転ばぬ先の杖

杉山 晃浩

先週は、連日、労働基準監督署の定期監督後の対応を考えていました。 政府は、昨年末から長時間労働削減に向けて本腰を入れてきました。 実は、ここ数年、弊所のクライアントに労働基準監督署の定期監督がほとんど入っていなかったのです。 しかしながら、今年に入り、相当数の定期監督への立会いや是正対応をしています。 また、特徴的なのは、労働基準監督官が突然会社に訪問してくる臨検監督が増えている実感があります。 労働基準監督署に出向く場合には、指定された資料を持参し、法令違反が無いか確認します。法令違反が無ければ何もありません。 でも、法令違反や改善すべき点があれば、是正勧告や指導票に記載された指定期限までに、アクションを起こして報告しなければなりません。 なお、悪質な違反や是正勧告に従わないときには、送検されることもあります。 一方、労働基準監督官がわざわざ会社まで来てくれる臨検監督の場合には、労働基準監督署に出向く場合に持参する資料のほかに、会社の現状をチェックされます。 例えば、就業規則の周知状況、安全衛生管理体制の確認、機械器具の状態など、現場でなければわからないことをチェックされます。 そうです。臨検監督の場合は、労働安全衛生法関連の是正勧告が増える傾向にあります。機械等の状態によっては、使用禁止となることもあります。 結論としては、従業員の労働時間を全て本業に注ぎ込み、生産性をあげるためにも、法令順守を行うことが必要です。 法令順守状態を保つためには、定期的な社内チェック(労務監査)が大切です。 もしも、貴社の現状に不安を感じるのであれば、社会保険労務士に労務監査をお願いしましょう。 私たち社会保険労務士は、経営者の転ばぬ先の杖になっています。

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