相続時の株式評価を下げるなら今! 経営力向上計画で即時償却+DCで資産移転
杉山 晃浩
■ 第1章:なぜ“株式評価減”が相続対策の最重要ポイントなのか?
中小企業の相続対策で一番のポイントは「自社株の評価額を下げること」です。
なぜなら、社長が亡くなったときに課税される相続税は、会社の株価をベースに計算されるからです。
例えば、会社に現金や利益剰余金が多く積み上がっていると、それだけで株価が高く評価されます。
株価が高ければ相続税の負担も増え、次世代の経営を圧迫する可能性があります。
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現金が多い=株価が高い
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利益が多い=株価が高い
つまり、会社の内部にある資産をどう適切に減らすかが重要なのです。
■ 第2章:黒字企業が抱える“資産の罠”
黒字経営は素晴らしいことですが、相続の観点では「資産が滞留しやすい」という問題があります。
こんなケースが増えています
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セーフティ共済が800万円満額まで積み上がり、使い道に悩んでいる
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長期平準定期保険がピークを過ぎ、解約すると大きな益出しが発生する
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毎年黒字なので、さらに利益剰余金が積み上がる一方
このまま放置しておくと、
会社の現金・利益剰余金が増え、株価がどんどん高くなる=相続税も高くなる
という負のスパイラルに陥ります。
■ 第3章:経営力向上計画 × 即時償却で法人資産を減らす
ここで有効なのが、中小企業庁が認める「経営力向上計画」に基づく税制優遇です。
経営力向上計画のメリット
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国が認定した設備投資は100%即時償却が可能
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設備購入費をその年の経費として一括で落とせる
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利益剰余金を合法的に圧縮=株価を下げる効果
例えば、外貨両替機などの実需ある資産を購入すると、購入額を即座に経費化でき、
法人内に滞留していた利益を一気に圧縮できます。
採択率は90%以上とも言われており、専門家サポートを受ければ申請は難しくありません。
■ 第4章:企業型DCで“法人資産”を“個人資産”へ移転する
株価を下げるためには、法人にある資産を社長個人に合法的に移転する仕組みも必要です。
その最適解のひとつが、**企業型確定拠出年金(DC)**です。
企業型DCの特徴
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会社が掛金を負担し、社長は月額5.5万円を満額で積み立てる
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掛金は全額、会社の損金(経費)扱い=法人資産を減らす
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積み立てたお金は社長個人の退職金として運用される
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運用益は非課税
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受け取るときは退職所得控除が使え、税金が大幅に軽減
つまり、**「法人のお金を減らして株価を下げる」+「個人退職金を作る」**という一石二鳥の効果が得られます。
■ 第5章:FPの出口戦略でキャッシュを最大化する
企業型DCは、60歳以降に受け取るときに「一時金」か「年金」かを選択できます。
ここで重要になるのが、他の退職金や保険の受取時期と合わせて、もっとも税負担が少ない方法を選ぶことです。
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DCの一時金受け取り+退職金を同時期に受け取ると控除枠が重複
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受け取り方をズラすことで退職所得控除を2回適用できる可能性
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解約益がネックの長期平準定期保険と組み合わせ、効率的にキャッシュを手元に残す
ここは、FP(ファイナンシャルプランナー)+税理士+社労士のトリプルサポートが威力を発揮します。
■ 第6章:相続税対策としての“総合パッケージ”
オフィススギヤマでは、次の組み合わせを提案しています。
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経営力向上計画で即時償却し、法人資産を圧縮
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企業型DCで法人から個人に資産を非課税で移す
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生命保険で死亡退職金の非課税枠(500万円 × 法定相続人)を活用
このトライアングルで、
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株価を下げて相続税を軽減
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社長個人に現金を残し、老後資金・遺族資金を確保
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法人・個人のキャッシュフローを最適化
まさに**「攻めの相続対策」**といえます。
■ 第7章:まとめと行動提案
相続の準備は「まだ早い」と思いがちですが、会社の株価は日々変動するものです。
黒字が続けば、現金も利益も積み上がり、相続税は年々重くなる可能性があります。
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セーフティ共済が満額で動かせない
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長期平準定期保険がピークで解約益が怖い
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黒字が続き、株価が高くなっている
この3つの課題に心当たりがある経営者は、今がチャンスです。
経営力向上計画+企業型DCの活用で、会社の資産をうまく動かし、
社長個人の退職金・相続資金を増やす対策を始めましょう。
オフィススギヤマでは、
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経営力向上計画の申請サポート
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企業型DC導入コンサルティング
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FP・税理士との連携による出口戦略設計
をワンストップで支援しています。
まずは無料相談で、御社の株価評価と資産移転プランを見える化してみませんか?
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