社労士が伝えたい、中小企業のための“守成クラブ”活用法【宮崎編】
杉山 晃浩
第1章:なぜ今、中小企業は「つながり」を求めているのか?
近年、多くの中小企業の経営者と接するなかで、私は強く感じることがあります。
それは「経営者が孤立しやすくなっている」ということです。
かつては、地元の信用金庫の紹介や異業種交流会、同友会などを通じて、自然と“つながり”ができていました。しかし、コロナ禍を経て多くのリアルな集まりが途絶え、オンライン化が進む一方で、「本音で話せる関係」「信頼できる商談の場」が失われつつあるのです。
■経営環境の急変にさらされる中小企業
・物価高騰
・最低賃金の引き上げ
・人材不足と人件費高騰
・助成金頼みの経営の限界
これらは、どれも中小企業の経営を直撃しています。特に地方では、人材の確保すらままならない状況もあり、「いい人がいない」「売上が伸びない」と悩む経営者は少なくありません。
私が関わっている企業の中にも、「求人広告を出しても応募がない」「営業をかけても断られるばかり」といった声があふれています。
■社労士の立場から見える“つながり”の希薄化
社労士として、私は多くの経営者とお話をします。業績や採用の悩みだけでなく、「相談相手がいない」「経営のことを話せる人がいない」という声を聞くこともしばしばです。
特に創業まもない企業や、代替わりをしたばかりの二代目経営者などは、「何から始めてよいか分からない」「先代と同じやり方では通用しない」と孤軍奮闘しているのが現実です。
■“つながり”は今、最大の経営資源である
こうした状況の中、単なる情報交換や雑談ではなく、**「商売としてのリアルなつながり」**が求められています。
・信頼できる人との紹介制の人脈
・売上や販路につながる実践的な商談機会
・「自分たちの市場を自分たちで創る」仕組み
これらを兼ね備えた場が今、全国の中小企業経営者から支持されているのです。それが守成クラブです。
第2章:守成クラブとは何か?「交流会」じゃない“即決商談会”
「守成クラブって異業種交流会でしょ?」
よくそう言われますが、それは半分正解で、半分間違いです。
守成クラブの本質は、「人脈づくりの場」ではなく、“商売をする場”。つまり、名刺交換して終わりではなく、即決で商談が始まることを前提としたビジネスの現場です。
■「守成」という名前に込められた想い
守成クラブの「守成」という言葉は、中国・唐王朝の太宗・李世民の言葉「創業守成(守成は創業よりも難し)」から取られています。
つまり、会社を作ることよりも、それを継続・繁栄させていくことの方が難しい。
この言葉に感銘を受けた創設者・伊藤小一氏が、「かけがえのない会社を潰してはならない」「守って守って守り抜く」という強い思いでこのクラブを立ち上げました。
■守成クラブの最大の特徴:「即決商談会」
守成クラブの活動の中心は、月1回の定例会「仕事バンバンプラザ」。
その中でも特に注目すべきは、**「車座商談会」**です。
・1グループ6~8人が円卓を囲み、順番に自社のPRを行う
・商品・サービス・キャンペーン・イベント告知など、どんどん発信
・その場で興味を持った相手と即、商談へ移行
このスタイルは、“売れるかどうかわからない”営業ではなく、“今この場で商売になるかもしれない”機会をつくります。
名刺交換だけして終わる交流会とは、スピード感と実利性がまるで違います。
■完全紹介制の「信頼ベース」
守成クラブは紹介制であり、経営者またはそれに準ずる立場の方のみが参加できます。
宗教やネットワークビジネス、反社会的な活動の関係者は入会できず、事前の審査もあります。
つまり、「本気で商売をしたい健全な経営者しかいない」環境が整っているということ。
これにより、トラブルのリスクが抑えられ、初対面でも安心して商談に臨むことができます。
■「自分たちの市場は、自分たちで創る」
守成クラブには、こんな理念があります。
「ONE FOR ALL, ALL FOR ONE(ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために)」
単に“売る”だけではなく、仲間の商売を応援することが、自分のビジネスの成長につながるという考え方です。
「あなたが推薦したいと思う経営者を、クラブに紹介しよう」
という文化が根付いているため、広がる人脈も“質”が高いのが守成クラブの特長です。
第3章:実録!守成クラブ宮崎の例会とその仕組み
