2026年3月分 人事労務クイズ~職場におけるメンタルヘルスケア~
問題 ∼ 職場におけるメンタルヘルスケア ∼
厚生労働省の指針で示されている、職場における「4つのケア」に含まれないものはどれでしょうか?
答え
【A】 セルフケア
【B】 ラインによるケア(上司によるケア)
【C】 医療機関での受診・治療
【C】 医療機関での受診・治療
【制度の考え方】
職場におけるメンタルヘルスケアは、以下の「4つのケア」が継続的かつ計画的に行われることが重要とされています。
医療機関での治療は、これら4つのケアを土台とした「結果」や「外部資源の活用」の一部ではありますが、指針上の分類には含まれていません。
1. メンタルヘルスを支える「4つのケア」とは
職場全体で網羅的に対策を行うためのフレームワークです。
・セルフケア: 労働者本人が自らのストレスに気づき、これに対処すること。
・ラインによるケア: 管理監督者(上司)が、部下の相談に応じたり、職場の改善を行ったりすること。
・事業場内産業保健スタッフ等によるケア: 産業医や衛生管理者、人事労務担当者が、専門的立場から支援すること。
・事業場外資源によるケア: EAP(従業員支援プログラム)や地域産業保健センターなど、外部の専門機関を活用すること。
2. 「セルフケア」を支援するツール
従業員が自発的にケアを行えるよう、会社として情報提供を行うことが有効です。
・「こころの耳」の活用: 厚生労働省が運営する働く人のメンタルヘルス・ポータルサイトです。
https://kokoro.mhlw.go.jp/
・5分でできる職場のストレスチェック: 「こころの耳」内のセルフチェックツールで、従業員がいつでも匿名で自分の状態を確認できます。
・相談窓口の案内: 電話やSNS、メールでの無料相談窓口が充実しており、社内には話しにくい悩みの受け皿として紹介するのに適しています。
3. 管理職が特に意識すべき「ラインによるケア」
4つの中でも、職場の一次予防(未然防止)において最も重要とされるのが、上司によるケアです。
・「いつもと違う」への気づき: 遅刻の増加、ミス、身なりの乱れなど、部下の変化を早期に察知することが第一歩です。
・職場環境の改善: 業務量の調整や労働時間の管理を行い、ストレスの原因そのものを軽減する役割を担います。
・相談への対応: 部下から相談を受けた際、自身の判断だけで抱え込まず、産業医や人事へ適切に繋ぐパイプ役となります。
4. 「事業場外資源」をどう活用するか
社内だけでは解決が難しいケースや、プライバシーを強く意識する従業員のために、外部の力を借りることも重要です。
・地域産業保健センターの活用: 50人未満の事業場でも、無料で医師の面接指導などが受けられます。
・EAP(外部相談窓口)の導入: 専門家によるカウンセリングなど、より高度なサポート体制を構築できます。
メンタルヘルスケアは、どれか一つが欠けても十分な効果を発揮しません。従業員本人の努力だけでなく、上司の目配り、そして専門家によるバックアップが組み合わさることで、初めて「健康に働ける職場」が実現します。