面談は人事施策ではない。 人本経営を支える経営インフラだ

杉山 晃浩

第1章|なぜ「面談=人事施策」と考える会社ほど失敗するのか

多くの会社で、面談は「人事の仕事」と位置づけられています。
1on1、評価面談、育成面談──いずれも人事施策の一部として整理されがちです。

その結果、面談は次のような扱いになります。

  • 忙しいと後回しになる

  • 担当者任せになる

  • 経営会議の議題には上がらない

一見すると合理的です。
しかし、この考え方こそが、人本経営が定着しない最大の原因です。

実際には、面談が弱い会社ほど、経営が不安定になります。
退職が突然起き、トラブルが後手に回り、社長の判断は常に「事後対応」になります。

それは、面談を「人事施策」と捉えているからです。


第2章|人本経営において、面談は何を支えているのか

人本経営が目指しているのは、
「人に優しい会社」ではありません。

  • 人に関するリスクを早く察知する

  • 判断のズレを小さいうちに修正する

  • 経営の不確実性を下げる

これらを実現するための経営手法です。

ここで重要になるのが「情報」です。
数字だけでは見えない、人の状態・感情・違和感。

これらを拾えるかどうかで、
人本経営は機能するか、形骸化するかが決まります。

面談とは、
人に関する経営情報を集める装置です。

この視点を持たない限り、
どれだけ制度を整えても、人本経営は動きません。


第3章|面談が“インフラ”になっていない会社の典型例

面談がインフラになっていない会社には、共通点があります。

  • 面談のやり方が人によって違う

  • 面談内容が記録されない

  • 話が経営判断につながらない

  • 「やったかどうか」だけが評価される

この状態では、面談は単なるイベントです。

イベントは、
やれば終わり、やらなくても致命傷にはなりません。

しかし、インフラは違います。
止まれば、経営そのものに影響します。

面談をイベントとして扱っている限り、
人本経営は「掛け声」で終わります。


第4章|経営インフラとしての面談が果たす3つの役割

では、面談が経営インフラとして機能すると、何が変わるのでしょうか。
役割は大きく3つあります。

① 人の状態を「平常時」に把握する

多くの会社では、
人の状態が見えるのは「問題が起きた後」です。

退職の申し出、トラブル、クレーム。
これでは遅すぎます。

インフラとしての面談は、
何も起きていない時の状態を把握します。

これが、最大の価値です。


② 社長の判断材料を構造的に集める

面談は、即断即決の場ではありません。
社長がその場で答えないための「前工程」です。

情報を集め、整理し、
複数の面談を横断して見たとき、初めて見える構造があります。

インフラ化された面談は、
社長の判断を軽くし、質を上げます。


③ 経営と現場のズレを可視化する

現場は黙っていても、ズレは存在します。
面談がなければ、そのズレは表に出ません。

インフラとしての面談は、
沈黙を防ぎ、ズレを早期に見える化します。

これは、
トラブル防止であり、リスクマネジメントそのものです。


第5章|面談をインフラ化すると、経営はどう変わるか

面談が経営インフラになると、
会社の景色は確実に変わります。

  • 退職が「突然」ではなくなる

  • 不満が爆発前に共有される

  • 属人的な特例対応が減る

  • 社長の判断が整理される

結果として、
人本経営が「感覚」から「仕組み」に変わります。

これは、
社員のためだけの話ではありません。

経営を安定させるための変化です。


第6章|それでも面談が続かない理由は「設計不在」

「重要なのは分かるが、続かない」
多くの経営者がここで止まります。

しかし、面談が続かないのは、
意識や熱量の問題ではありません。

理由は明確です。

  • 目的が曖昧

  • 情報の扱い方が決まっていない

  • 経営判断につながる設計がない

つまり、
面談をインフラとして設計していないのです。

インフラは、設計しなければ機能しません。


第7章|面談を経営インフラにするために必要な3つの要素

面談をインフラにするためには、次の3点が欠かせません。

  1. 目的の明確化
    評価・指導と切り離し、「把握のため」と定義する

  2. 情報の整理と翻訳
    個人の話を、経営テーマに昇格させる

  3. 判断への接続
    面談内容を放置せず、必ず経営判断につなげる

この3つが揃って初めて、
面談はインフラとして機能します。


第8章|なぜ外部伴走がないと、面談はインフラ化しないのか

社長自身は、判断の当事者です。
だからこそ、客観視が難しい。

  • 面談内容をどう整理すべきか

  • どこまでが個別で、どこからが構造か

  • 判断をどう言語化すべきか

これを社内だけで回すのは、現実的ではありません。

必要なのは、
面談情報を経営判断に翻訳できる第三者です。


第9章|オフィススギヤマの経営伴走が担う役割

オフィススギヤマグループは、
面談を「やりましょう」とは言いません。

  • 面談の設計

  • 情報の整理

  • 判断テーマの抽出

  • 社長の思考の言語化

これらを通じて、
面談を経営に効くインフラに変えます。

人事施策としての面談から、
経営インフラとしての面談へ。

その移行を、伴走で支えます。


終章|面談を軽く見る会社は、人本経営も軽くなる

面談は、人事施策ではありません。
人本経営を支える、見えない基礎工事です。

この基礎工事を後回しにすれば、
制度は形骸化し、
人本経営はスローガンで終わります。

逆に言えば、
面談をインフラとして整えるだけで、
経営は驚くほど安定します。

面談を整えることは、
人を守ることではなく、
経営を守ることです。

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