私が参加している「守成クラブみやざき」は、毎月1回開催される定例会「仕事バンバンプラザ」を中心に活動しています。
この章では、実際の例会の様子と、どのようにしてリアルな商談が生まれているのかをご紹介します。
■例会の雰囲気は?:熱気と商売への真剣さがあふれる空間
例会に参加すると、まず驚かされるのが**「場の熱量」です。
経営者ばかりが集まり、しかも全員が“売る気満々”“買う気満々”**。
特に、私が参加した2025年4月22日の第121回例会では、会員間での年間売上が3億円超という発表もあり、その場にいた全員の空気がピリッと引き締まっていました。
MRT宮崎放送で、第121回例会の様子が取材されています。
宮崎市で中小企業の経営者らでつくる「守成クラブ」の商談会
■【ステップ1】名刺交換会:1枚の名刺から世界が広がる
最初に行われるのは、大名刺交換会。
会場内の全参加者と名刺交換をする機会です。
ここでのポイントは、「たかが名刺、されど名刺」。
自己紹介を兼ねて相手に強く印象を残す名刺を作っておくことで、その後の商談がぐっと進みやすくなります。
私自身も、「名刺に書いてあったサービス、うちでも使いたい」とその場で声をかけられた経験があります。
■【ステップ2】車座商談会:即決のリアルなビジネスが生まれる
続いては車座商談会。
6〜8名が円卓を囲み、1人あたり3〜5分の持ち時間で、自社のサービスや商品をPRします。
ある参加者は、
「最近取り扱いを始めた健康食品の定期購入キャンペーンをやっています。ご家族用のサンプルをお渡ししますので、よろしければお試しください」
と話し、すぐにグループ内の2名が「それ、社員向けに福利厚生で使えるかも」と商談へ進みました。
こうした**「その場で需要と供給がつながる」**ことが、守成クラブならではの大きな特徴です。
■【ステップ3】商談懇親会&2部商談会:一歩踏み込んだ話ができる場
例会の後半は、商談懇親会。
名刺交換や車座商談で気になった方と、食事をしながらじっくり話すチャンスです。
さらに、希望者は例会終了後に開催される**「2部商談会」**にも参加できます。
ここでは、場所を移してじっくりと商談や打ち合わせが可能。
実際に、2部商談会で代理店契約が決まったケースもあるほどです。
■ブース出展・表彰制度・世代別会など、多彩な仕組みも魅力
守成クラブみやざきでは、以下のようなオプションも用意されています。
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ブース出展:商品の展示販売や資料配布が可能
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ゴールド・ダイヤバッジ制度:会員拡大に貢献した人への表彰
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世代別会:
・青年部会(45歳以下)
・ナイスミドル会(45歳以上)
・シニア会(65歳以上)
これにより、年齢や経験値に応じたつながりも形成されやすくなっています。
このように、守成クラブみやざきの例会は、単なる「集まり」ではなく、本気の営業の場であり、販路拡大のための仕組みが徹底されたビジネスプラットフォームなのです。
なお、秘密保持のため、紹介事例などは特定できないように脚色しております。
第4章:こんな中小企業におすすめ!守成クラブの活用パターン
守成クラブは「販路拡大」や「商談」を目的とした会であるため、ただ何となく参加するのではなく、明確な目的を持って活用することが重要です。
ここでは、実際に私の周りで成果を上げている中小企業の活用パターンを紹介しながら、「こんな企業こそ守成クラブを使うべき!」というポイントをお伝えします。
■パターン①:販路が限られ、営業が頭打ちになっている企業
✔「紹介がなければ新規が取れない…」
✔「地域密着でやってきたが、地元だけでは限界」
✔「ネット広告の費用対効果に限界を感じている」
こうした企業は、信頼を前提とした商談の場を持てる守成クラブと非常に相性が良いです。
ある地元の印刷会社は、会員同士の「チラシ印刷」「パネル制作」などから始まり、今では年商の3割が守成経由という話もあります。
■パターン②:BtoBビジネスを展開している企業・士業・専門職
