2026年2月分 人事労務クイズ~ストレスチェック制度(義務化の拡大)~

問題  ∼ ストレスチェック制度(義務化の拡大) ∼

現行の法律で、ストレスチェックの実施が義務付けられる事業所の規模(基準)はどれでしょうか

答え

【A】 常時使用する労働者が50人以上

【B】 常時使用する労働者が100人以上

【C】 全ての事業所

【A】 常時使用する労働者が50人以上

【制度の現状と今後】
現在は「50人以上」の事業場が義務対象ですが、厚生労働省の検討会では、50人未満の小規模事業場についても義務化する方針が固まりつつあります。
近い将来、全事業場での実施が必要になる可能性が高いため、早めの準備が推奨されます。

1. 50人未満の事業場における「義務化」の背景と理由
50人未満はこれまで「努力義務」でしたが、以下の理由から全ての事業場への義務化が議論されています。
・メンタル不調リスクの高さ: 小規模事業場ほど1人あたりの業務責任が重く、人間関係の距離も近いため、ストレスが深刻化しやすい傾向にあります。
・早期発見・早期対応の重要性: 産業保健体制が未整備な小規模事業場こそ、セルフケアの促進や不調の早期発見による離職防止が不可欠です。
・支援の均等化: 事業場の規模に関わらず、全ての労働者が等しく自分のストレス状況を確認し、適切なケアを受けられる環境を整備するためです。

2. 実務上のポイント:情報の保護と不利益取扱いの禁止
実施にあたって担当者が遵守すべき鉄則です。
・情報の守秘義務: 検査結果は、実施者(産業医等)から会社へ直接開示されることはありません。本人の同意がない限り、会社が結果を知ることはできない仕組みです。
・不利益取扱いの禁止: 受検の有無、結果の内容、面接指導の申し出などを理由として、解雇・配置転換・降格などの不利益な扱いをすることは法律で厳禁されています。

3. 50人未満の事業場が今から準備すべきこと
義務化に備え、以下のポイントを順次検討しておきましょう。
・外部資源の確認(地域産業保健センター等)
無料で医師による面接指導等の相談ができる「地域産業保健センター」など、近隣のサポート窓口を事前に確認しておきましょう。
・実施主体の選定
外部の代行サービスを利用するのか、あるいは産業医や保健師をどのように確保するのか、実施ルートを検討しておく必要があります。
・社内規程の整備と周知
「誰が検査し、情報は誰が管理するか」を規程として明文化し、事前に周知しておくことで、従業員の不安を払拭しスムーズな導入に繋げます。

まとめ:全ての職場でメンタルヘルス対策を
ストレスチェックは、従業員が「自分の不調に気づく」ための大切なセーフティネットです。50人未満の事業場も、義務化を待たずに「職場環境を可視化するツール」として前向きな導入を検討する時期に来ています。
この機会に、現在の管理体制の確認や地域産業保健センターへの相談など、小規模事業場ならではのメンタルヘルス対策を検討されてみてはいかがでしょうか。