障害年金の審査は誰が決めているのか? 報道から見えた現実

杉山 晃浩

「障害年金は、医師が判定している」
多くの方が、そう信じて申請をしています。

確かに、制度上はそのとおりです。
しかし、最近の報道によって、その前提が揺らぐ事実が明らかになりました。

本記事では、

  • 障害年金の審査は本来どう決まるのか

  • 今回の報道で何が問題視されているのか

  • 申請を目指す方は、これからどう備えるべきか

を、専門用語をできるだけ避けながら解説します。


障害年金の審査は「誰が」行っているのか

まず、制度の基本から整理しましょう。

障害年金の申請書類は、市区町村の窓口や年金事務所を通じて、
日本年金機構
に送られます。

そこで行われる審査の流れは、原則として次のようになっています。

  1. 申請書類一式(診断書・申立書など)が集約される

  2. 障害の種類ごとに専門の医師が割り当てられる

  3. 医師が単独で医学的な判定を行う

  4. その判定をもとに、支給・不支給が決定される

つまり、制度上は
「最終的な医学的判断は医師が行う」
これが大前提です。


今回の報道で何が問題になっているのか

ところが、報道では次のような事実が指摘されました。

  • 医師が行った判定について

  • 年金機構の職員が

    • 「甘すぎる」

    • 「厳しすぎる」
      と判断した場合

  • その医師の判定記録を破棄し、別の医師に再判定を依頼していた

しかも、

  • 最初の医師には知らされない

  • 本人にも説明はない

という運用が、長年続いていた可能性があるという内容です。

もしこれが事実であれば、
それは単なる事務処理の問題ではありません。


なぜこの問題は、申請者にとって重大なのか

最大の問題は、ここです。

医師の専門的判断が、
申請者の知らないところで「やり直されていた可能性」

これは、申請者にとって次のような不利益を生むおそれがあります。

  • なぜ不支給になったのか分からない

  • 医師の診断が否定された理由を知る手段がない

  • 不服申立てをしようにも、材料が不足する

つまり、
結果だけが一方的に突きつけられる構造
になってしまうのです。

障害年金は、生活に直結する制度です。
だからこそ、審査の公平性・透明性は非常に重要です。


では、申請者は何を信じればいいのか

ここで大切なのは、感情的にならないことです。

今回の報道を受けて
「もう障害年金は信用できない」
と感じた方もいるかもしれません。

しかし、現実的には

  • 制度は今も動いている

  • 申請しなければ受給の可能性はゼロ

この事実は変わりません。

重要なのは、
「制度を過信しないこと」
そして
「書類で自分を守ること」
です。


障害年金は「状態」ではなく「書類」で判断される

これは厳しい現実ですが、非常に重要なポイントです。

障害年金の審査は、
あなたの日常を直接見て判断されるわけではありません。

審査されるのは、あくまで

  • 診断書

  • 病歴・就労状況等申立書

  • その他の提出書類

です。

つまり、

同じ症状でも
書類の書き方次第で
結果が変わる可能性がある

ということです。


申請前に必ず意識してほしい3つの視点

① 医師任せにしない

医師は医学の専門家ですが、
障害年金制度の専門家ではありません。

診断書の内容が

  • 日常生活の困難さを十分に表現できているか

  • 等級認定基準とズレていないか

を、必ず確認することが大切です。

② 「できること」ではなく「できないこと」を伝える

診察の場では、つい
「今日は調子がいいです」
と言ってしまう方も少なくありません。

しかし、障害年金で重要なのは
調子が悪いときの日常です。

③ 不支給=終わり、ではない

一度不支給になっても、

  • 審査請求

  • 再審査請求

といった選択肢があります。

今回の報道を踏まえると、
「なぜ不支給だったのか」を冷静に見直すことは、
これまで以上に意味を持つと言えるでしょう。


障害年金は「一人で闘う制度」ではありません

最後に、これだけはお伝えしたいと思います。

障害年金は、
我慢強い人ほど不利になりやすい制度
です。

  • 周囲に迷惑をかけたくない

  • 自分はまだ大丈夫だと思ってしまう

そうした気持ちが、
書類上では「軽い状態」として扱われてしまうことがあります。

今回の報道は、不安を与える一方で、
「制度を正しく理解し、備えることの重要性」
を改めて浮き彫りにしました。

申請を考えている方は、
どうか一人で抱え込まず、
制度の仕組みを知ったうえで、慎重に進めてください。

それが、今できる最も現実的な備えです。

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