採用を安定させるために、最初に整えるべき仕組みとは ――「採れたり採れなかったり」を繰り返す会社の共通点
杉山 晃浩
はじめに|なぜ採用は「続かない」のか
「去年は採れたのに、今年は全く反応がない」
「担当者が変わった途端、採用が止まった」
「毎回、求人を出すたびにゼロから考えている」
こうした悩みを抱える中小企業は少なくありません。
しかし、これは人手不足や景気の問題ではありません。
採用が不安定な会社に共通しているのは、
採用が“仕組み”になっていないという点です。
採用を
・気合
・経験
・社長の勘
で回している限り、結果は安定しません。
採用を安定させたいのであれば、
最初に整えるべきは「求人媒体」ではなく、
採用の仕組みそのものです。
第1章|採用が不安定な会社に共通する“属人化”という病
採用がうまくいかない会社ほど、こんな状態になっています。
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面接の質問内容が人によって違う
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採用判断の基準が言語化されていない
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「あの人がいれば採れた」という属人的運用
事例①
地方のサービス業、社員20名。
長年、採用を任せていたベテラン社員が退職しました。
その途端、
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求人原稿の作り方が分からない
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面接の進め方が引き継がれていない
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応募対応が遅れ、辞退が続出
社長はこう言います。
「採用は人の問題だと思っていました」
しかし違います。
これは完全に仕組みの問題です。
👉 人が変わると止まる採用は、
👉 そもそも安定していないのです。
第2章|採用を安定させる会社が、最初に整えているもの
採用が安定している会社は、
最初から特別な手法を使っているわけではありません。
彼らがやっているのは、
採用プロセスを“分解して見える化”することです。
採用は、ざっくり言えば次の流れです。
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募集する
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応募が来る
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選考する
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面接する
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採用を決める
採用が止まる会社は、
このどこで詰まっているかを把握していません。
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応募が来ないのか
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面接で辞退されるのか
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内定後に断られるのか
👉 流れが見えていなければ、改善もできません。
第3章|面接前に決めておくべき3つの共通ルール
採用が安定しない最大の原因は、
面接前のルールが決まっていないことです。
最低限、次の3つは必ず整理してください。
① なぜ今、採用するのか(採用目的)
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忙しいから
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辞めたから
これでは不十分です。
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1年後、どんな仕事を任せたいのか
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どんな状態になってほしいのか
ここが曖昧だと、採用判断はブレます。
② どんな人を求めるのか(人物像)
スキルより重要なのは、価値観です。
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自分で考えて動く人か
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指示待ちタイプでもよいのか
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スピード感はどれくらい必要か
事例②
面接官Aは「人柄重視」
面接官Bは「経験重視」
評価は真逆。
最終的には社長の直感で採用。
結果、現場とミスマッチが起き、早期退職。
👉 人物像を共有していない採用は、運任せです。
③ 誰を採らないのか(NG基準)
ここが一番重要で、
多くの会社が決めていません。
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前職の不満ばかり話す
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受け身すぎる
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価値観が明らかに合わない
👉 採用で最も高くつくのは、
👉 「断れなかった1人」です。
第4章|採用を「説明型」に変えるだけで、結果は安定する
採用がうまくいかない会社ほど、
面接を「見極めの場」だと考えています。
しかし、安定して採用できる会社は違います。
彼らは、面接を
すり合わせと説明の場と位置づけています。
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会社の良い点
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大変な点
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合わない人の特徴
事例③
仕事内容の厳しさを正直に説明したところ、
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応募数は減少
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しかし、入社後の定着率は大幅改善
👉 応募が減ることは、失敗ではありません。
👉 ミスマッチが減っただけです。
第5章|仕組み化の第一歩は「完璧」を目指さないこと
「採用の仕組みを作る」と聞くと、
難しく考えすぎる会社があります。
しかし、最初は
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紙1枚
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メモ書き
で十分です。
重要なのは、
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毎回同じ流れで
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同じ基準で
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同じ説明をする
👉 完璧さではなく、再現性です。
おわりに|採用が安定すると、経営は一気に楽になる
採用が安定すると、
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採用に振り回されなくなる
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現場が疲弊しなくなる
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定着・育成に時間を使える
採用は、
一度整えれば、何度も使える経営インフラです。
特別な手法を探す前に、
まずは「最初に整えるべき仕組み」を見直してください。
それができた会社から、
採用は確実に安定し始めます。