YouTubeの煽りに乗って『車が買える助成金』の問合せが増えていますが…
杉山 晃浩
最近、Youtubeで助成金を活用して車を手に入れる方法を見て問い合わせが来ることが増えました。
助成金の種類としては、業務改善助成金や働き方改革推進支援助成金を利用したものです。
正しく利用すれば、自動車の購入も対象となります。でも、Youtubeのタイトルや解説の流れで、どんな車でも助成金の対象になると勘違いしてしまう経営者が出てしまうのは困りものです。
例えば、Youtubeで次のようなタイトルを見たらどう感じますか?
急いで!車を法人でも個人でも変える助成金を教えるのですぐに確認してください
【3月31日まで】730万円損失します。申請できなくなる前に絶対に見てください!
【3月31日まで】36協定改正するだけで200万円変わります
経営コンサル費用も対象になる!ヤバい助成金を徹底解説
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かなり煽ってますね。
これらの情報発信の中には、『社会保険に加入していなくても助成金の対象となる』との発言がありますが、労災保険に加入が要件の助成金を解説しているので当然のことです。あたかも凄いことのように煽ってますね。
更に、(助成金を受給する環境を整えるために)親族とかを数時間働かせて労災保険の対象にするといった方法や36協定書を長時間残業する可能性があるから特別条項付きの36協定書を締結して届出し直す方法などを紹介しています。
助成金を受給するために、雇わなくてもよい従業員の雇用を勧めたり、実態とかけ離れた36協定書の届出を促すのは私は好きではありませんね。
なぜなら、このような情報発信を自分勝手な解釈で実行してしまう経営者がいないとも限らないからです。もしかしたら、従業員を雇っていないのに雇っていることにしてしまうなどの違法行為に知らず知らずのうちに手を染めてしまうかもしれないからです。
SNSでの情報発信は、リードを集めるために過激なことを発信したりすることも多いでしょう。でも、東京スポーツの見出しぐらいに考えておくと良いですよ。
最後になりますが、経営者が『だから私は●●●(車種)を業務で使うんです』の説明があり、労働局の助成金担当者が納得すれば、車の購入に関して助成金を活用することは可能です。
助成金の趣旨に合った車の購入や使用が前提ですからね。