「組織の見える化」するところから始まる
杉山 晃浩
先日ある専門家の方とお話ししました。
その方はある社長様から『研修をして欲しい』と依頼されたそうです。
ひと口に研修といっても、そうそう簡単に社長の満足を得ることはできません。
なぜなら、なぜ研修を依頼したくなったのかがわからないからです。
さらに、研修を依頼したくなったきっかけは、何に起因しているのかがわからないと、有効な研修が行えません。
また、研修を1回したからと言って人は変わるものではありません。研修は変わるきっかけを与えるものに過ぎず、本人が変わろうとする明確な意思がなければ効果は出ません。フォロー研修をしなければ、効果を計ることもできません。このようなことを理解せずに研修を依頼するケースはとても多いようです。
このような状況でとりあえず研修をしたところで効果が出るでしょうか?
後日、研修を依頼してきた社長の口から『研修を●●さんにお願いしたけど、時間とお金の無駄だったよ』と口コミされかねません。
会社のお金と時間を無駄にしないためにも、研修の目的をはっきりさせる必要があります。
会社がおかれた環境によっては、研修を実施する前にもっとやるべきことがあるかもしれません。物事には順番がありますから、お金と時間をより効果的に利用するなら、「組織の見える化」は必要です。
例えば15の項目で組織の見える化ができるサーベイがあります。サーベイの結果から、もっとも緊急かつ重要な課題を見つけ、そこから手を付けていくことがとても大切なことです。もしかしたら、その答えは研修を実施することではなく、評価制度を作ることかもしれません。
「組織の見える化」の重要性に気づいてはいるものの、サーベイを実施する経営者が少ないのも事実です。目に見えないものにお金を使いたくない。経営者の考える価値(価格)よりも費用がかかるから実施しない。そんな答えを出す経営者にたくさん出会ってきました。
そのような経営者の多くは何年たっても企業規模は大きくなりません。むしろ縮小傾向に篤ような気がします。
会社を良くしたいのなら、従業員に明るい未来を見せてあげたいのなら、「組織の見える化」をしたほうがいいですね。