BtoBであれば、1社との商談が即「継続案件」になることも多く、守成クラブでの出会いが中長期の取引に育つ可能性があります。
たとえば私のような社労士や行政書士は、
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顧問契約の見込み客が見つかる
-
同業他業との連携で仕事が広がる
-
他県の守成クラブメンバーとの全国連携が取れる
など、非常に大きなメリットを実感しています。
■パターン③:起業して間もない・2代目・世代交代中の企業
創業間もない企業や代替わりしたばかりの経営者には、
✔「営業がうまくいかない」
✔「信頼できる人脈がない」
✔「経営者の視野を広げたい」
といった課題がつきものです。
守成クラブの会員は基本的に**「聞き役より“話し役”」。だからこそ、まだ無名の企業でも自己PRの場を公平に与えられ、商談のチャンスを得られます。**
また、若手経営者は「青年部会」などで同世代の仲間を作りやすいのも特徴です。
■パターン④:地方で人材確保・定着に悩んでいる企業
守成クラブには「採用目的で入る」方もいます。
これは一見意外かもしれませんが、
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例会で自社を知ってもらう
-
他業種の経営者とつながり、社風や考え方を伝える
-
地元で働きたい人への間接的な情報発信の場になる
というメリットがあるため、特に地元の若者を採用したい企業にとって、地産地働を実現する場としても活用できます。
■守成クラブを「営業部代わり」にしている企業も!
実際、少人数の会社では、
「守成クラブがうちの営業部みたいなものですよ」
という声もあります。
営業マンを雇うことが難しい小規模事業者でも、クラブでの活動を通じて**“紹介営業”が自然と回り始める仕組み**を作ることができます。
このように、守成クラブは業種を問わず、**「売りたい」「広げたい」「仲間がほしい」**という中小企業にとって、極めて実践的なプラットフォームです。
第5章:守成クラブの入会の仕組みと注意点
ここまでお読みいただき、「守成クラブって良さそうだな」と思われた方も多いのではないでしょうか?
ただし、守成クラブには紹介制・会員制ならではの独自ルールや入会の流れがあります。
この章では、入会手続きや注意点について、社労士目線でわかりやすく整理してお伝えします。
■入会には「紹介者」が必須
守成クラブは、完全紹介制の会です。
つまり、「紹介者がいない方」は入会できません。
この紹介制度こそが、守成クラブの「安心・安全な商談空間」を支えています。
私自身も紹介者として、興味のある方をお連れし、初回は**「ゲスト参加(体験参加)」**していただいています。
ゲスト参加は原則1回のみとなっており、その場で雰囲気や活動の様子を体験し、納得された方が次のステップに進む流れです。
■入会までの流れ
入会のステップは以下の通りです:
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ゲストとして定例会に参加(紹介者の同伴が必要)
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入会申込書を記入・提出(当日会場 or FAXなど)
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入会金・年会費の振込(計39,600円税込)
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世話人会による入会審査
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登録完了 → 準会員(緑バッジ)として活動開始
そして、準会員が1名以上を紹介し、その方が入会すれば、晴れて**正会員(赤バッジ)**へ昇格します。
正会員になると、全国200以上の守成クラブ会場への参加権が得られ、一気に販路が全国に広がります。
■費用についての整理
項目 | 金額(税込) | 備考 |
---|---|---|
入会金 | 11,000円(初年度のみ) | 一度のみ |
年会費 | 28,600円 | 毎年更新。紹介がないと更新不可 |
定例会参加費 | 5,000円/回 | 飲食費込み。当日会場で支払う |
■入会に関する注意点
