「給料を上げても応募が来ない会社」の共通点 ─ 若手は“休日”を見ています
杉山 晃浩
「最近、求人を出しても応募が来ない」
「初任給を上げたのに反応が悪い」
「面接までは来るけど辞退される」
そんな悩みを抱える中小企業が、ここ数年で急激に増えています。
実際、昔のように、
- 給料が高い
- ボーナスが多い
- 根性で働ける
だけでは、人が集まらなくなっています。
特に20代・30代の若手世代は、“会社での人生”だけではなく、
- 家族との時間
- 趣味
- 推し活
- 副業
- 自己成長
- 健康
- メンタル
まで含めて、「人生全体」で会社を選ぶ時代になりました。
つまり今の採用市場では、
「いくら払うか」
だけではなく、
「どう休めるか」
が強く見られているのです。
最近では、大学主催の合同企業説明会で、
「年間休日120日以上」
を参加条件にするケースまで出てきています。
さらに驚くべきことに、不動産業界のような「休みにくい」と思われていた業界でも、休日改革が始まっています。
労働新聞によると、ケイアイスター不動産では、営業職を含む全社員の年間休日を115日から120日に拡大。さらにGW・夏季・年末年始に約1週間の大型連休を導入しました。
理由はシンプルです。
若手が“休日”を見ているから。
これは、不動産業界だけの話ではありません。
介護、建設、運送、飲食、小売、製造…。
人手不足に悩む業界ほど、今後は「休日改革」が採用戦略になっていきます。
「給料を上げれば採用できる」は限界がきている
もちろん、給料は大事です。
ですが、今の中小企業が大手企業と“給料だけ”で勝負するのはかなり厳しい時代です。
大手企業は、
- 初任給30万円
- 住宅補助
- 福利厚生
- ブランド力
まで含めて勝負してきます。
そこへ中小企業が無理に対抗すると、
「利益が残らない」
という問題が起きます。
特に地方企業では、
- 物価高
- 社会保険料増
- 人件費増
- 原材料高
が重なり、「賃上げ疲れ」を感じている会社も多いはずです。
そこで重要になるのが、
“給料以外の魅力”
です。
その中でも、今もっとも強いのが、
「休日」
なのです。
実際、若手求職者は求人票を見るとき、
- 年間休日
- 有給取得率
- 完全週休2日制か
- 長期休暇があるか
をかなり見ています。
昔のように、
「休みが少なくても給料が良ければOK」
という価値観ではなくなっています。
若手は「年間休日105日」に敏感です
経営者側からすると、
「105日も休めば十分だろ」
と思うかもしれません。
ですが、求職者側から見ると、
「105日=休みが少ない会社」
というイメージになりつつあります。
なぜなら、年間休日120日前後の会社が増えているからです。
実は、
- 年間休日105日
- 年間休日120日
では、単純計算で、
年間15日違います。
15日というと、
約半月分
です。
若手からすると、
- 旅行
- 家族時間
- 子育て
- 趣味
- 推し活
- 副業
- 資格勉強
など、“人生を楽しめる日数”が大きく変わる感覚なのです。
さらに今はSNS時代です。
友人が、
- 「GW9連休!」
- 「有給つなげて海外旅行!」
- 「毎週土日休み!」
と投稿している時代。
その中で、
「うちは年間休日105日です!」
と言っても、なかなか響きません。
「休めない会社」は人が辞めやすい
休日不足は、単なる“不満”では終わりません。
実は、
- メンタル不調
- 人間関係悪化
- 管理職疲弊
- 離職
- 生産性低下
にもつながります。
特に怖いのが、
「辞める理由を本音で言わない」
ことです。
社員は退職時、
- 「キャリアアップしたい」
- 「家の事情で」
- 「挑戦したい」
などと言います。
ですが、本音では、
「休めない」
「疲れた」
「もう限界」
というケースもかなりあります。
しかも最近の若手は、
「我慢して働き続ける」
という感覚が弱くなっています。
悪い意味ではありません。
転職市場が広がり、
- リモート
- 副業
- フリーランス
- スカウト採用
など、働き方の選択肢が増えたからです。
つまり、
「無理してまでその会社に残る必要がない」
時代なのです。
休日改革は「採用コスト削減」にもつながる
ここを勘違いしている会社が多いのですが、
休日改革=コスト増
だけではありません。
むしろ、
- 応募増
- 定着率向上
- 紹介料削減
- 離職減少
につながるケースもあります。
例えば、
- 人材紹介料100万円
- 採用広告費50万円
- 早期離職
などが続くと、会社はかなり疲弊します。
しかし、
- 年間休日改善
- 有給取得改善
- 長期休暇導入
などで採用競争力が上がれば、
「辞めない会社」
に近づいていきます。
これは、結果として利益にもつながります。
休日改革は「休みを増やすこと」ではない
ここが重要です。
休日改革とは、
「単純に休みを増やす」
ことではありません。
本当に大事なのは、
「休める会社を設計する」
ことです。
例えば、
- 属人化
- 一人しかできない仕事
- 管理職依存
- アナログ業務
- ムダな会議
などが多い会社は、休みを増やそうとしても現場が崩壊します。
だからこそ、
- 業務の仕組化
- 多能工化
- DX
- 人事制度
- 就業規則整備
が必要になります。
つまり、
休日改革=経営改革
なのです。
まずは「自社の休日レベル」を知ることが大切
とはいえ、
「何から改善すればいいかわからない」
という会社も多いと思います。
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「休める会社」が、これから選ばれる
これからの採用市場では、
「給料だけ」
では勝てません。
もちろん給与は重要です。
ですが、
- 休日
- 働き方
- 安心感
- 福利厚生
- 人間関係
まで含めて、“総合力”で会社が選ばれる時代です。
そして今、
「年間休日120日」
は、少しずつ“特別”ではなく“基準”になり始めています。
もし今、
- 応募が来ない
- 若手が辞める
- 管理職が疲弊している
- 採用コストが増えている
のであれば、
「求人広告の書き方」だけではなく、
“休日設計”
そのものを見直す時期かもしれません。
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