2023年1月分 人事労務クイズ~社会保険の扶養について~
問題 ∼ 社会保険の扶養について ∼
社会保険の扶養に入るには、一定の範囲がありますが、次のうち被扶養者になれない方は誰でしょう。
※どなたも生計維持はされているものとします。
答え
【A】 別居の子ども
【B】 同居している配偶者の兄弟
【C】 同居している80歳の祖父
【C】 同居している80歳の祖父
社会保険には「扶養」という制度があり、扶養に入ることで、保険料を支払わなくてもその制度を利用できるというメリットがあります。
扶養に入るには、「親族の範囲」と「生計維持関係」の要件を満たす必要があります。
社会保険の被扶養者の範囲
以下の人たちは、生計が維持されていれば、同居・別居を問わず被扶養者になることができます。
・配偶者(事実婚を含む)
・実の親、実の祖父母、実の曽祖父母
・子ども
・兄弟姉妹
・孫
一方、次の人たちについては、生計を維持されていることに加えて、同居していることが要件です。
・配偶者の親、祖父母、曽祖父母
・配偶者の兄弟姉妹
・本人や配偶者の甥姪
・配偶者の子、孫
・本人や配偶者のひ孫
・本人の子・孫・ひ孫の配偶者
・本人の兄弟姉妹・甥姪の配偶者
・本人や配偶者のおじおば
・本人のおじおばの配偶者
ちなみに、75歳以上の方は、後期高齢医療制度の被保険者となりますので、
健康保険の被保険者から外れます。また、社会保険の被扶養者にもなれません。
社会保険の収入要件
もう一つの要件として「生計を維持されている」という要件があります。これを満たすためには、収入が「130万円未満」である必要があります。
学生のアルバイターや既に現役を退いている方であれば、あまり注意する金額ではないかもしれまんが、共働きの配偶者にとっては注意が必要です。
健康保険料上の収入を算定する期間
「税法上の扶養」と「健康保険法上の扶養」では収入等の考え方が異なります。
「税法上の扶養」は年間(1/1~12/31)の所得金額により、配偶者控除や配偶者特別控除の対象になるかどうかが決まります。
一方、「健康保険法上の扶養」においては、「年収130万円未満」という条件がありますが、ここでいう「年収」とは、過去は考慮せず、現時点から将来にわたってどうかを考えます。
「いつからいつまでの収入がいくらだった」といった考え方はしません。
扶養に入れるかどうかの判断は、入社時や退職時、労働条件変更があった時に行います。
その時点から向こう一年においての年収が、130万円未満に収まる見込みであれば、扶養認定の要件を満たします。
その後、特に収入見込みについて変更がなければ、扶養に入ったままです。
社会保険の被扶養者に該当する人は、収入要件を超えないよう働き方に注意する必要があるでしょう。
詳しくは下記をご覧ください。