役員社宅で節税するなら“貸与規程”が必須! 中小企業が就業規則で整備すべき理由とは
杉山 晃浩
第1章|なぜ今、役員社宅が注目されているのか?
「物価が上がっているのに、報酬は増やせない」
「社会保険料や税金ばかりが負担になる」
そんな悩みを抱える中小企業経営者の方が増えています。
その中で、じわじわと注目を集めているのが「役員社宅の活用」です。
これは、会社が所有または借りた物件を、役員に貸与することで役員報酬の実質的な節税を図る方法です。
特に「住宅手当」や「家賃補助」といった課税対象となる手当をやめて、現物支給(社宅貸与)に切り替えることで、課税額を抑えられ、会社・役員の双方にメリットがある制度です。
第2章|小規模住宅の“賃貸料相当額”とは?
国税庁が公表する「タックスアンサー No.2600」によると、
役員に社宅を貸与する際に一定額(=賃貸料相当額)以上を徴収すれば、それ以上は給与として課税されません。
この「賃貸料相当額」は、周辺相場とは無関係で、主に以下の要素で構成されます:
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建物の固定資産税課税標準額 × 0.2%
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敷地の固定資産税課税標準額 × 0.22%
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建物面積に応じた補正:12円 × 面積(㎡)÷ 3.3
たとえば、評価額600万円の住宅(100㎡)を貸すと仮定した場合、
→ 月額換算で5,000~8,000円程度におさまることも珍しくありません。
この金額を役員から徴収すれば、残りの住居提供分は「福利厚生」とみなされ、給与としての課税対象から除外されます。
第3章|地方都市・中小企業こそ“実感しやすい”社宅節税の威力
地方都市では、東京や大阪と異なり、そもそもの家賃相場が低いのが特徴です。
「どうせ賃料が安いんだから、節税の効果も少ないのでは?」と思われがちですが、それは大きな誤解です。
むしろ地方の方が、この制度の恩恵を最大化しやすいのです。
▽理由1|賃貸料相当額が“相場と乖離”しやすい
地方では、月5万円の家賃相場の物件でも、課税対象額は月1万円未満になることがあります。
この差額(約4万円分)は、課税も社会保険料もかからず、実質的な手取りアップに直結します。
▽理由2|報酬と保険料を下げて、資金繰りを改善
会社としても、役員報酬を減額し、その分社宅で提供すれば、
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社会保険料が減る
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退職金準備がしやすくなる
といったキャッシュフロー改善の効果も生まれます。
▽理由3|「持ち家社宅化」もできる
地方の経営者は、すでに持ち家を持っていることも多いでしょう。
この場合、会社がその住宅を借り上げ、社宅として貸し直すことで、法人経費化することも可能です。
固定資産税や修繕費を法人経費にする道が開け、経営者個人の税負担軽減にもつながります。
第4章|知らないと危険!就業規則で定めなければリスクに
この制度にはひとつ、大きな落とし穴があります。
それは「規定が整っていないと否認されるリスク」です。
いくら正しく家賃を徴収していても、
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社内での取り決めが明文化されていない
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役員ごとの判断で恣意的に貸与されている
といった状況では、税務署に否認される可能性があります。
また、従業員や他の役員から「不公平だ」との声が上がるリスクも。
そこで必要となるのが「役員住宅貸与規程」です。
この規程を就業規則または別冊規程に整備しておくことで、
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課税リスクの回避
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社内の公平性の担保
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労務管理の明確化
といった経営の安心材料にもなります。
第5章|“役員住宅貸与規程”に盛り込むべき内容とは?
実際に就業規則や別規程に落とし込む際には、以下のような項目が必要です。
☑貸与対象者の範囲
☑社宅貸与の目的
☑賃貸料の徴収方法
☑光熱費・共益費の扱い
☑利用条件・返還規定
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第6章|まとめ:節税とリスク管理の両立は“社労士の腕の見せどころ”
「税金が高いから給与が上げられない」
「退職金の準備ができない」
こうした声は、地方の中小企業経営者ほど、より切実なものです。
だからこそ、法令に準じた節税スキームと、労務面のルール整備を一体で提供する社労士の出番です。
就業規則の見直しや、「役員住宅貸与規程」の新設によって、
会社と役員の双方が納得できる制度運用が可能になります。
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