2024年1月分 人事労務クイズ~賃金控除~

問題  ∼ 賃金控除 ∼

  1. 従業員が、会社の車を運転中に事故を起こし、修理費用が発生しました。この場合、賃金から修理費用を控除することはできるでしょうか?

答え

【A】 できる

【B】 できない

【C】 一部だけできる

【B】 できない

賃金からの控除は、法令によって認められた場合や、労使協定によって認められた場合に限られます。
修理費用は、賃金から控除することはできません。

【賃金の全額払いの原則】
労働基準法第24条では、給料の全額払いの原則を規定しており、給料から一切控除することは認められておらず、その全額を労働者に支払わなければならないとされています。

しかし、賃金の全額払いの原則には、2つの例外があります。詳細は、更に詳しくをクリックしてください。

  1. 「労使協定によって認められた場合」
  2. 「法令に特段の定めがある場合」

賃金の全額払いの原則には、2つの例外があります。

【例外規定】

  1. ひとつめは、「労使協定によって認められた場合」です。
    ただし、次の2つの条件を満たす必要があります。
    まず、労使間による控除に関する協定の締結です。
    そして、控除できるのは、互助会費、組合費、旅行積立金といった事理明白なものに限られます。

    労使協定を締結すれば、互助会費、組合費、旅行積立金等の事理明白なものであれば給料から控除できますが、修理費や損害賠償金等は事理明白なものには該当しないため、修理費や損害賠償金等を給料から控除すると労働基準法違反となります。
    どんなものでも控除できるわけではないので、ご注意ください。

  2. ふたつめは「法令に特段の定めがある場合」です。
    例えば、源泉所得税や健康保険料等は、各法によって、税金や保険料を控除できる旨が規定されています。これら「法令に特段の定めがある場合」には、特別な手続きを経るこなく、給料からの控除が可能です。

なお、この時期に会社は「給与支払報告書」を提出することが義務付けられており、これは、市民税・県民税といった住民税の計算のもととなる大切な資料です。1月1日現在において給与等の支払を受けているすべての従業員について、指定された期限までに給与支払報告書を作成し、該当する市町村へにご提出しなければなりません。
これをもとに、住民税額が決定され、毎年5月頃に「特別徴収税額決定通知書と納付書」が勤務先へ送付され、6月より給与から源泉徴収を行う仕組みとなっております。