会社の方向性は「決める」ものではなく「揃える」もの ──そのために経営者がやるべきこと
杉山 晃浩
第1章|会社の方向性は、もう「決めている」はずなのに
多くの経営者は、こう感じているのではないでしょうか。
「会社の方向性は、もう決めている」
「経営理念もあるし、方針も伝えている」
「なぜ、思った通りに動いてくれないのだろう」
実際、中小企業の経営者は日々、
・売上
・人材
・取引先
・トラブル対応
と向き合いながら、必死に舵取りをしています。
方向性を“決めていない”経営者は、ほとんどいません。
それでも現場を見ると、
部署ごとに判断が違う
社員ごとに受け取り方が違う
結果として、会社全体がバラバラに動いている。
この状態は、経営者にとって非常に疲れるものです。
第2章|なぜ「決めた方向性」は揃わないのか
方向性が揃わない理由は、社員の能力不足でも、やる気の問題でもありません。
多くの場合、原因はシンプルです。
経営者は「決めた」
社員は「どう受け取っているか分からない」
このギャップです。
経営者は、
「これくらい言えば伝わるだろう」
「理念に書いてあるから分かるはずだ」
と考えます。
一方、社員側は、
「そう言われても、実際はどう判断すればいいのか分からない」
「本音では何を大事にしているのかが見えない」
と感じています。
つまり、方向性は
伝えたかどうかではなく、揃っているかどうか
が問題なのです。
第3章|理念や方針があっても、経営が楽にならない会社の共通点
企業理念やMVVを掲げているのに、経営が楽にならない会社には共通点があります。
それは、
社員がどう感じているかを確認していない
という点です。
・理念は知っているのか
・理解しているのか
・共感しているのか
・日々の行動に落とし込めているのか
これらを確認しないまま、
「浸透していない」
「社員の意識が低い」
と結論づけてしまう。
しかし、確認していないものは、改善のしようがありません。
経営が感覚論になり、
「たぶん、こうだろう」
「きっと、分かっているはずだ」
という推測が増えていきます。
これが、経営を重くしていく原因です。
第4章|方向性を「揃える」と、なぜ経営が楽になるのか
会社の方向性が揃うと、経営は確実に楽になります。
理由は明確です。
-
社長が毎回説明しなくてよくなる
-
判断基準が共有される
-
トラブル時の説明がシンプルになる
-
人事・評価が感情論にならない
これは、社員を管理しやすくなる、という話ではありません。
経営判断を、仕組みで支えられるようになる
ということです。
そのために必要なのは、
「もっと強く理念を語ること」
ではありません。
社員の受け止め方を、事実として把握すること
です。
第5章|経営者が最初にやるべきことは「確認」
方向性を揃えるために、経営者が最初にやるべきこと。
それは、社員の考えを確認することです。
-
会社の方向性をどう理解しているか
-
どこに違和感を持っているか
-
何が障害になっているか
これを確認せずに、
新しい理念を作る
方針を打ち出す
制度を変える
というのは、地図を見ずに進路を決めるようなものです。
ここで有効なのが、社員アンケートです。
第6章|社員アンケートは「不満探し」ではない
社員アンケートというと、
「不満が噴き出るのではないか」
「荒れるのではないか」
と心配する経営者も少なくありません。
しかし、本来の目的はそこではありません。
社員アンケートは、
会社の方向性が、どこでズレているのかを可視化するツール
です。
特に、
・無記名で本音を引き出し
・数値で傾向を把握し
・自由記述で具体像を掴む
こうした設計がされていれば、
感情論ではなく、経営判断の材料になります。
第7章|オーダーメイド型モチベーションサーベイという選択
オフィススギヤマでは、
企業ごとの課題に合わせた
オーダーメイド型モチベーションサーベイを提供しています。
特徴は、
-
理念・MVVの浸透度
-
会社の方向性への理解
-
上司・経営層への信頼
-
心理的安全性
など、方向性のズレが起きやすいポイントを重点的に可視化できる点です。
重要なのは、
「点数を出すこと」ではありません。
どこから手をつければ、方向性が揃い始めるのか
を明確にすることです。
第8章|方向性は「決めた瞬間」ではなく「揃った瞬間」に力を持つ
経営者がどれだけ考え抜いて決めた方向性でも、
社員と揃っていなければ、現場では機能しません。
逆に、
完璧でなくても
立派でなくても
社員と揃っていれば、会社は前に進みます。
会社の方向性は、
「決める」ものではなく
「揃える」ものです。
その第一歩は、
社員の声を、事実として知ること。
感覚経営から一歩抜け出し、
経営を楽にしたいと感じているなら、
まずは確認するところから始めてみてください。