はぐくみ基金を入れて安心していませんか? 実は“もう一段お得”にできる企業年金の話
杉山 晃浩
第1章|はぐくみ基金を入れた社長が「もう十分」と感じてしまう理由
はぐくみ基金を導入したとき、
多くの社長はこう感じたはずです。
「これで社員の将来にも配慮できた」
「うちは福利厚生もそれなりに整った」
その感覚は、決して間違いではありません。
はぐくみ基金は、中小企業にとってとても良くできた制度です。
ただ、社労士の立場から見ると、
ここで思考が止まってしまう会社が非常に多いのも事実です。
「入れた=完成」
と考えてしまうのです。
しかし企業年金は、
入れたかどうかより、どう設計しているかで
価値が大きく変わる制度です。
第2章|企業年金は「入れたかどうか」より「設計」で差がつく
企業年金というと、
「ある・ない」で語られがちです。
ですが実際には、
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どの制度を
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どう組み合わせて
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どこまで会社が関与するか
この設計の違いで、
会社の負担も、社員の満足度も変わります。
はぐくみ基金は、
企業年金の土台として非常に優秀です。
ただし、土台はあくまで土台。
その上に何をどう乗せるかで、
制度の力はまだ伸ばせます。
第3章|はぐくみ基金の「良いところ」と「実は足りないところ」
まず、はぐくみ基金の良いところを整理します。
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導入しやすい
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社員に説明しやすい
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福利厚生として分かりやすい
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会社負担が読みやすい
中小企業にとって、
「最初の企業年金」としては非常にバランスが良い制度です。
一方で、実務的に見ると
足りない部分も見えてきます。
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積立額に上限がある
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社員ごとの柔軟な積立が難しい
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「もう少し積みたい」人への対応ができない
これは制度の欠点というより、
役割の限界です。
悪いのではなく、
伸ばしきれていないだけなのです。
第4章|企業型DCを「足すだけ」で何が変わるのか?
そこで選択肢になるのが、企業型DC(確定拠出年金)です。
難しく聞こえるかもしれませんが、
考え方はとてもシンプルです。
はぐくみ基金で「ベース」を作り、
企業型DCで「上積み」を用意する
これだけです。
企業型DCを組み合わせることで、
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もっと積み立てたい社員に応えられる
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社員自身が積立額を選べる
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老後資金への関心が高まる
といった変化が起きます。
社長側にとっても、
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制度全体の魅力が上がる
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福利厚生として説明しやすくなる
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採用・定着で使いやすくなる
というメリットがあります。
第5章|「企業型DC=面倒」は、設計次第で回避できる
ここで多くの社長が、
一歩引いてしまいます。
「DCって、管理が大変そう」
「違法とか脱法って聞いたことがある」
「実務が増えるのでは?」
この不安は、もっともです。
実際、
設計を間違えた企業型DCは、
面倒になります。
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無理な全員加入
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説明不足
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規程がちぐはぐ
こうしたケースでは、
社長や会社が余計な負担を背負います。
逆に言えば、
きちんとした規約型の設計であれば、
実務負担は最小限に抑えられます。
第6章|はぐくみ基金導入企業だからこそ、DCが“はまりやすい”
すでにはぐくみ基金を導入している会社には、
大きな強みがあります。
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社員が「積み立て」に慣れている
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制度説明への抵抗が少ない
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福利厚生への理解がある
つまり、
企業型DCを受け入れる土壌ができているのです。
ゼロから説明する会社よりも、
はるかにスムーズに制度が浸透します。
「今さら」ではなく、
「今だからこそ」検討しやすい状況だと言えます。
第7章|社長がやるべきは「判断」だけ
― 面倒なところは外に出す
ここで大切な考え方があります。
社長は、
制度をすべて理解する必要はありません。
社長がやるべきことは、次の3つだけです。
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やるかどうかを決める
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どこまでやるかを決める
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誰に任せるかを決める
制度の細かい設計や管理まで、
社内で抱える必要はありません。
オフィススギヤマでは、
はぐくみ基金+企業型DCという組み合わせを、
中小企業向けに無理のない形で設計しています。
SBIの「プラス年金」を活用することで、
運営や管理の“面倒な部分”は外に出し、
社長の関与を最小限に抑えます。
第8章|まとめ|はぐくみ基金はゴールではなく「スタート」
はぐくみ基金は、とても良い制度です。
だからこそ、それで終わらせるのはもったいない。
企業年金は、
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頑張る制度ではありません
-
我慢する制度でもありません
正しく組み合わせれば、
会社も社員も無理をしない制度になります。
もし、
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今の制度で十分か分からない
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もう少し良くできる余地がある気がする
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社員にとって本当にプラスか確認したい
そう感じたら、
一度立ち止まって考えてみてください。
はぐくみ基金は、
ゴールではなくスタートです。