中小企業必見!賃金アップが採用に与える効果――応募者数と入社者数の賃金UPの相関関係
杉山 晃浩
賃金の見直しで応募者数を増やす方法
中小企業において、採用活動は常に課題です。特に優秀な人材の確保には賃金が重要な要素となります。最近の研究では、賃金の上昇が応募者数と入社者数に与える影響が明らかになっています。この記事では、賃金弾力性についての最新の研究結果を紹介し、賃金アップを通じて採用活動を改善する方法について解説します。
賃金弾力性とは?
賃金弾力性とは、賃金の変動が労働市場にどのように影響するかを示す指標です。具体的には、賃金の変動に対する応募者数や入社者数の変化を測るものです。最近の調査によれば、賃金を上げることで応募者数が増加し、結果として優秀な人材の確保が容易になることが示されています。
【賃金弾力性は小売業の方が高い】
賃金アップの具体的な効果
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応募者数の増加:賃金を上げることで、求人広告を見た多くの求職者が応募する意欲を高めます。これにより、より多くの候補者の中から適任者を選ぶことができます。
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入社者数の増加:高い賃金は求職者にとって魅力的な条件です。その結果、応募者の中から実際に入社する人の割合も高まります。
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離職率の低下:競争力のある賃金は、既存の従業員のモチベーションを高め、離職を防ぐ効果もあります。
賃金アップのための具体的なアクション
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市場調査:同業他社の賃金水準を調査し、自社の賃金が競争力を持っているかを確認しましょう。
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賃金体系の見直し:既存の賃金体系を見直し、必要に応じて基本給や手当の増額を検討します。
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福利厚生の充実:賃金アップだけでなく、福利厚生の充実も求職者にとって魅力的な要素です。例えば、柔軟な勤務時間やリモートワークの導入などが考えられます。また、最近脚光を浴びているのが選択制企業型確定拠出年金制度の導入です。スタッフの税引き前の賃金から直接投資信託などに投資でき、節税メリットが大きく、福利の効果で在職中に何千万円もの金融資産を作ることもできます。気になる方は、みやざき企業型確定拠出年金支援センターをご覧ください。
業種別の賃金アップの影響
産業によって募集賃金が異なるため、小売業と飲食サービス業に分けて説明します。
- 小売業:企業の9割以上が最低賃金から+50円未満に集中しています。もともとの賃金が最低賃金に近いため、賃金弾力性が高まり、応募者増が期待できます。
- 飲食サービス業:企業での最頻値は最低賃金から+50~99円の範囲であり、最低賃金から+200円程度までの範囲に比較的広く分布しています【出典:Works Institute】。業界内の競争でもともとの賃金を求人に合わせて調整することから、賃金弾力性は小売業ほど高くはなりません。でも、賃金アップによる応募者数増加の効果はあります。
これらのデータからも、業種に応じた賃金調整が有効であることが分かります。
まとめ
賃金アップは、応募者数と入社者数の増加に直接的な影響を与えることが研究で示されています。中小企業が優秀な人材を確保し、離職率を低下させるためには、賃金の見直しが有効な手段となります。私たちオフィススギヤマグループでは、企業の賃金戦略をサポートし、採用活動の成功に貢献します。