2025年5月分 人事労務クイズ~退職後の健康保険について~

問題  ∼ 退職後の健康保険について ∼

退職後の健康保険について、不適切な対応はどれでしょうか?

答え

【A】 在職中の健康保険を継続する

【B】 国民健康保険に加入する

【C】 いずれも任意でよい

【C】 いずれも任意でよい

日本では「国民皆保険制度」により、すべての人が何らかの公的医療保険に加入する義務があります。そのため、退職後に「どの保険にも加入しない」「加入は任意でよい」という対応は誤りです。

退職後に取るべき正しい対応は、以下のいずれかです。
◎在職中の健康保険を「任意継続被保険者」として継続する(最長2年間)
◎お住まいの市区町村の「国民健康保険」に加入する

【任意継続被保険者の加入要件】
任意継続を選ぶ場合、次の2つの条件を満たす必要があります。
◎退職日までに、継続して2カ月以上同じ健康保険に加入していたこと
◎退職日の翌日から20日以内に、任意継続の申請を行うこと

申請を行わなかった場合は、自動的に資格喪失となり、国民健康保険への加入手続きが必要になります。

【どちらを選ぶ?判断のポイント】
■ 任意継続が向いているケース
退職前の収入が低く、保険料が比較的安く済む
扶養家族が複数いるため、扶養制度を継続したい
現在の健康保険証を使い続けたい(医療機関での利便性)

■ 国民健康保険が向いているケース
退職後に収入が大きく減少する予定
単身世帯や扶養家族がいない
任意継続の保険料が上限に近く高額
将来、自営業・フリーランスとして活動する予定がある

【注意点】
任意継続は、原則として途中でやめることができません。
一度選択すると、2年間継続する必要があります(例外:保険料の未納など)。

国民健康保険の保険料は自治体によって異なります。
正確な保険料を知りたい場合は、お住まいの市区町村へ問い合わせましょう。