導入が進む“企業型DC”──バンドワゴン効果で読む“取り残されない経営判断”

杉山 晃浩

第1章 導入の波は静かに広がっている──企業型DCの新しい流れ

「企業型確定拠出年金(企業型DC)」という言葉を耳にする機会が増えていませんか?
大企業ではすでに一般的な福利厚生制度ですが、近年では中小企業でも導入が静かに広がっています。

実際、社会保険適用事業所全体のうち導入しているのはまだ約2%ほど。
数字だけ見れば少数派ですが、導入企業の“質”が変わっています。
すでに導入している企業は、採用や社員定着に積極的な“未来志向の経営者”ばかり。

この流れが意味するのは、「退職金制度の整備が、経営戦略の一部になりつつある」ということです。
福利厚生という枠を超えて、企業型DCは今、採用・定着・信頼形成を同時にかなえるツールとして注目されています。


第2章 “みんながやっている”が動機になる──バンドワゴン効果の正体

ここで登場するのが、「バンドワゴン効果」という心理学の法則です。
簡単に言えば、「みんながやっているなら、自分もやろう」と思う人間の行動特性のこと。

経営判断にもこの効果は強く働きます。
「うちだけがやっていないのは不安だ」「同業が始めたなら、うちも導入した方がいいかもしれない」
──この感情は、理屈ではなく心理の自然な反応なのです。

特に企業型DCのように、まだ導入率が低い段階では、
「導入している企業」が“成功の象徴”のように見え始めます。
今まさにその転換点。
先に動いた企業が、“トレンドをつくる側”になっているのです。


第3章 導入が遅れる企業が見落としている“3つのリスク”

導入を見送る理由として「うちはまだ小さいから」「社員が少ないから」などが挙げられます。
しかし、実際には導入しないリスクの方が大きいのです。

① 採用競争での遅れ

求職者は、求人票の「福利厚生」欄をよく見ています。
「退職金制度なし」と書かれているだけで候補から外れることも。
企業型DCは「退職金制度あり」と書ける数少ない武器です。

② 社員の定着率低下

社員が将来の不安を感じる職場は、長く続きません。
一方で企業型DCを導入している企業では、「会社が自分の将来を考えてくれている」という信頼が生まれます。

③ 経営姿勢の遅れとイメージ低下

経営者が「うちはまだ導入していないんです」と言わざるを得ない状況は、
取引先や金融機関にも「制度面で遅れている会社」という印象を与えかねません。

つまり、導入をためらうこと自体が“経営のリスク”になっているのです。


第4章 導入企業が感じている“意外な効果”とは?

企業型DCを導入した企業の多くは、「やってよかった」と口を揃えます。
それは単に退職金制度を整備できたからではありません。

  • 採用時の印象アップ:「福利厚生がしっかりしている」と安心感が生まれる。

  • 社員の金融リテラシー向上:「自分で老後資金をつくる意識」が芽生える。

  • 経営への信頼感向上:「会社が将来を見据えている」と感じてもらえる。

つまり、企業型DCの効果は“お金”だけではなく、信頼の仕組みでもあるのです。
一度導入すれば、「社員の心が離れにくい組織」へと自然に変わります。


第5章 オフィススギヤマが支援する“安心の導入・運用管理”

企業型DCの導入をサポートするパートナーとして、
多くの企業がオフィススギヤマグループを選んでいます。

導入だけでなく、その後の運用管理こそが信頼のカギだからです。

たとえば、退職者の手続き漏れや住所変更の反映忘れなど、
人手管理では起こりがちなトラブルも、
オフィススギヤマではkintone×RPAを活用したDX運用で未然に防止。

  • 退職・異動・住所変更の自動通知

  • 加入者情報の定期チェック

  • 金融機関との連携サポート

こうした仕組み化により、人に依存しない運用管理を実現。
「導入して終わり」ではなく、「導入して信頼される仕組みづくり」を支援しています。


第6章 今が動くタイミング──“流れに乗る”ことが最大のリスク回避

企業型DCの導入は、「まだ早い」と思う企業が多い一方で、
今導入している企業は「早くやってよかった」と感じています。

なぜなら、企業型DCは早期導入ほどコスト・手間・教育効果の面で優位だからです。
バンドワゴン効果の観点から見ても、
「周りが始める前に導入しておく」ことは、“流れをつくる側”に回るということ。

変化の波を見てから動く企業は、常に“後追い”になります。
経営の本質は、リスクを避けることではなく、波に乗るタイミングを逃さないことです。


第7章 まとめ──社員が誇れる会社をつくる経営判断を

企業型DCは、社員にとっては「安心の制度」、
そして経営者にとっては「信頼を見える化する制度」です。

導入率2%という数字は、まだ少数派。
しかし、この数字は“先行者が圧倒的な優位を築けるチャンス”でもあります。

流れに乗るとは、他社の真似をすることではありません。
社員と未来を守る経営の意思を示すことです。

オフィススギヤマグループは、
企業型DCの導入から運用までを仕組み化とDXで支援し、
経営者が「導入してよかった」と言える未来をともにつくります。

今こそ、「流れを読む経営判断」を。
社員が誇れる会社は、社長の一歩の決断から始まります。

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