第2回 障害年金はどうやって決まる? 申請から審査までの流れをやさしく解説
杉山 晃浩
第1回では、
「障害年金とはどんな制度か」
「誰が対象になり、どんな種類があるのか」
をお伝えしました。
第2回では、多くの方が一番不安に感じる
「障害年金は、どうやって決まるのか?」
について解説します。
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申請したら、何が起きるのか
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誰が、何を見て判断しているのか
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なぜ同じ病気でも結果が分かれるのか
制度の中身を知ることで、
「よく分からないから不安」という状態から
一歩抜け出せるはずです。
障害年金の審査は、いきなり結果が出るわけではない
まず、全体の流れを整理しましょう。
障害年金は、申請したその場で
「もらえます」「もらえません」
と決まる制度ではありません。
大まかな流れは、次のとおりです。
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年金事務所や市区町村窓口で申請
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書類一式が年金機構に送られる
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医師による医学的な判定
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判定結果をもとに支給・不支給が決定
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決定通知が自宅に届く
この一連の審査を行っているのが、
日本年金機構
です。
申請から結果が出るまで、
数か月かかるのが一般的です。
審査で一番重視されるのは「診断書」
障害年金の審査で、
もっとも重要な書類は何か。
それは、
医師が作成する診断書です。
審査では、
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申請者本人の説明
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家族の声
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職場の状況
よりも、
診断書に書かれている内容が最優先されます。
ここで大切なのは、
病名そのものよりも
「日常生活や仕事への影響」です。
医師は何を基準に判定しているのか
診断書には、
次のような項目があります。
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身体や精神の状態
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日常生活能力の程度
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就労状況や制限の有無
医師は、これらをもとに
障害年金の「等級認定基準」と照らし合わせて
判定を行います。
たとえば、
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一人で外出できるか
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食事・入浴・服薬を管理できるか
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他人の援助がどの程度必要か
といった点が、具体的に見られます。
「働いている=もらえない」ではない
ここも、よくある誤解です。
障害年金は、
働いているだけで不支給になる制度ではありません。
実際には、
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短時間勤務
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配慮付きの就労
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休職と復職を繰り返している
こうした状況でも、
障害年金が認められるケースはあります。
重要なのは、
どれだけ制限を受けながら生活・就労しているか
という点です。
なぜ同じ病気でも結果が分かれるのか
「同じ病名なのに、
あの人は通って、自分は通らなかった」
障害年金では、
こうした話をよく耳にします。
その理由は、はっきりしています。
障害年金は「状態」ではなく「書類」で判断されるからです。
審査する側は、
申請者の日常を直接見ることはできません。
見ているのは、
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診断書
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病歴・就労状況等申立書
だけです。
つまり、
書類にどう書かれているか
が、結果に大きく影響します。
申請書類は「事実を正確に伝える道具」
ここで注意してほしいことがあります。
それは、
「大げさに書く」ことでも
「遠慮して書く」ことでもありません。
障害年金の書類に必要なのは、
事実を、正確に、具体的に伝えることです。
たとえば、
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「調子が悪い」ではなく
→「週に〇日は外出できない」 -
「仕事がつらい」ではなく
→「集中力が続かず、〇分で休憩が必要」
この違いが、審査ではとても大きくなります。
審査は人が行っている以上、個人差もある
制度上、審査は
医師が医学的な視点で行います。
ただし、
人が判断する以上、
見方や評価に差が出る可能性は否定できません。
だからこそ、
「どう書くか」
「何を伝えるか」
が重要になります。
障害年金は、
運や気合いで決まる制度ではありません。
準備の質が結果に影響する制度
だと考えてください。
次回予告:障害年金で後悔しないために
第3回では、
障害年金で後悔しないためのポイントをまとめます。
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申請前に必ず確認してほしいこと
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不支給になったときの考え方
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一人で抱え込まないための選択肢
「知らなかった」で終わらせないために、
ぜひ続けて読んでください。