なぜ経営者は、最後に人材紹介へ流れてしまうのか ──採用KPIがない会社の判断ミス
杉山 晃浩
はじめに|「気づいたら人材紹介に頼っていた」経営者の共通点
最初から人材紹介を使おうと思っていた経営者は、実は多くありません。
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まずは求人広告を出す
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次に媒体を変える
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少し条件を見直す
それでも人が来ない、決まらない。
そして最後に、
「もう仕方ないよね」と人材紹介に頼る。
この流れは、
経営者の怠慢でも、覚悟不足でもありません。
問題はもっとシンプルです。
採用を判断するための“数字”を持っていないのです。
第1章|人材紹介は「最後の手段」になりやすい
人材紹介は、決して悪いサービスではありません。
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早い
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確実性が高い
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手間が少ない
経営者が追い込まれている状況では、
非常に魅力的に見えます。
しかし同時に、
最も高い採用手段でもあります。
それでも経営者が流れてしまうのは、
「高いから使うな」と言われても、
判断材料がないからです。
第2章|採用KPIがないと、判断はすべて“感覚”になる
採用KPIがない会社では、
採用判断はこうなります。
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応募が少ない「気がする」
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反応が悪い「感じがする」
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うまくいっていない「印象がある」
これでは、
経営判断ができません。
結果として、
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何が悪いのか分からない
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どこを直せばいいか分からない
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時間だけが過ぎる
そして、
一番分かりやすい解決策=人材紹介
に飛びついてしまいます。
第3章|経営者が本当に見ていない数字
採用KPIというと、
難しい指標を想像されがちですが、
本質はそこではありません。
多くの会社で見えていないのは、次の数字です。
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応募数
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応募→面接率
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面接→内定率
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内定→入社率
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採用単価
これらを見ていないまま、
「人が来ない」
「採用が難しい」
と言っても、
原因は永遠に分かりません。
第4章|KPIがあれば、人材紹介は“選択肢”になる
採用KPIを持っている会社では、
人材紹介の位置づけが変わります。
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応募数は足りている
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でも内定辞退が多い
→ 条件や説明に問題がある -
面接率が低い
→ 初動対応や連絡方法に課題がある
こうして、
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何がボトルネックか
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どこに手を打つべきか
が見えるようになります。
その結果、
人材紹介は「最後の逃げ道」ではなく、
戦略的な選択肢になります。
第5章|「採用に金はかかる」は正しい。しかし…
ここで誤解してほしくない点があります。
採用にお金はかかります。
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求人広告
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採用サイト
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写真・原稿
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応募管理ツール
これらをケチって、
応募が取れないのは当然です。
しかし、
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KPIを見ずに広告を打つ
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改善せずに媒体を変える
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原因不明のまま紹介に行く
これは、
お金をかけているのではなく、
お金を捨てている状態です。
第6章|人材紹介に流れる会社の「共通の判断ミス」
現場でよく見る判断ミスがあります。
それは、
「もう時間がないから」
という理由で、
KPIを確認せずに人材紹介を使うことです。
しかし本来は、
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どこで詰まっているのか
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自力で改善できる余地はないか
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本当に紹介が最適解か
を整理してから判断すべきです。
KPIがあれば、
この判断が冷静にできます。
第7章|採用KPIは「人材紹介を否定するためのもの」ではない
採用KPIの目的は、
人材紹介を使わせないことではありません。
目的は、
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採用の全体像を把握する
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お金の使い方を正しくする
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経営判断を感覚から切り離す
ことです。
結果として、
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無駄な紹介依存が減る
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必要なときだけ使える
-
採用コストが安定する
という状態になります。
第8章|経営者が最初に持つべき採用KPI
最低限、次の5つで十分です。
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応募数
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面接率
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内定率
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入社率
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採用単価
これだけで、
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どこが悪いか
-
何を改善すべきか
が見えるようになります。
おわりに|人材紹介に流れる前に、見るべきものがあります
人材紹介に頼ること自体は、
間違いではありません。
しかし、
「よく分からないから紹介」
「考える時間がないから紹介」
これは、
経営判断として非常にもったいない。
採用KPIを持つことで、
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判断が早くなる
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お金の使い道が変わる
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採用が安定する
そして何より、
人材紹介に振り回されなくなります。
人が採れない時代だからこそ、
感覚ではなく、
数字で採用を考える。
それが、
これからの経営者に求められる姿勢です。