福利厚生で差をつける!企業型確定拠出年金の効果的な導入設計とは ~求職者に“明るい未来”を見せる求人のつくり方~
杉山 晃浩
【はじめに】退職金制度がない企業こそ、チャンスがある
4月から5月にかけては、人の動きが活発になる季節。新卒社員が入り、定年退職や転職で人材が入れ替わり、企業は本格的な採用活動に乗り出します。
そんな中、多くの中小企業が悩むのが「求人票の魅力のなさ」です。
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退職金制度がない
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福利厚生が薄く見える
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求職者に刺さるポイントが見つからない
このような課題に対し、私たちが推奨するのが、企業型確定拠出年金(企業型DC)Aのみプランの導入です。
【制度解説】企業型DCとは?「Aのみ設計」の魅力
企業型確定拠出年金(企業型DC)とは、企業が社員のために掛金を拠出し、社員が自ら運用しながら老後資金を形成していく制度です。いわば、新しいカタチの退職金制度。
中でも「Aのみ設計(全額企業負担)」は、以下のような特徴があります。
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社員に負担がなく、受け入れやすい
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「退職金制度の代替」として明確に打ち出せる
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福利厚生として求人票に書きやすい
これらはすべて、求職者に安心と将来性を伝えるポイントになります。
【制度設計】Aのみプランの具体例(月額3,000円~55,000円)
私たちオフィススギヤマグループが提案するAのみ設計では、以下のような拠出額の階段設定を推奨しています。
勤続年数 | 月額拠出額 | メッセージ効果 |
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入社~ | 3,000円 | 「初日から対象。将来も安心」 |
3年目~ | 10,000円 | 「続ければ手厚く」 |
10年目~ | 30,000円 | 「ベテラン待遇あり」 |
管理職 | 最大55,000円 | 「会社の中核を支える人へ」 |
このように、制度設計には「経営メッセージ」が込められるのです。
【求人票での表現例】制度を“見せる”技術
求人票では、制度の存在だけでなく、その価値や仕組みが伝わる書き方が必要です。
例:福利厚生欄の記載例
◉企業型確定拠出年金(退職金制度として導入)
◉全額会社拠出(月額3,000円~55,000円)
◉勤続年数・役職に応じて段階的に増額
◉年1回のライフプランセミナーあり
「明るい未来が見える求人」は、福利厚生の見せ方次第です。
【注意喚起】企業型DC、“導入しただけ”では効果なし!
オフィススギヤマグループでは、これまで100社以上の企業型DC導入支援を行ってきました。
その中で見えてきた大きな課題があります。
それは、制度設計の理解不足と、金融教育の欠如です。
よくある失敗例:
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とりあえず月額5,000円で始めたが、社員に響いていない
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管理職には厚くしたいが、制度設計で反映できていない
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「企業型DCあり」と求人票に記載しているが中身の説明が不十分
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社員が自分の運用状況を知らず、「もらえるお金」程度の認識しかない
実際には、導入後に制度設計を変えるのは非常に難しいのです。
法的・制度的制約があるため、あとから「やっぱりこうすればよかった」は効きません。
【オフィススギヤマの支援内容】制度設計+金融教育で“使いこなせる”仕組みへ
私たちは、単なる導入支援ではなく、以下のようなトータルサポートを提供しています。
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最適な掛金設計のアドバイス
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役職や等級制度に連動した制度構築
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求人票への表現支援
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社員向けの金融リテラシー教育
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定期的なフォローアップ研修や情報提供
企業型DCは、社員の人生設計を支える制度です。
制度を「導入しただけ」ではなく、社員が“活用できる”状態にすることが、本当の導入成功です。
【最後に】制度の“見せ方”と“活かし方”で企業の印象は変わる
企業型DCは、企業が社員の未来に投資する姿勢を示す最も強力なツールのひとつです。
しかし、間違った制度設計や情報発信の仕方では、その価値を十分に伝えられません。
だからこそ――
💡今回のブログを通じて、これから企業型DCの導入を考える方、すでに導入しているが活かしきれていない方に、「失敗しないためのヒント」をお届けしたいと思いました。
社員の未来を思い描きながら、制度を整え、伝え、育てていく。
それが、選ばれる企業の第一歩です。