2023年12月分 人事労務クイズ~副業・兼業~
問題 ∼ 副業・兼業 ∼
副業・兼業した場合の労働時間について、正しいのはどちらでしょうか?
答え
【A】 本業の労働時間についてのみ考える
【B】 本業と副業のそれぞれの労働時間について個別に考える
【C】 本業と副業の労働時間を通算して考える
【C】 本業と副業の労働時間を通算して考える
働き方が変わっていく中で、副業や兼業への関心が高まっており、実務上でも従業員様からの相談や問合せが増えているのではないでしょうか。
政府が掲げている働き方改革においても、労働者の健康確保に留意しつつ、原則副業・兼業を認める方向で、普及促進が図られています。
副業・兼業をさせる上で、注意しなければならないことのひとつに、労働時間があります。
本業での労働時間と副業での労働時間をどのように取り扱うのでしょうか?
労基法38条では
「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する」と規定されております。
ですので、本業と副業のそれぞれの労働時間を合算した時間が労働時間ということになります。
例)本業で8時間労働した後に、副業で2時間労働した場合
労働時間は合計で10時間ですが、法定労働時間(8時間)を超えている2時間については時間外労働となり、割増賃金が発生することになります。
それでは、割増賃金は誰が支払う必要があるのでしょうか。
通達では、後から契約した会社が割増賃金の支払い義務を負うこととされています。
(昭和23・10・14基収 2117 号)
なお、時間外労働をさせるための36協定の締結義務も後から契約をした会社にあります。
したがって、従業員を雇用する際には、他社での就労状況を確認するようにしましょう。
状況によっては、割増賃金を支払わなければならなくなる可能性もあります。
入社にあたっては、副業兼業の有無を確認し、賃金未払いや36協定違反が生じないように注意しましょう。