介護版・採用ブレ停止! 人事ポリシーで現場が回り出す理由

杉山 晃浩

◆「また辞めた…」は現場の限界サイン

グループホーム2棟に、
居宅介護支援、訪問看護。

利用者も現場も抱えている数が多いほど、
「人で苦労する」時間が増えます。

|新人が続かない
|ベテランが疲弊
|ミスや事故のリスク増
|クレーム対応で時間が奪われる

どれも現場の叫び。

それを解決する鍵は
報酬アップより採用ミスを減らすことです。

なぜなら…

離職は、採用した瞬間にすでに決まっていることが多い。

入り口で間違えば、
出口に向かって一直線。

だからこそ
最初に「誰を入れるか」をブレさせない仕組みが必要です。


◆介護は「技術」より「姿勢」が成果に直結する

医療や製造業と違い、
介護は感情労働です。

相手の人生を預かり、
心の揺れに毎日付き合い、
言葉だけで世界を変える仕事。

だから

✅誠実
✅協力
✅共感
✅笑顔
✅成長意欲

これがないと、技術以前の問題がずっと続きます。

試しに、過去辞めた人を思い出してください。

理由の多くは👇

「メンタルが続かない」
「仲間とうまくいかない」
「報連相ができない」

技術や資格じゃないんです。

人で現場は壊れ、人で現場は守られる。

だから
介護の真ん中に、人事ポリシーが必要です。


◆人事ポリシー=「うちはこういう人しか採りません」

これです。

難しいマニュアルではありません。

🔑シンプルな定義

  • 求める人物像をハッキリさせる

  • 誰が面接してもブレない

  • 入社後の育成と評価の軸となる

つまり

採用 → 育成 → 定着
この流れを一本で貫く羅針盤。

逆に言えば
これがない状態は、
迷走して当然なんです。


◆モデル事業所:複合型介護のリアルな背景

従業員50名
グループホーム2棟+居宅+訪問看護。

【課題の例】
☑ 忙しい時ほどピリピリ
☑ ケアの質に差がある
☑ 新人指導の負荷が高い
☑ 報連相の抜けで事故リスク
☑ 利用者家族からの要望がバラバラ

ここに共通しているのは…

「当たり前」の認識が人によって違いすぎる

だから
介護観を揃える必要がある
= 人事ポリシーの出番です。


◆介護版:人事ポリシー5か条(壁貼り推奨)

極限まで削ぎ落として
現場を動かす言葉に整えました👇

────────────────
📌介護はチームで、人生を支える仕事
だから私たちは、次を約束します。

🌱人事ポリシー5か条

  1. 笑顔と尊厳を守る

  2. 利用者の「できる」を奪わない

  3. 報連相は命を守る武器

  4. 仲間の強みをつなげる

  5. 学び続け、明日の事故を減らす

────────────────

これを面接で見せる。
入職式で読み上げる。
現場の神棚か電子カルテの横に貼る。

これだけで
人が会社と繋がる「一本の線」が通ります。


◆採用時:質問は4つで充分

ポリシーを採用判断の“物差し”に👇

ポリシー 質問例
笑顔と尊厳 最近誰かを笑顔にした経験は?
できるを奪わない 人の成長を待てた経験は?
報連相は命 困った時すぐ相談できる?
仲間力 嫌いな人とも組めた話ある?
学び続ける 最近覚えた新しいことは?

回答の良し悪しより
理由を語れるかが伸びる証拠


◆試用期間:チェック項目はコレ

□ 利用者に対して笑顔が自然に出る
□ 拒否された後のリカバリーが丁寧
□ ミス後に改善が見える
□ 夜勤後も人としての温度が残っている
□ 言い訳より提案が出る

見ているのは
技術ではなく折れにくさ

介護現場の生命線です。


◆事故ゼロ・クレーム減少・離職低下

これらは全部、人事ポリシーから生まれる結果

なぜなら…

✅共通言語ができる
✅判断基準が揃う
✅余計な衝突が減る
✅小さな違和感が早く上がる
✅新人も中堅も迷わない

つまり👇

人が守られる職場=利用者の安全が守られる

介護の本質に直結しています。


◆ここまで読んだあなたが今すぐできる3つのこと

1️⃣ 5か条を印刷して壁に貼る
2️⃣ 面接時に読み合わせする
3️⃣ 試用期間評価表に組み込む

この3つで、採用のブレは止まります。


◆まとめ:介護の採用は「運」ではなく「設計」

「読んでるだけで現場よくなる?」
はい、よくなります。

なぜなら
現場の仲間選びが改善されるから。

介護の課題の8割は人。
だからこそ
人事ポリシーづくりが最大の防災対策


✅人事ポリシーは、現場を回す“見えないリーダー”

紙1枚。
言葉5つ。

だけど
それが会社を変えます。

あなたの施設が
安心と誇りに満ちた職場になりますように。

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