人材紹介にお金をかけたのに採用してもすぐ辞めるのはなぜ?

杉山 晃浩

ハローワークや求人広告からなかなか応募がありません。
でも、人材紹介会社であれば、1人以上は紹介されるので、採用は人材紹介に頼るようになってしまいました。
人材紹介会社から紹介される人材は、私の会社に合った人材だと思い、これまで紹介されたすべての人材を採用しましたが、みんな1年以内に退職してしまいました。特に、ハイスキルをもった人材ほど離職までの期間が短い傾向になることが分かりました。
今度どのような採用をすれば現状から脱却できるのか教えてください。

オフィススギヤマグループには、このような相談がたびたび舞い込んできます。

労働力市場の現状を見てみると、コロナ前から求職者数はさほど変化がないのに、求人数がとんでもなく増加しています。求職者の取り合いになっているので、応募があればすぐに採用してしまうのは仕方がないかもしれません。
でも少し立ち止まって考えてみましょう。

短期間で離職する者が続出しているということは、組織内に何らかの原因があるということに気が付かなければなりません。組織内にある「不」「負」「非」などを見える化し、対応してからでなければ、どれだけ新しい人を採用してもお金を捨てるだけです。

ちなみに、今回ご紹介したような人材紹介会社とお付き合いしているのであれば、一度お付き合いを止めてみるのが良いでしょう。なぜなら、人材紹介会社は、手持ちの人材を紹介し、採用されればお金が入るというビジネスモデルです。相手の会社に合う、合わないは関係ありません。さらに、『人材紹介会社に、〇〇な人が欲しい』とかなり要求をしているのに、自社にぴったりな人材を紹介してこないのはおかしいのではないか?と怒り出す経営者がいるのも事実です。
ここはひとつ冷静になって考えてみましょう。
そもそも求職者を探すのが大変な状況下で人材紹介会社が紹介してくる人材のレベルってどの程度でしょうか?
紹介した人材をくるくる回せば人材紹介会社にお金が入るし、求職者は就職が決まればお祝い金がもらえるようなシステムの下では、人とお金がどのように巡回しているか容易に想像がつきますね。

ちなみに、質の良い人材紹介会社では、企業の受け入れ態勢ができていなければ人材紹介しません。その理由は、せっかく紹介してもすぐに辞められてしまう可能性が高いからです。
例えば、次のような会社にハイスペック人材を紹介した場合、ハイスペック人材は人材紹介会社に対してどのような印象を持つでしょうか?
A社:最低賃金程度の給与しか出していない
B社:組織のミッションビジョンバリューがはっきりしていない
C社:教育体制ができておらずハラスメント体質の組織である
ハイスペック人材は、それらの会社を紹介してきた人材紹介会社を見限り、他の人材紹介会社へと移っていくでしょう。つまり、良い人材紹介会社は、企業の受け入れ態勢ができている場合にしか人材紹介しないのです。

そこで企業の受け入れ態勢を作るために何をすればよいかを次に列挙してみました。ぜひ、お試しください。

 1. 退職理由の分析 退職者に退職インタビューを実施し、退職の主な理由を詳細に調査します。不満点や改善点が明確になることが多いです。 退職者のフィードバックを基に、職場環境、組織文化、仕事の内容、人間関係、報酬体系などの改善点を特定します。
2. 採用プロセスの見直し 採用時の期待値の齟齬を防ぐため、職務内容や企業文化、キャリアパスなどを透明にし、正確な情報を提供します。 人材紹介会社とのコミュニケーションを強化し、求める人材のスキルセットだけでなく、企業文化にマッチする人材を紹介してもらうように要求します。
3. オンボーディングプログラムの充実 新入社員が業務に早く慣れ、企業文化に溶け込めるように、包括的なオンボーディングプログラムを実施します。 メンターやバディシステムを導入し、新入社員が職場での人間関係を構築しやすくします。
4. 従業員エンゲージメントの向上 定期的なミーティングやアンケートを通じて、従業員の意見や不満を聞き、積極的に対応策を講じます。 従業員のキャリア成長をサポートするための研修や教育プログラムを提供します。
5. 報酬体系と福利厚生の見直し 市場競争力がある報酬体系を確保し、業績に応じたインセンティブや昇進の機会を提供します。 ワークライフバランスを支援する福利厚生(例えば、フレックスタイム制度、在宅勤務の機会)を導入または拡充します。
6. 企業文化の強化 企業のビジョンや価値観を明確にし、従業員が共感しやすい環境を作ります。 オープンでコミュニケーションが取りやすい職場環境を促進し、従業員が意見を自由に表現できる文化を育成します。
 
いかがですか?自社で対応できれば大丈夫です。もし、自社で上手にできないと思われたなら、オフィススギヤマグループに相談してください。喜んでコンサルティングをさせていただきます。

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