第1回:「辞めない職場」をつくるカギは“制度”にあった!助成金を活用する5つの方法とは?
杉山 晃浩
人手不足が続く中小企業にとって、「せっかく採用した社員がすぐ辞めてしまう」という悩みは深刻です。 特に地方では、採用活動そのものが難しく、辞められてしまうと次の人を見つけるのも一苦労。従業員数が少ない会社ほど、一人の退職が与えるダメージは非常に大きくなります。
このような離職リスクを下げ、長く働いてもらえる職場をつくるためには、何が必要なのでしょうか?
もちろん、職場の人間関係や上司のマネジメント力なども重要ですが、それ以前に「会社として、働く環境や制度が整っているかどうか」が非常に大きな影響を与えています。
そこで今回は、厚生労働省が提供する助成金「人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)」を使って、離職率低下につながる雇用管理制度を導入する方法をご紹介します。
なぜ中小企業に“制度”が必要なのか?
大企業には、昇給・昇格の仕組み、評価制度、福利厚生、メンタルヘルス支援、教育研修…といった雇用管理制度がある程度整っています。しかし中小企業では、そうした制度が「ない」「あっても形骸化している」というケースが少なくありません。
制度が整っていないと、どうなるか。
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給与の決まり方が不透明で不満を抱かれる
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昇進や評価のルールが曖昧でモチベーションが下がる
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不公平感や先行き不安が高まり、退職に直結する
つまり、制度がないこと自体が「辞めたくなる理由」になってしまうのです。
一方、制度があることで「将来が見える」「自分の努力が報われる」「働きやすい」と感じてもらえれば、社員の定着率は大きく上がります。
雇用管理制度の導入を支援する助成金とは?
厚生労働省が実施している「人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)」は、まさにこの課題に取り組む企業を後押しする制度です。
具体的には、以下のいずれかの制度を導入・実施し、離職率の改善が確認できた場合、最大57万円(制度導入助成:30万円+目標達成助成:27万円)が支給されます。
助成対象となる5つの制度
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賃金規定制度
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諸手当等制度
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人事評価制度
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職場活性化制度
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健康づくり制度
どれも「特別に難しい制度」ではありません。 むしろ、中小企業の現場にこそ効果を発揮しやすい制度です。
たとえば、以下のようなイメージです。
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賃金規定制度:社員が納得できる“昇給の基準”を明確にする
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諸手当等制度:技能手当や扶養手当などで努力や生活をサポート
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人事評価制度:頑張った人が正当に評価される仕組みをつくる
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職場活性化制度:表彰制度やコミュニケーション促進で風通しの良い職場に
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健康づくり制度:定期健診やメンタルヘルス支援で「元気に働ける職場」を整える
制度導入のハードルを下げるには?
多くの中小企業では「制度づくりは難しそう」「ウチの規模じゃ無理」といった声が聞かれます。
しかし、それは「自分たちでゼロから作る」と考えてしまうからです。
実際には、厚生労働省の支給要件を満たす制度設計には、ポイントとコツがあります。 そのため、制度導入には専門家――特に、労働法や制度設計に詳しい社会保険労務士のサポートが非常に有効です。
オフィススギヤマグループができること
私たちオフィススギヤマグループは、社会保険労務士を中心に、制度設計から助成金申請までを一貫してサポートするコンサルティングを行っています。
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現状のヒアリング
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助成金対象となる制度の選定
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就業規則や評価制度の見直し・作成
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助成金申請書類の作成サポート
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制度運用のフォローアップ
「人が辞めにくい会社」になるための一歩を、無理なく、そしてお得に踏み出せるようにサポートしています。
次回以降:5つの制度をわかりやすく解説!
次回からは、助成金の対象となる5つの制度について、それぞれを詳しく解説していきます。
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それぞれの制度がどんな効果を持ち、なぜ離職率低下につながるのか?
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導入時の注意点やポイントは?
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具体的にどう設計すれば助成金の対象になるのか?
これらを順にご紹介しますので、ぜひ続けてお読みください。
最後に:制度が“辞めない職場”の土台になる
人材の確保が難しい時代において、「採用」と同じくらい、あるいはそれ以上に重要なのが「定着」です。
その定着のために必要なのが、“制度という土台”です。 社員に安心して長く働いてもらうためにも、今こそ制度整備に取り組むタイミングです。
助成金を活用すれば、その制度づくりをコストを抑えて実現できます。
そして、制度づくりに不安がある場合は、私たちオフィススギヤマグループにお気軽にご相談ください。中小企業のリアルを知る社労士だからこそ、現場にフィットした制度設計をお手伝いできます。
次回【第2回】では、「賃金規定制度」についてわかりやすく解説していきます。どうぞお楽しみに!