2023年5月分 人事労務クイズ～健康診断の実施に関して～
問題 ∼ 健康診断の実施に関して ∼
会社には定期健康診断等の実施が義務づけられていますが、休業中の労働者の取り扱いについて、誤っているのはどれでしょうか？
答え
【A】 休業中であっても、実施しなくてはならない。
【B】 育児休業、療養等により休業中の場合には、実施しなくてもさしつかえない。
【C】 育児休業、療養等により実施さなかった場合には、休業修了後、速やかに実施しなければならない。
【A】 休業中であっても、実施しなくてはならない。
新年度もはじまり、新たに従業員を採用された事業所様も多いかと思います。採用時によくある相談事項のひとつが、健康診断に関することです。
健康診断の実施義務は、労働安全衛生法により定められており、会社は対象となる従業員に対して必ず受診させなければならず、また、その内容、受診項目は従業員の属性により様々です。
以前のクイズで取り上げましたので、そちらもご覧ください。
常時使用する労働者を雇い入れるときには健康診断を実施しなければなりません。また、雇入れ時のみならず、１年以内ごとに１回、定期的に実施しなければなりません。
健康診断を実施しなければないないのは、正社員はもちろんですが、パートや契約社員であっても、１週間の所定労働時間が正社員の労働者の４分の３以上で、１年以上継続して雇用される予定があれば対象となりますので、注意が必要です。
これらの要件に該当する従業員であっても、定期健康診断を受けさせる必要のない場合があります。
それは、定期健康診断を実施すべき時期に、労働者が、育児休業、療養等により休業している場合です。
詳細は、こちら（通達 育児休業等により休業中の労働者に係る健康診断の取扱いについて）をご覧ください。
出展：安全衛生情報センター
ただし、職場復帰後は速やかに定期健康診断を実施する必要がありますので、くれぐれもご注意ください。
また、健康診断に関する相談で多いのは、受診拒否についての取り扱いです。
例えば『業務が忙しくて健康診断の時間が取れない。』『特に健康上問題なく元気だ』等の理由で従業員が受診を拒み受診しなかったときは、会社は50万円以下の罰金刑になる可能性があります。
原則的に、会社は、定期健康診断を受けさせる義務がありますので、誤ったな判断をしないよう気をつけましょう。