2026年1月分 人事労務クイズ~安全配慮について~
問題 ∼ 安全配慮について ∼
会社が労働者に対して負う「安全配慮義務」の内容に含まれないのはどれでしょうか?
答え
【A】 業務中の危険を予見し対策を講じる
【B】 メンタルヘルス不調を未然に防ぐ
【C】 私生活の健康を管理する
【C】 私生活の健康を管理する
「安全配慮義務」とは、労働契約法第5条に基づき、労働者が安全かつ健康に働けるよう企業が配慮すべき法的義務です。
これを怠り、労災事故やメンタル不調が発生した場合、企業は多額の損害賠償責任を問われるだけでなく、社会的信用も大きく損なうことになります。
1. 安全配慮義務の範囲と境界線
企業は「労働者の生命・身体の安全」を確保する義務を負っていますが、その範囲はあくまで「業務に関連する範囲」に限定されます。
業務環境の整備: 物理的な危険(機械の不備など)だけでなく、精神的な負荷(長時間労働やハラスメント)への対策も含まれます。
私生活との境界: 帰宅後の食事や睡眠習慣といった「私生活の完全な管理」までは、個人の自由に関わるため、企業の法的義務には含まれません。
2. 実務上のポイント
近年、特に重要視されているのが「心の健康」への配慮です。
予見可能性: 従業員が過重労働で疲弊していることを知りながら放置した場合、企業は「予見できたはずの危険を回避しなかった」として、安全配慮義務違反を問われる可能性が極めて高くなります。
事後措置の徹底: 健康診断の結果、異常が見つかった労働者に対して、残業制限や業務内容の変更を行うことは、義務を果たすための必須の対応です。
3. 労務担当者が意識すべきこと
「私生活までは管理できない」からといって無関心で良いわけではありません。
私生活の乱れが業務に起因している(例:過剰な業務量により睡眠が取れない)場合は、企業の責任範囲となります。
まとめ:リスクマネジメントとしての安全配慮
安全配慮義務を「コスト」ではなく、「企業のリスクを回避し、従業員のパフォーマンスを最大化するための投資」と捉えることが大切です。労働者の不調にいち早く気づき、適切な措置を講じられる体制を整えることは、結果として企業を法的リスクから守ることにつながります。
この機会に、相談窓口の周知やストレスチェックの活用など、社内の健康管理体制を見直されてみてはいかがでしょうか。