株式・債券・投資信託など分散投資 |
直近の実績 | マイナス利回りも発生 | SBIベネフィット受託プランは二桁含み益多数 |
インフレ対応力 | 実質的に資産価値が目減り | インフレに強い資産運用が可能 |
社員の資産形成 | 増えにくい | 長期で1,000万〜2,000万円の形成が可能 |
採用・定着効果 | 制度はある安心感のみ | 「成長する退職金制度」で大きなアピールに |
導入・運用負担 | 比較的簡単 | 就業規則整備や教育が必要(AMがフォロー) |
この比較表を見れば明らかです。
インフレ時代に社員の未来を守れるのは「企業型DC」しかありません。
4. 企業型DCの強み──社員の老後資産を守る仕組み
SBIベネフィット・システムズが受託する企業型DCでは、ほぼすべてのプランで二桁の含み益を計上しています。加入者の中には年平均利回りが二桁超えという実績を持つ社員も少なくありません。
これは市場に広く分散投資できる仕組みのおかげです。インフレ局面でも、資産が成長し続ける可能性を秘めています。
社員一人あたり1,000万〜2,000万円の退職金資産形成を現実的に実現できる制度。それが企業型DCです。
5. 生命保険会社が放棄した市場を守るSBI
かつて中小企業の退職金制度を普及させたのは生命保険会社でした。しかし現在、加入者数の制限や収益性の問題から、生命保険会社は企業型DC市場を放棄しています。
そこで市場を守り続けてきたのが、SBIベネフィット・システムズです。
この16年間、中小企業への企業型DC普及に尽力し、退職金制度の再構築をリードしてきました。
SBIはまさに「中小企業の退職金を守る最後の砦」なのです。
6. オフィススギヤマの役割──AMとしての安心感
そして、SBIの制度を中小企業に届ける役割を担っているのが**アカウントマネージャー(AM)**です。
オフィススギヤマは、SBIベネフィット・システムズのAMとして、
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就業規則の整備
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社員向けの金融教育
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導入後のフォロー
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トラブル防止と情報提供
を一貫して支援しています。
「SBIが守る市場を、オフィススギヤマが現場で支える」──これが御社にとっての最大の安心材料です。
7. まだ導入していない企業は取り残される
ここで経営者にお伝えしたいのは一つ。
中退共だけに頼っている企業は、社員の未来を守れないということです。
一方で、企業型DCを導入している企業は、社員に「成長する退職金制度」を提供し、採用力・定着力の面でも確実に優位に立っています。
退職金制度の選択は「あるかどうか」ではなく、「どんな制度を選ぶか」が企業の未来を決めるのです。
8. 結論──インフレ時代に生き残れる経営者とは
インフレ時代に、中退共一本で社員の老後を守れると考えるのは危険です。
SBIベネフィット・システムズの仕組みと、オフィススギヤマのAMとしての伴走力があれば、御社も安心して企業型DCを導入できます。
退職金制度は単なる福利厚生ではありません。
それは、社員の未来を守り、企業の競争力を決める経営判断です。
まだ企業型DCを導入していない企業は、確実に取り残されます。
社員を守れる経営者だけが、このインフレ時代を生き残れるのです。