第4回:管理職の適性を見極める!人選のポイント
杉山 晃浩
なぜ管理職任用の判断を間違えるのか?
中小企業では、多くの場合、管理職の人選が「年齢が高い」「社歴が長い」「営業成績が優秀」といった表面的な要素に基づいて行われる。
本来、管理職に求められるのはチームの成果を最大化する能力であり、個人のスキルや実績とは別の視点が必要だ。
そこで今回は、「どんな人が管理職に向いているのか?」を見据えたポイントについて解説していきます。
1. 管理職に向いている人材とは?適性を判断する5つのポイント
管理職に向けてどうかを判断するには、次の5つのポイントをチェックすることが重要です。
①人の話しっかり「聴ける」か
管理職は、部下の話「聞く」のではなく、「聴く」ことが求められる。「聴く」とは、相手の気持ちや意図を理解しようとする姿勢のことだ。
部下とのコミュニケーションが苦手で、「自分の考えを推す」タイプの人は、管理職に向いていない。逆に、相手の話をしっかり聞く、必要なアドバイスができる人は、チーム現場で得やすい。
✅チェック方法:「部下や同僚の意見を積極的に聞き、フィードバックができるのか?」
②チームの成功を第一に考えられるか
管理職は「自分の成功」ではなく、「チームの成功」を最優先に考えなければなりません。
例:営業職でトップセールスだった人が管理職になったとき、「部下に売上を任せるよりも、自分が動いた方が早い」と考えてしまうケースがある。
✅チェック方法:「後輩が成果を上げるためのサポートに意識を向けることができるのか?」
③責任を持って行動できるか
管理職には「責任を持って決断し、行動する力」が必要だ。
例、トラブルが発生したときに「自分の責任ではない」と逃げる人は、管理職に向いていない。 逆に、「自分が責任を持って解決しよう」と考えられる人は、管理職にふさわしい。
✅チェック方法:「困難な状況でも逃げずに解決策を考え、実行する力があるのか?」
④部下を育てる意識があるか
管理職は、「部下を育て、成長させる」役割を担う。
しかし、部下のミスを許せなかったり、「自分がやったほうが早い」と考えてしまう人は、管理職に適していない。
✅チェック方法:「部下に仕事を任せ、成長をサポートできるのか?」
⑤柔軟な思考ができるか
現代のビジネス環境では、変化への適応力が求められる。
例えば、新しい業務システムが導入されたとき、「これまでのやり方のほうが簡単だった」と頑なに拒否する人は、管理職には向いていない。 柔軟な発想で変化に対応できる人が、管理職として適している。
✅チェック方法:「新しいアイデアや変化を受け入れ、柔軟に対応できるのか?」
2.適性のある人をどう発掘するか?
適性のある人材を発掘するためには、日頃から「候補者の行動を観察する」ことが重要です。
2-1. 日常業務の中で適性をチェックする
管理職に向いている人は、すでに「日々の行動の中で管理職に必要なスキルを発揮している」ことが多い。
例えば、
- 部下や同僚の相談に乗っている人
- チーム全体を見て行動できる人
- トラブルが発生したときに積極的に解決策を考える人
このような人は、管理職としての適性がある可能性が高い。
2-2. 小さなリーダーの経験を積ませる
いきなり管理職にするのではなく、「小さなチームのリーダーを経験させる」ことで、適性を確認することができる。
例えば、
- プロジェクトリーダーを任せる
- 新人の育成担当を任せる
- 配置の会議の進行役を担当させる
今一度経験、適性があるかどうかを捉えることができる。
3. 適性のない人を管理職にしないために
適性のない人を管理職にすると、本人もチームも不幸になります。では、どうしたら適性のない人を管理職にしないようにできるのか?
①管理職の適性を事前にテストする
管理職候補者には、「リーダーシップ適性テスト」や「管理職向けケーススタディ」を実施し、適性を判断する一つの方法だ。
✅例:「チームのメンバーがミスをしたとき、どのように対応するか?」という質問を出し、考え方をチェックしてください。
②管理職の投票プロセスを明確にする
適性のない人が管理職になってしまうのは、選定基準が問題ないからだ。
✅ 「社歴や営業成績だけではなく、管理職に必要なスキルを持っているか?否か?」を基準にする。
まとめ
管理職の選任を誤ると、組織全体のパフォーマンスに悪影響を及ぼす。そのためには、以下のポイントを意識することが重要である。
✅管理職に向いている人材の5つの特徴を見極める
✅適性を発掘するために、小さなリーダー経験を積ませる
✅適性のない人を管理職にしないために、塗装プロセスを明確にする
次回は、「管理職を育てる組織が成長する!成功事例と実践ポイント」について解説する。 適切な人材を選び、育成することで、企業の成長をどのように加速させることができるのか? 実際の成功事例をじっくりしながら説明するので、ぜひ参考にしてほしい。