2023年8月分 人事労務クイズ~36協定違反~

問題  ∼ 36協定違反 ∼

36協定に違反した場合、罰則や企業名の公表などのリスクがあります。
次のうち、法違反にならないのはどれでしょう。

答え

【A】 協定なしに残業をさせた

【B】 設定した上限時間を超えて残業させた

【C】 臨時的で特別な事情があり、上限時間を超えて残業させた

【C】 臨時的で特別な事情があり、上限時間を超えて残業させた

36協定とは、時間外・休日労働に関する協定届のことです。労基法第36条により、法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超える時間外労働や休日労働を命じる場合、従業員代表と協定を結び、労働基準監督署に届け出る必要があります。

以前は、協定を結び届出を行えば、実質際限なく時間外労働を行うことができましたが、働き方改革の一環として、2019年4月(中小企業は2020年4月)労基法が改正され、上限規制が設けられました。

また、届出書についても2021年4月から新しい様式となりました過半数代表者に関するチェック項目等が追加されておりますので、届出に際しては新しいものを使っていただく必要があります。

臨時的で特別な事情があれば「36協定の上限規制を超えた時間外労働」いわゆる特別条項の条件下で時間外労働や休日出勤が行えます。
特別条項付き36協定を締結することで月45時間、年間360時間(時間外労働の上限時間)を超えた労働が行えます。

36協定に違反すると、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられるおそれがあります。また、書類送検されると厚労省や県の労働局ホームページ内に企業情報が公表されます。

最近の事例では、労働基準監督署の定期監督で違反が確認され、労働時間があまりにも長すぎるとして、是正指導は挟まず、いきなり書類送検となった案件もありました。

労働効率を改善し、時間外労働や休日労働が行われないことが一番ですが、どうしても時間外労働は発生してしまうことはあるでしょう。そうであっても、従業員の労働時間を確実に把握し、時間外労働の削減に向けて取り組む必要があります。対策をとらず、上記の事案のようにならないようにしましょう。

また、ほとんど残業がないという場合でも、従業員に時間外労働させる可能性が少しでもあるのであれば、必ず36協定を締結しておきましょう。