『気の利くスタッフと気の利かないスタッフ』  同じ給料でいいのか?中小企業が抱える“本音”の問題

杉山 晃浩

「結局、あの人ばっかり頑張ってるよな…」

中小企業の経営者や管理職なら、一度はそう感じたことがあるのではないでしょうか。

誰よりも先に動く。
言われる前に準備する。
新人をフォローする。
お客様の異変に気づく。
クレームを未然に防ぐ。

そんな“気の利くスタッフ”がいる一方で、

「言われたことしかやらない」
「周囲が困っていても気づかない」
「空気を読まず、自分の仕事だけして帰る」

そんなスタッフもいます。

ところが、給料はほとんど同じ。

すると現場では、少しずつ不満がたまります。

「あの人ばっかり大変」
「頑張る人が損してる」
「気が利く人ほど疲れて辞めていく」

これは、多くの中小企業で起きている“静かな崩壊”です。

特に、零細企業ほど深刻です。

なぜなら、大企業のように細かい評価制度を作る余裕がないからです。

では、どうすればいいのでしょうか。

今回は、

「気の利くスタッフ」と「気の利かないスタッフ」をどう考えるべきか。

そして、

“頑張る人が辞めない会社”

をどう作るのかについて、現実的な視点でお話します。


「同じ仕事なんだから同じ給料」

たしかに、この考え方は大切です。

最近は「同一労働同一賃金」という言葉も広がり、

「差をつけにくい」

と感じている経営者も多いでしょう。

しかし、ここで誤解してはいけないのは、

“同じ仕事”

と、

“同じ貢献”

は違うということです。

例えば介護現場。

同じ介護職でも、

・利用者さんの小さな変化に気づく
・家族対応を丁寧にする
・新人が孤立しないよう声をかける
・現場の空気を悪くしない

こういう人がいます。

しかし、こうした働きは、
タイムカードには出ません。

数字にもなりにくい。

でも実際には、
こういう人がいるから現場が回っています。

逆に、

「決められたことだけやります」

という人ばかりになると、
職場はギスギスし始めます。

つまり会社は、

“見えない貢献”

によって支えられているのです。


本当に怖いのは「気の利く人への依存」

ここで多くの会社が間違えます。

「じゃあ、気の利く人をもっと働かせよう」

となってしまうのです。

すると、

・難しい仕事はその人へ
・新人教育もその人へ
・クレームもその人へ
・空気づくりもその人へ

どんどん仕事が集中します。

しかも本人は責任感が強い。

だから断れません。

すると何が起きるか。

ある日突然、
辞めます。

しかも会社は気づきません。

なぜなら、

“いるのが当たり前”

になっているからです。

これは本当に危険です。

中小企業の離職は、
「給料が安いから」だけではありません。

実際には、

「不公平感」

で辞める人が非常に多いのです。


「えこひいき」と「適正評価」は違う

ここで悩む経営者も多いでしょう。

「気の利く人を評価すると、えこひいきと言われる」

たしかに、その通りです。

しかし、

“何を評価しているか”

が曖昧だから不満になるのです。

例えば、

「社長のお気に入りだから評価される」

これは問題です。

しかし、

・周囲フォロー
・改善提案
・お客様対応
・トラブル防止
・チーム貢献

などを具体的に言葉にして評価するなら、
それは“適正評価”です。

問題は、

気の利く人が頑張っても、
会社が何も見ていないこと。

これが一番危険です。


でも、評価制度を作れば解決するわけではない

ここが今回、一番大事な話です。

最近は、

「評価制度を作りましょう」

という話が増えています。

もちろん、評価制度自体は大切です。

しかし、零細企業では、
制度だけ作っても失敗することが非常に多い。

なぜなら、

・評価項目が多すぎる
・現場が運用できない
・管理職が評価できない
・結局社長判断になる
・面談だけ増える
・昇給原資がない

こうなりやすいからです。

つまり、

“制度疲れ”

を起こすのです。

特に10人〜30人規模くらいまでは、

「立派な制度」

より、

「空気づくり」

の方が重要な場合があります。


小さな会社ほど「感謝」が重要

実は、
気の利く人が辞めにくい会社には共通点があります。

それは、

「見ているよ」

が伝わる会社です。

例えば、

「いつもありがとう」
「助かったよ」
「気づいてくれてありがとう」

これを言葉にしている。

あるいは、

・朝礼で共有する
・役割を見える化する
・小さな改善を褒める
・感謝を言いやすい空気を作る

こういう会社は強い。

逆に、

頑張る人が無言で働き、
気づかない人だけラクをする会社は、
どんどん崩れていきます。


気の利かないスタッフは再生できないのか?

ここも重要です。

実は、

「気が利かない=悪い人」

とは限りません。

単純に、

・成功体験が少ない
・考える習慣がない
・失敗を怖がっている
・昔怒られ過ぎた
・何を期待されているかわからない

だけのことも多いのです。

つまり、

“育て方”

の問題もある。

だから会社としては、

「なんで気づかないんだ!」

ではなく、

「どう動けば助かるか」

を具体的に教える必要があります。

例えば、

・困っている人がいたら声をかける
・次の人が使いやすいよう片付ける
・新人が困っていたら報告する

こういう“小さな気づき”を、
会社文化として育てる。

これが大事なのです。


「気が利く人」を性格だけに頼らない

ここも非常に重要です。

中小企業は、

「できる人」

に頼り過ぎる傾向があります。

しかし、本当に強い会社は、

“気づける仕組み”

を作っています。

例えば、

・チェックリスト
・引継ぎルール
・朝礼共有
・役割分担
・見える化

などです。

つまり、

「気が利く人がいるから回る会社」

ではなく、

「誰でも一定レベルで動ける会社」

を目指す。

これが組織づくりです。


頑張る人が報われる会社は強い

最後に。

中小企業は、
大企業ほど給料競争ができません。

だからこそ重要なのは、

「この会社で頑張りたい」

と思える空気です。

・見てくれている
・感謝されている
・ちゃんと評価されている
・一人だけに負担が偏らない

こういう会社は、
人が辞めにくい。

逆に、

“気の利く人だけ疲弊する会社”

は、
静かに崩れていきます。

もし今、

「最近、頑張る人ばかり疲れている気がする」

そう感じるなら、
一度、会社の“空気”を見直してみてください。

そこで今回、

【無料プレゼント】
「職場バランス診断チェックシート」

をご用意しました。

プルダウンで回答するだけで、

・気の利く人への依存度
・不公平感リスク
・離職予備軍の発生リスク
・組織の偏り

を見える化できます。

評価制度を作る前に、

まずは“今の状態”を把握することが大切です。

▼無料ダウンロードはこちら
【無料プレゼント】 職場バランス診断チェックシート 申込フォーム

組織づくりは、
制度だけではうまくいきません。

だからこそ、
“人が頑張りたくなる空気”

をどう作るか。

そこに、本当の経営力が出るのではないでしょうか。

 
 

お問い合わせフォーム

労務相談、助成金相談などお気軽にご相談ください。