運送業事務員のための ドライバーに“正しく記録させる”ための実務の基本

杉山 晃浩

「何度言ってもちゃんと記録してくれない」
「適当に書かれている気がする」
「デジタコと合っていない」

運送業の事務員であれば、一度はこうした悩みを持ったことがあるはずです。

中には、

「そんな細かいこと言うな」
「忙しいんだから仕方ないだろ」
さらには
「チクるぞ」

といった強い言葉で押し返されるケースもあります。

しかし、ここで押さえておかなければならないのは、

👉 記録の問題は“現場の問題”ではなく“会社のリスク”である

ということです。


■ なぜ“正しい記録”が必要なのか

まず大前提です。

なぜここまで記録が重要なのか。

それは、

👉 デジタコは「証拠」だからです。


  • 労働時間
  • 運転時間
  • 休憩の有無

これらはすべて、後から確認されます。


例えば、

  • 勤怠では8時間勤務
  • デジタコでは10時間運転

この場合、

👉 会社側の管理不足と判断される可能性が高い

です。


つまり、

👉 記録のズレ=そのまま会社のリスク

になります。


■ 問題の本質は“人”ではない

ここで一つ大事な視点です。

「このドライバーが悪い」
「言うことを聞かない」

と考えてしまいがちですが、

👉 本質はそこではありません。


問題は、

👉 仕組みがないこと

です。


  • 記録が曖昧でも通ってしまう
  • チェックされない
  • 対応がバラバラ

こういう状態では、誰でもルールは守らなくなります。


■ 実務の基本①「ルールを明確にする」

まず最初にやるべきことはこれです。

👉 “お願い”をやめること


よくあるのが、

「ちゃんと書いてくださいね」
「正しく入力してください」

という指示です。


これでは動きません。


必要なのは、

👉 ルール化(義務化)です。


具体的には、

  • デジタコ記録は正確に行うこと
  • 虚偽記録は禁止
  • 勤怠との不一致は確認対象
  • 指示違反は指導対象

👉 “やってください”ではなく“やるべきこと”にする


これがスタートです。


■ 実務の基本②「必ず突合する」

次にやるべきことです。

👉 デジタコと勤怠を必ず比較する


ここをやらない会社が非常に多いです。


チェックの流れはシンプルです。


① 勤怠表を見る
② デジタコを見る
③ ズレを確認する


👉 これだけです。


ここで重要なのは、

👉 ズレを見逃さないこと

です。


■ よくあるズレ

現場では次のようなズレが頻発します。


  • 運転時間が長い
  • 休憩が取れていない
  • 終業時間が違う
  • 停止を休憩と誤認している

これを放置すると、

👉 違反が積み重なります


■ 実務の基本③「感情で伝えない」

ここが非常に重要です。


NG対応:

「ちゃんとやってください!」
「なんでできないんですか?」


👉 これでは対立になります。


OK対応:

👉 事実だけ伝える


例:

「デジタコでは10時間ですが、申告は8時間になっています」


👉 これだけで十分です。


ポイントは、

👉 判断ではなく事実を伝える


■ 実務の基本④「記録を残す」

ここが一番重要です。


👉 すべて記録してください


  • 指導した内容
  • 本人の回答
  • 修正内容

👉 なぜ必要か?


👉 後で“証拠”になるからです。



■ 問題ドライバーへの対応

中には、

  • 適当に記録する
  • 故意に違反する
  • 強い態度をとる

人もいます。


この場合のポイントは一つです。


👉 個別対応しない



■ 正しい対応

👉 ルール通りに対応する


  • 1回目:注意
  • 2回目:記録
  • 3回目:正式指導

👉 感情ではなく“仕組みで対応”



■ 「チクるぞ」と言われた場合

ここは冷静に考えてください。


👉 本当に困るのは誰か?


  • 違反しているのはドライバー
  • 管理責任が問われるのは会社

つまり、

👉 会社は正しいことをしている側

です。


だから対応はシンプルです。


👉 「ルールを守ってください」


これだけです。


■ 事務員の本当の役割

ここが一番伝えたいことです。


👉 管理することではありません


👉 “ズレに気づくこと”です


  • 完璧じゃなくていい
  • すべて見なくてもいい

でも、

👉「おかしい」

と気づけるだけで、

👉 会社は守れます。


■ 最低限やるべき3つ


① デジタコと勤怠を比較する
② ズレを見つける
③ 記録を残す


👉 これだけで十分です。


■ まとめ


  • 正しい記録は会社を守る
  • 問題は人ではなく仕組み
  • ルール化が最優先
  • 感情ではなく事実で対応
  • 記録が最大の武器


■ 最後に

ドライバーに正しく記録してもらうことは、

簡単なことではありません。


しかし、

👉 仕組みを作れば変わります


逆に言えば、

👉 仕組みがなければ絶対に変わりません


事務員の一つひとつの対応が、

👉 会社を守る力になります。


この内容をベースに、

社内ルールや運用を見直していただければ幸いです。

 
 
 
 
 

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