社労士が警鐘!障害年金申請の正しい知識と落とし穴 第5回:受給後の注意点!再認定、事後重症、生活上の心得

杉山 晃浩

はじめに

ここまで4回にわたり、障害年金の基本、条件、手続き、金額についてお話ししてきました。
最終回となる今回は、「受給後」の話に焦点を当てます。

障害年金は、一度受給が決まれば終わりではありません。
定期的な見直し(再認定)があったり、請求のタイミングを逃すと不利益になる「事後重症」という考え方があったり、生活上の注意点もあります。


1. 再認定とは?受給後にも続く重要な手続き

障害年金は原則、ずっと同じ等級・金額が続くわけではありません。
多くの方に「有期認定」という仕組みが適用されます。

  • 1~5年程度の「認定期間」が決められる

  • 認定期間が終わると「再認定」=障害状態の再評価が行われる

特に精神疾患やがん、難病の方は、有期認定となるケースが多く、再認定で改善とみなされると支給停止になることがあります。


2. 最近の状況:再認定の厳格化

近年、厚生労働省の方針により、再認定の審査が厳しくなってきたと報じられています。
背景には不正受給防止や年金財政の健全化があります。

例:

  • うつ病や発達障害 → 就労開始を理由に支給停止

  • がんサバイバー → 治療終了後に支給打ち切り

ここで大切なのは、「働いている=障害が治った」という短絡的な判断ではない、ということです。
診断書を依頼するときには、医師に生活の実態(就労の困難、通院、日常の支障)をしっかり伝え、状態を正確に書いてもらうことが重要です。


3. 事後重症請求とは?後からでも間に合う制度

「初診日の時点では障害状態ではなかったが、その後に悪化した」という場合には「事後重症請求」という制度があります。

例:

  • 会社員が脳出血を発症 → 半年後に症状が進行し、歩行困難 → その時点で請求可能

  • 糖尿病による視力低下 → 初診から5年後に失明 → その時点で請求可能

重要:

  • 悪化した時点で主治医と相談し、早めに動くこと

  • 待っていても自動的には支給されない。必ず「請求」が必要。


4. 障害年金受給後の生活上の心得

受給が決まった後も、次のようなことに注意してください。

  • 就労・収入の影響
    働くこと自体は禁止ではないが、働き方次第では再認定で等級が下がる可能性がある。

  • 医療費や福祉サービスの連携
    障害年金受給者は、障害者手帳や医療費助成、障害者控除の対象になることがある。自治体の窓口で確認を。

  • 生活状況の記録をつける
    主治医との診察時に「どんな日常の困難があるか」を具体的に伝えると診断書の質が上がる。


5. よくある質問と誤解

Q1:一度停止されたら二度と戻らない?

A:いいえ。状態が再び悪化すれば「額改定請求」で再審査を受けられます。

Q2:医師に診断書をお願いしにくいです…

A:生活の状況をメモにまとめて渡すと、医師が内容を把握しやすくなります。

Q3:就労支援を受けたいけど、年金に影響する?

A:障害者雇用や就労移行支援などは、年金と併用可能なケースが多いです。必ず社労士や支援機関に相談を。


6. 杉山事務所からのメッセージ

障害年金の手続きは、正直に言うととても複雑です。

  • 初診日の証明が見つからない

  • 診断書の依頼が難しい

  • 病歴・就労状況等申立書の書き方がわからない

  • 不支給決定後、どうすればいいか困っている

そんなときは、ぜひ杉山事務所を頼ってください。
私たちは、社労士としての専門知識と経験をもとに、申請の相談・書類作成・医師との調整などをサポートしています。

「自分で申請は無理そう」「誰に相談したらいいかわからない」
そんなときこそ、私たちの出番です。

障害年金は、困っている人の生活を守るための大事な仕組みです。
正しい情報と、誠実な手続きで、あなたの生活を支えるお手伝いができれば幸いです。


まとめ

今回のまとめです。

✅ 障害年金は有期認定が多く、再認定が重要
✅ 厳格化が進む中、診断書の内容がますます大事
✅ 事後重症請求で後からの請求も可能
✅ 受給後は医療・福祉制度と連携を
✅ 困ったときは杉山事務所へ相談を

この全5回のシリーズが、少しでも多くの方の不安を減らし、前向きな一歩につながることを願っています。


👉 これまでのシリーズを振り返りたい方は、第1回からぜひ読み直してみてください。

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