都城商工会議所工業部会主催!企業型確定拠出年金セミナーの講師の実感

杉山 晃浩

本日は、都城商工会議所で企業型確定拠出年金のセミナー講師として登壇させていただきました。

そして多くの導入されたお客様の口から発せられる『なぜこんなに良い制度なのにこれまで広がらなかったんだろう?』という問いに対して、私なりの見解と経験をお伝えしてきました。

おかげさまで、アンケートでは『良いセミナーだった』との声が94%を超える結果となりました。

さて、なぜ選択制企業型DCが広がらないのか?
選択制企業型DCが広がらない理由をAIと一緒に考えてみました。

実際に参加者の口から、『選択制企業型DCを導入しようとしたら、顧問税理士と顧問社労士からやめたほうがいい』と1年前に言われて今に至っているというお話を聞くことができました。企業型DCにとっては、最長で70歳までの設計しかできないのがデメリットのひとつとして取り上げられますが、この社長様は既に1年間を棒に振っています。複利で増える期間、退職所得控除の期間、ドルコスト平均法で購入できる期間がいずれも1年消えてしまいました。
これはとても悲しいことです。時間はお金では買うことができません。
でも、『やめたほうがいい』と言い放った、税理士も社会保険労務士も、これっぽっちも悲しんではいません。自分の意見が通ったと喜んでいるだけでしょう。今回の事案が、企業型DCの導入を考えている多くの企業の顧問税理士や顧問社労士のレベル感を考えるきっかけになればいいなぁと考えています。

1. 顧問税理士・社労士のブロック(守旧派の壁)

税理士や社労士の中には、新しい制度への理解が乏しかったり、手続きの負担を懸念したりして、「やめたほうがいい」と助言することが多い。特に、税務処理や社会保険料の取り扱いが通常の給与と異なるため、避けたがる専門家も多い。「助成金に響くからやめたほうがいい」と中途半端な知識で応えた社労士もいますね。

2. 企業側の制度理解の不足

企業の経営者や人事担当者が、選択制企業型DCの仕組みをよく理解しておらず、「給与の一部を拠出する」と聞いただけで「従業員に負担がかかるのでは?」と誤解するケースがある。導入から、フォローまで一貫してしてくれるパートナーがいればそんなことはありませんね。一番必要なのは、経営者や担当者の聞く耳です。

3. 社会保険料の節約効果を懸念する国のスタンス

選択制企業型DCを導入すると、給与の一部が掛金に回るため、社会保険料が下がる可能性がある。これを国が好ましく思わず、政策的に積極的に推奨していない(暗に抑制しようとしている)可能性がある。でも、もともと少子高齢化により公的年金が機能しなくなることを予測して小泉首相が導入した制度です。公的年金を補完する私的年金制度を作るだけでは、誰も活用などしませんから、節税メリットをたっぷり付けて浸透を図っていたと考えています。

4. 従業員のメリットが伝わりにくい

「手取りが減るのでは?」という誤解や、「確定拠出年金は投資だから元本割れするのでは?」という不安が先行し、従業員が制度を敬遠することが多い。導入しても利用率が低いことがある。金融教育が必要不可欠です。現在は努力義務ですが、我々のプランのように金融教育と個別相談が無料で受けられることで、従業員の金融リテラシーが高まります。ちなみに私たちのお客様で、30名中28名加入して、毎月50万円以上もの給与が掛金に変わることで、社会保険料の対象となる給与額が激減した事例もあります。要するにアフターフォローがしっかりできる私たちのようなパートナーを利用しないと効果が薄いということです。

5. 企業にとっての手続きが面倒

企業型DCは、金融機関との契約、社内規程の変更、加入者管理、年次報告など、一定の手続きが必要。中小企業では人事担当者が多忙なため、追加の手続きが負担に感じられる。だから、オフィススギヤマグループとファンツリー協会が手を組んでみなさまをフォローしているのです。

6. 初期導入コストと運用コストの存在

導入時に社労士や金融機関への手数料が発生することや、管理コストがかかることがネックになる場合がある。特にコスト意識が高い中小企業では、導入に慎重になりやすい。選択制企業型DCの制度を言い換えれば、法人の経費枠を使って、合法的に、お得に、法人の資産を個人資産に移す仕組みのことです。経費は福利厚生費です。コストではありません。法人のお金と個人のお金をごっちゃにしたり、制度の運営管理をけちるととんでもないしっぺ返しが来ます。これは実話です。

7. 金融機関があまり積極的に売らない

金融機関にとって、企業型DCは管理コストがかかる割に利益が少ないため、あまり積極的に販売しないことが多い。また、販売員も複雑な制度説明を嫌い、個人型(iDeCo)を優先することもある。企業型DCは、就業規則の変更や厚生局への認可申請など面倒な手続きも多くなります。その点iDeCoなら簡単に販売することができます。確かにiDeCoは確定拠出年金ですが、選択制企業型DCと比較すれば投資効率が悪すぎます。そんなものを売りつける金融機関は、私には悪としか感じません。

8. 既存の退職金制度との調整が難しい

企業によっては、すでに退職金制度や確定給付年金(DB)があり、それとの整合性を考える必要があるため、企業が導入をためらう。特に、古くからの退職金制度が根付いている企業では、新制度の導入が難しい。でも、時代を読まないと大変なことになりますね。30年間の低金利政策とデフレで日本人の頭の中はバグっています。退職金制度の金額の見直しの相談が殆どないことからも、従業員からの退職金に対する突き上げは少ないものだと感じています。でも、中退共やはぐくみ基金に見られるような企業型確定給付年金は増えません。3%のインフレが続けば、20年で資産価値は半減します。つまり、インフレ基調の今では、運用していかなければ退職金制度は意味のないものになってしまいます。見直す時期は、今なのです。

9. 「今すぐ必要ない」という経営者の意識

確定拠出年金は、従業員の老後資産形成が目的だが、中小企業の経営者は「今すぐ売上に直結しないこと」に対して消極的になりがち。そのため、導入の優先度が低くなってしまう。お金に忙しい会社はこのような判断をする傾向がありそうですね。でも、退職所得控除などの時間をカネで買うのなら、赤字であっても選択制企業型DCを導入しておいた方が良いでしょう。これから来る、未来の利益のためにもね。

10. 従業員の「変化を嫌う心理」

給与の支払い方法が変わることに対して、「わざわざ変えなくてもいいのでは?」という従業員の心理的抵抗が発生することがある。特に、投資に馴染みのない人が多い企業では、従業員説明会を開いてもなかなか理解が進まないことが多い。やりたい人だけが投資すればいいのが選択制企業型DCです。つまり、一部の社員が投資をするだけでもその効果は絶大です。だって、儲かったら他人に自慢したくなるでしょ。そんなこと聞いたら、『私もやりたい』って社員が増えること間違いなし。アメリカが投資大国になったのは、401Kという企業型DCのおかげなんですから。

いろいろな理由が出てきましたが、やると決めたらすぐに行動に移してください。

黒字企業ならばやらない選択肢はありません。
利益が出ていれば税務署に税金で持っていかれます。
でも利益が出ていれば、企業型DCの導入費用や掛金を支払って、全額損金計上することも可能です。
そして、会社の支払った掛金を、将来、経営者の退職金として退職所得控除を利用して受け取ることができる。

つまり、会社から消えるお金が、消えっぱなしなのか(税金支払い)、戻ってくる可能性があるのか(DC導入)を経営者が千t無くするだけなのです。

詳しく知りたい方は、みやざき企業型確定拠出年金支援センターをご覧ください。

 

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