2023年7月分 人事労務クイズ~賞与の社会保険料~

問題  ∼ 賞与の社会保険料 ∼

健康保険や厚生年金の社会保険料に関するクイズです。
賞与にも社会保険料がかかるでしょうか?

答え

【A】 かかる

【B】 かからない

【A】 かかる

社会保険加入者については、自身の標準報酬月額に応じて、毎月の給与から社会保険料が控除されます。(定額制)
賞与についても同様に社会保険料が発生しますが、計算方法は異なり標準賞与額(賞与総額から千円未満を切り捨てた額)に料率かけたものとなります。(定率制)
また、社会保険料のほかに所得税や雇用保険料もかかってきます。

社会保険料が発生するということは、会社は従業員に賞与を支給したということを届出なければいけないということです。

賞与支払届というもので、賞与から控除した社会保険料を納付するための届出であり、支給日から5日以内に提出する必要があります。

賞与を支給しなかったとしても、届出を行わなければいけない場合があります。
年金事務所へ賞与支払予定月を登録している場合で、その月に賞与を支給しなかったときには、賞与不支給報告書を提出する必要があります。
支払いがなく、社会保険料も発生しないので、別に届出なくてもいいのではないかとそのままにされる会社様もありますが、それでも不支給の届出は必要です。未提出の場合、会社に通知が来て提出が求められますし、また年金事務所の調査時には指摘対象となり提出を求められます。

社会保険料がかからない場合も!?

次のふたつの場合には、社会保険料がかかりません。

  1. 出産育児に関する場合で、「産前産後休業中」「育児休業中」です。この期間中は、社会保険料の支払いが免除されます。
  2. 退職する従業員に賞与を支給する場合です。
    社会保険の資格喪失月には、社会保険料が発生しないため、賞与支払月の半ばで退職した場合、その月に支給された賞与に社会保険料が発生しません。
    しかし、月末に退職した場合には資格喪失日が翌月の1日となるため、社会保険料の控除が必要です。

この考え方については、給与の支払い場合についても同様です。

社会保険料控除の仕組みを正しく理解して、給与計算にミスが生じないようにしましょう。