相続って何から手をつける? 中小企業経営者のための入門講座

杉山 晃浩

第1章:そもそも「相続対策」って必要なの?

「まだ元気だから、相続なんて早いよ」「うちは財産もそんなにないし」──
そんな声を多くの経営者から耳にします。

しかし、中小企業の経営者にこそ“早めの相続対策”が必要だと、私は強く思います。
なぜなら、経営者の相続は、家族間の問題にとどまらず、会社の命運にも直結するからです。

実際に、次のようなケースは珍しくありません。

  • 相続が「争族」となり、家族間で骨肉の争いに発展した

  • 自社株の分け方でもめて、後継者が会社経営に集中できない

  • 相続税の納税資金が足りず、会社の資金繰りが悪化した

経営者であるあなたの相続対策は、単に“財産の分け方”を決めるだけではなく、
**「会社をどう次世代につなぐか」「家族の関係をどう守るか」**という未来設計そのものなのです。


第2章:まず押さえておきたい「相続対策3つの柱」

相続対策というと難しそうですが、まずは次の3つの柱を理解しておけば安心です。


【1】遺産分割:家族で揉めない仕組みをつくる

遺産分割とは、亡くなった方の財産を相続人がどう分けるかを決めること。
中小企業経営者の場合、ここで特に問題になるのが自社株式の扱いです。

「長男が後を継ぐから」と株式を全て長男に渡すと、
他の子どもから「不公平だ」と訴えられるリスクがあります(遺留分侵害)。

かといって株式を均等に分けると、会社の経営権が分散してしまい、
後継者が自由に経営判断できなくなります。

つまり、会社を継がせるために“分けない選択”が必要な一方で、
家族間の“想いの分配”も大切
なのです。


【2】資金準備:相続税・代償金にどう備える?

相続が発生すると、原則として10か月以内に現金で相続税を納めなければなりません。
しかし、相続財産の大半が「自社株」「不動産」「会社への貸付金」など、
換金しにくい資産だと、納税資金の確保に頭を悩ませることになります。

また、自社株を長男に相続させる代わりに、他の相続人に**代償金(現金)**を支払う必要がある場合もあります。

このような資金を**“あらかじめ用意しておく”**ことが、相続対策の大きなカギです。

具体的には、

  • 経営者個人が加入する死亡保険(保険金非課税枠を活用)

  • 会社が加入し、遺族に支払う役員退職金制度

  • 定期預金や信託の活用

など、計画的な現金化の仕組みを取り入れておくと安心です。


【3】財産評価:まずは“現状を知る”ことから

多くの経営者が「そんなに財産はない」と言いますが、
実際に財産評価をしてみると、「こんなに課税対象があるのか」と驚くケースがほとんどです。

特に自社株式は、会計上の簿価ではなく、**相続税評価額(類似業種比準価額や純資産価額)**で計算されるため、
想定以上に高額になることがあります。

他にも、

  • 会社への貸付金

  • 不動産の路線価評価

  • 預貯金・有価証券

  • 借入金や未払い債務(控除対象)

など、すべて洗い出しておくことで、はじめて対策が打てるようになります。


第3章:中小企業経営者ならではの“落とし穴”

経営者の相続には、以下のような「一般家庭とは違う落とし穴」が潜んでいます。


▽ 落とし穴①:自社株をめぐる相続トラブル

相続財産の中に会社の株式が含まれる場合、分け方に配慮が必要です。
分散してしまうと、経営判断に支障が出たり、会社売却・乗っ取りのリスクが高まります。


▽ 落とし穴②:後継者が決まっていても安心できない

「長男が継ぐ」と決まっていても、周囲の相続人の同意が得られなければ、
あとで「やっぱり納得できない」と訴訟に発展するケースもあります。

また、後継者本人が相続税の負担で資金繰りに苦しみ、経営に専念できないというケースも。


▽ 落とし穴③:会社と個人の資産が混在している

会社の資産と個人の資産が明確に分かれていないと、
相続の場面で「これは誰のもの?」と混乱を招きます。

役員貸付金・社宅・法人名義の保険なども、整理しておく必要があります。


第4章:「相続対策」はチームで取り組む時代

相続対策は、税理士だけでは完結しません。
税務・法務・労務・保険・財産管理など、幅広い視点が必要だからです。


▽ チームに必要な専門家

  • 税理士:相続税・事業承継税制・株式評価

  • 司法書士:遺言書作成・相続登記・民事信託

  • 社労士:役員報酬・退職金制度・生命保険の設計

  • 保険外交員・FP:納税資金の設計・ライフプラン支援

このような専門家の“連携”が、最大の相続対策になるのです。


▽ 顧問税理士だけでは危険なケースも

顧問税理士がいても、相続専門の知識が乏しい場合は注意が必要です。
実際、「顧問税理士の助言で遺留分対策を怠っていた」「納税資金の準備がなかった」など、
対策が不十分なまま“その時”を迎える企業もあります。
顧問税理士は、資産税の専門家ではないかもしれないからです。


第5章:まずは一歩踏み出す!“無料セミナー&個別相談会”のご案内

「なるほど、相続って思った以上に準備が必要なんだな」と感じられたなら、
ぜひこの機会に一歩踏み出してみてください。

今回は、相続・事業承継に強い私の友人税理士による
【無料セミナー&個別相談会】をご紹介いたします。
参加希望の方は、7月25日(金)までに、主催者の今村安秀税理士事務所まで、電話で申し込み、参加希望者の氏名をお伝えください。

予約電話:0985-78-3088(今村安秀税理士事務所)

日時:令和7年7月26日(土)14時~16時
会場:住吉メモリードホール
   宮崎市島之内井手下7334-2
講師:税理士 今村安秀 氏
   税務署における業務歴が素晴らしい。資産税の専門家です。
注意:当日葬儀が入ったときは中止となります。


💼 セミナーで学べる3つのポイント

  • 遺産分割

  • 資金準備

  • 財産評価


👤 個別相談会のメリット:

  • 財産評価のシミュレーションができるかも…

  • 自社株のリスクを専門家が評価してくれるかも…

  • 保険や退職金などを活用した資金準備方法もわかるかも…

  • あなたの家庭環境に合った「争族回避プラン」を一緒に設計できるかも…
    短い時間なので、いかに相談料を増やせるかは、あなたの準備力次第です。


📣 参加者特典 ※3組限定

  • 個別相談会


ご希望の方は、下記よりお気軽にお申し込みください。
席に限りがありますので、お早めにどうぞ。

主催:今村安秀税理士事務所
〒880-0211 宮崎市佐土原町下田島20304番地50
予約電話:0985-78-3088


【まとめ】“その日”は、ある日突然やってくる

相続は、避けられない「未来の出来事」です。
しかし、**備えのある相続は「感謝と承継」になり、備えのない相続は「争いと混乱」**になります。

今、少しだけ時間を取って準備することで、
あなたの会社も家族も、大切な未来を守ることができるのです。

「何から始めればいいのか分からない」
その気持ちのままで大丈夫です。
まずは知ること、そして話すこと。
その第一歩を、信頼できる専門家との対話から始めてみませんか?

オフィススギヤマグループでは、相続対応も承っています。
ご相談はコチラから!

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