【人事担当者必見】高卒採用で今からできる対策5選
杉山 晃浩
失敗から学び、次の一手を打つ
以前のブログでは、高卒採用で企業が陥りがちな「3つの失敗事例」について解説しました。求人票の魅力が伝わらない、先生との関係構築ができていない、そして入社後のミスマッチ。これらは多くの企業が直面する課題です。
しかし、これらの失敗は、裏を返せば、高卒採用を成功に導くためのヒントでもあります。大切なのは、失敗から学び、具体的な行動に移すことです。
今回は、これらの課題を解決し、優秀な高卒人材を確保するために、人事担当者が「今すぐできる」5つの対策を具体的にご紹介します。
対策1:高校生目線で求人票を「翻訳」する
求人票は、高校生にとっての最初の会社の顔です。企業が伝えたい情報だけでなく、高校生が知りたい情報を分かりやすく伝えることが重要です。
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専門用語を避ける:カタカナ語や専門用語は使わず、誰にでも分かる平易な言葉で仕事内容を説明しましょう。「プロジェクト管理」ではなく「みんなで協力して新しい製品を作る仕事」のように、具体的なイメージが湧く言葉を選びます。
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「やりがい」を伝える:「人の役に立つ」「ものづくりに関わる」「チームで達成感を味わえる」など、仕事を通じて得られる経験や感情を言語化することで、高校生の興味を引くことができます。
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写真や動画を効果的に使う:職場の雰囲気や先輩社員の表情がわかる写真、仕事風景を収めた短い動画などを添付しましょう。百聞は一見にしかず、視覚的な情報は大きな効果を発揮します。
対策2:高校の先生を「最強のパートナー」にする
高卒採用において、高校の先生は単なる窓口ではありません。生徒一人ひとりの個性や希望を深く理解し、適材適所の就職先を紹介してくれる強力な味方です。
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定期的な情報交換を心がける:求人票を郵送するだけでなく、年に一度は学校に足を運び、直接ご挨拶をしましょう。採用状況の変化や、会社の新しい取り組みなどを伝えることで、先生との信頼関係が深まります。
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先生の質問に丁寧に答える:「どんな教育体制ですか?」「寮はありますか?」など、先生は生徒の代弁者として様々な質問をします。これらに丁寧かつ具体的に答えることで、先生は安心して生徒に自社を紹介してくれます。
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採用実績を共有する:過去に採用した高校の生徒がどのように活躍しているか、具体的なエピソードを伝えることで、先生は自社への理解を深め、より積極的に生徒を推薦してくれるようになります。
対策3:職場見学で「ありのまま」を体験させる
職場見学は、入社後のミスマッチを防ぐための最も重要な機会です。良い面ばかりを見せようとせず、リアルな現場の姿を見せることで、生徒は入社後のイメージを具体的に持つことができます。
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社員の「生の声」を聞かせる:先輩社員との座談会や質疑応答の時間を設け、仕事のやりがいや大変なこと、休日の過ごし方など、飾らない本音を話してもらいましょう。
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「会社の雰囲気」を体感してもらう:社員同士が挨拶を交わしているか、笑顔で会話をしているかなど、普段の職場の様子を見てもらうことが大切です。
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「体験」の機会を提供する:簡単な作業を体験してもらったり、社員が働く様子を間近で見学してもらったりすることで、仕事への興味をさらに引き出すことができます。
4. 早期から内定者と「つながり」を維持する
内定を出して終わり、ではありません。入社までの期間が長い高卒採用では、内定者の不安を軽減し、エンゲージメントを高めるためのフォローが欠かせません。
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定期的な連絡を入れる:内定者向けに、入社までのスケジュールや準備物などを記載した手紙やメールを送付します。一方的な連絡ではなく、何か困ったことがないか確認する一言を添えることで、安心感を与えられます。
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内定者交流会を開催する:内定者同士が顔を合わせる機会を設けることで、入社後の人間関係の不安を和らげることができます。
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メンター制度の導入を検討する:年齢の近い先輩社員をメンターとしてつけ、気軽に相談できる体制を整えることで、内定者が抱える些細な疑問や不安を解消できます。
対策5:採用後の育成・評価制度を明確にする
高校生が最も不安に感じるのは、「入社後にちゃんとやっていけるだろうか?」という点です。入社後の育成や評価の仕組みを明確に提示することで、生徒の不安を解消し、応募への後押しとなります。
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研修プログラムを具体的に提示する:「3ヶ月間の新入社員研修」「OJT制度」など、どのようなステップで一人前の社員になるのかを具体的に説明します。
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評価基準を分かりやすく伝える:仕事の頑張りがどのように評価に繋がるのか、昇給や昇格の仕組みを分かりやすく説明することで、長期的なキャリアパスを描きやすくなります。
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キャリアアップのモデルを示す:「入社5年目でリーダー、10年後には管理職を目指せる」といった具体的なモデルを示すことで、生徒は将来の自分をイメージできます。
まとめ:高卒採用は「育てていく」姿勢が鍵
高卒採用は、短期的な人材確保だけでなく、企業の将来を担う人材を「育てていく」ための長期的な視点が重要です。
今回ご紹介した5つの対策は、いずれも「相手の立場に立つ」という、採用の本質的な姿勢から生まれるものです。ぜひ今日から一つでも行動に移し、高卒採用の成功への道を開いてください。