令和3年度に助成金が終焉を迎える?

杉山 晃浩

令和3年度予算概算要求を眺めていると、非正規雇用労働者のキャリアアップ推進等の項目に「正社員転換」の文字がありません。 非正規雇用労働者の賃金規定の増額改定などの処遇改善には、キャリアアップ助成金の活用ができそうです。 キャリアアップ助成金の本来の趣旨は、フロー人材を育成して、コア人材に近づけることのはずです。 しかし、『契約社員で雇って、正社員にすれば金がもらえるんでしょ。』程度の軽い考えでキャリアアップ助成金をとらえる経営者やこのような考えをあおる社労士やコンサルタントと称する人々が跳梁跋扈しているのが実態ではないでしょうか。そのせいで、逮捕される経営者や社労士が後を絶たないと感じています。 年々キャリアアップ助成金の縛りはきつくなるものの、軽い考えの方々には全く伝わらず、『制度を使わないと損じゃん。』といった声すら聞こえてきます。   助成金は公金です。行政が吸い上げたお金を吐き出すには何らかの理由付けが必要です。 助成金は儲かるもの。助成金をもらわないと損。 このような考えの人々が助成金制度を利用するのでは、助成金が浮かばれません。 ようやく、行政も気が付いたのでしょうね。 もう、助成金で儲かる時代は終わります。  

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