守成クラブは、あくまで中小企業の健全な商売を守る会です。
以下のような方・事業は入会できません:
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宗教・政治団体・風俗関係・ネットワークビジネス・霊感商法等
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公序良俗に反する業種や手法
-
会員間にクレームを発生させるような強引な販売・失礼な対応
また、審査によっては入会が否認されることもあり、その理由は開示されません。
この厳格な運営体制こそが、信頼されるビジネスの場を保つ根幹になっています。
■1年以内に紹介がなければ、次年度の更新はできない
守成クラブでは、準会員のまま1年間誰も紹介しなかった場合、更新ができません。
つまり、単に「参加するだけ」で終わってしまうと、継続ができないというルールがあります。
これは、クラブ全体の活性化と、「お互いに商売を広げよう」という理念の実践」を促すための仕組みです。
最終章:私が紹介者になります!一緒に地元経済を元気にしませんか?
ここまでお読みいただき、守成クラブの魅力や仕組みについて、少しでもご理解いただけたなら嬉しく思います。
私は、社会保険労務士・行政書士として中小企業の現場に深く関わってきた立場から、
守成クラブの価値を実感しています。
そして今、私自身が「紹介者」となって、一人でも多くの経営者の方にこの場を体験していただきたいと心から思っています。
■なぜ、私は守成クラブを広めたいのか?
理由はとてもシンプルです。
-
守成クラブには「本気で商売をしたい」仲間が集まっています
-
地元で頑張っている経営者が、孤独にならず、つながりの中で成果を出せる場です
-
商談、販路、人脈…すべてが**即、実益につながる“リアルな市場”**なのです
そしてもう一つ。
私が大切にしているキーワード、**「地産地働(生まれ育った土地で働く)」**を実現していくためには、
地元の企業が元気でなければ、若者が戻ってこようとは思いません。
だからこそ私は、地元で頑張る中小企業を応援し、
一緒に**“地元を支える仕事づくり”**を広げていきたいと考えているのです。
■私の紹介で、まずは“ゲスト参加”しませんか?
守成クラブは完全紹介制です。
私が責任をもって、興味を持たれた方をご案内いたします。
初めての方は、「ゲスト参加」というかたちで定例会を体験できます。
実際の商談会の様子や、参加者の熱意、販路が生まれる瞬間をぜひ肌で感じてください。
もちろんその場で入会を無理に勧めることはありません。
ご自身のペースで、「これはうちに必要だ」と思っていただけたら、一緒に次のステップへ進みましょう。
■こんな方は、ぜひ一度ご連絡をください
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自社の販路を広げたいと考えている方
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地元で信頼できる経営者とのつながりが欲しい方
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起業・事業承継・新規事業など、新たなチャレンジをしている方
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営業人材を雇えず、“営業の場”を探している小規模企業の方
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地元をもっと良くしたい、という熱意を持っている方
私たちは、一人で頑張る経営者を一人でも減らしたいと思っています。
どうか、この守成クラブという場を、**“営業ツール”としてだけでなく、“仲間づくりの場”**としても活用していただければと思います。
■最後に:中小企業が元気になれば、地域も元気になる
私たちが目指しているのは「売上」だけではありません。
中小企業が元気になれば、地域経済が元気になります。
地域が元気になれば、そこで暮らす人々が幸せになります。
守成クラブという仕組みを通じて、そんな**“未来をつくる商売”**を、一緒に始めてみませんか?
ご興味をお持ちいただいた方は、ぜひお気軽にご連絡ください。
一緒に、守り、築き、育てていきましょう。
出発進行!