第3回:諸手当等制度で“ちょっとした安心”をつくる!社員の生活支援が定着率を変える

杉山 晃浩

給与本体の仕組みだけでなく、「手当」もまた、社員の定着に大きく影響する要素です。

特に、家庭を持つ社員や、通勤距離の長い社員、資格取得を目指す社員にとっては、手当があるかないかで職場への安心感が変わります。

「ちょっとした手当」が離職を防ぎ、「会社が自分をちゃんと見てくれている」と感じさせる――それが「諸手当等制度」の力です。

今回は、厚生労働省の助成金対象にもなっている「諸手当等制度」について詳しく解説し、制度設計のポイントや成功事例も紹介します。


諸手当等制度とは?

諸手当等制度とは、基本給以外の各種手当(家族手当、通勤手当、資格手当、住宅手当など)を制度として明文化・整備するものです。

一般的に多くの企業が導入している手当としては、以下のようなものがあります:

  • 通勤手当(交通費支給)

  • 家族手当(扶養者の人数に応じて支給)

  • 役職手当(主任・係長など)

  • 資格手当(業務に関連する資格取得者への支給)

  • 住宅手当(居住形態や家賃額に応じた支援)

これらを「どのような条件で、いくら支給するか」を制度化し、全社員に公平に運用していくことが諸手当等制度の基本です。


なぜ手当制度が定着率アップに効くのか?

社員にとって、手当は「給与以上に生活実感のある支援」です。 特に家庭持ちの社員などは、毎月支給される手当が“家計の支え”として機能しており、「手当があるから辞められない」と思える理由にもなります。

さらに、頑張った人への報酬として資格手当や技能手当を設定すれば、能力向上へのインセンティブにもなります。

また、住宅手当や通勤手当なども、「この会社は社員の生活に配慮している」という安心感につながり、定着に貢献します。


制度設計のポイント

諸手当制度は、会社の規模や業種、従業員のライフスタイルに合わせてカスタマイズすることが可能です。

導入時には以下のポイントを意識しましょう:

● 支給対象の明確化

どの社員が手当の対象になるのかを明文化しておくことで、不公平感やトラブルを防ぎます。

● 金額設定とバランス

支給額は会社の経営状況や給与体系とのバランスを考慮しながら設定します。

● 手当の目的とメッセージを明確に

たとえば「家族手当」は“家族を大切にする会社”というメッセージにもなります。単なる金額以上の意味づけが大切です。

● 賃金規程での明文化

支給ルールを賃金規程や就業規則に明記し、周知することで制度の信頼性が高まります。


成功事例:介護事業B社(従業員28名/宮崎県)

B社では、これまで通勤手当以外の手当が存在しておらず、家庭を持つ中堅社員から「子育て支援がなくて不安」という声があがっていました。

オフィススギヤマの支援を受け、以下の手当を新設・整備しました:

  • 家族手当:配偶者5,000円、子一人につき3,000円

  • 資格手当:介護福祉士 5,000円/月

  • 住宅手当:家賃補助最大10,000円(賃貸契約者)

この導入から1年後、

  • 中堅社員の離職がゼロに

  • 新規採用面接時の応募動機に「手当制度が充実していて安心」との声

  • 子育て中の女性の復職が増加

といった効果が見られました。


助成金の対象になるには?

厚生労働省の「雇用管理制度助成コース」では、諸手当等制度を新たに導入し、かつ離職率が一定割合改善された場合、以下の助成金が支給されます:

  • 制度導入助成:30万円

  • 目標達成助成:27万円

※事業規模や対象手当の内容によって要件が異なるため、詳細は社労士にご相談ください。


オフィススギヤマによる制度づくり支援

私たちは中小企業が導入しやすい、現実的で効果的な手当制度の整備をサポートします。

  • 現状の福利厚生制度のヒアリング

  • 社員構成に応じた手当制度の設計

  • 就業規則・賃金規程の作成・改訂

  • 助成金申請書類の作成支援

  • 社内説明・運用アドバイス


まとめ:手当は「気づかい」を見える化する制度

社員の生活や努力に対する“ちょっとした気づかい”が、手当という形で表現されると、働く側はその想いをしっかり受け取ります。

手当制度は「お金」以上に「思いやり」の制度でもあるのです。

助成金を活用して、社員を大切にする仕組みを整えたいとお考えの企業様は、ぜひ一度オフィススギヤマグループにご相談ください。


次回【第4回】では、「人事評価制度」について、評価の公平性と納得感が職場に与える影響を詳しくお伝えします。

 

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