表面だけの対応が招いた悲劇──現場の“伝わらない報告”が引き起こす重大リスク

杉山 晃浩

ある日、私たちのもとに1本の電話が入りました。

「至急、対応していただけませんか?大きなトラブルになりそうで…」

連絡をしてきたのは、県内で製造業を営む「株式会社サクラテック」。
現場でクレーム対応を誤り、得意先の担当者が激怒。
このままだと契約が切られてしまう、という緊急事態でした。

現場に急行した私たちは、事の経緯をひとつひとつ聞き取りました。
そこで明らかになったのは、予想していたような悪質な対応や放置ではなく、「伝え方」の問題でした。


第1章|問題の発端は、“報告のズレ”だった

トラブルのきっかけは、納品した部品のひとつに細かなキズがあったこと。
クレームの電話を受けたのは入社2年目の若手社員・Aさん。マニュアルに従って対応し、すぐに上司に報告をしました。

ところが、この報告が問題でした。

Aさん:「お客様がちょっと不満そうでした。納品物の一部に不備があったようです。交換対応しておきますね」

一見、特に問題なさそうに見えますが、実際はこうです。

  • お客様は「この品質で納品されるなら、今後の取引を見直す」とまで言っていた

  • クレームの内容は「軽微」ではなく「信頼を揺るがす」レベル

  • 上司は報告の“温度感”を読み取れず、「念のため交換しとけ」と軽く対応

結果として、上司の対応も顧客にとっては「不誠実」に映り、怒りはさらにヒートアップ。
この時点で、報告が“伝わっていなかった”のです。


第2章|「報連相の形」は守ったが、「意図」が伝わらなかった

Aさんは、報連相の基本は守っていました。
しかし、そこには“共通の理解”がなかったのです。

たとえば、「ちょっと不満そう」ではなく、「『今後の取引を考え直す』と発言された」と言っていれば、上司の反応はまったく違っていたでしょう。

また、顧客の表情・声色・雰囲気、背景情報などを含めて伝えていれば、早期に手を打てたはずです。

「伝える」ことと「伝わる」ことは別物。
その違いが、会社全体に損害をもたらすこともあるのです。


第3章|教育の“穴”が引き起こした情報伝達トラブル

Aさんは真面目で誠実な社員です。
しかし、今回の件で責任を問われるべきなのは、個人ではなく組織の教育体制でした。

社内では、「報連相しろ」「逐一報告しろ」という声はあるものの、
「どのように」「どこまで」「どんな言葉で」伝えるかに対する明確な教育は行われていませんでした。

つまり、「型」はあっても「中身」がない。
このような状態では、言葉の使い方に個人差が出て、上司やチーム間での“認識のズレ”が発生します。


第4章|共通言語が社内を救う

「部長、ちょっと“緊急案件”です」
「お客様が“重要視”している点はここです」
「“推定”ではありますが、こう考えられます」

このように、社内で共通して理解されている“言葉”を使うことで、情報の伝達力は飛躍的に上がります。
単語の定義や意味を揃えることで、「相手にどう伝わるか」を考える力が育ちます。

サクラテックのような事例は、今や珍しくありません。
むしろ、どの企業でも“言語のバラバラさ”は大なり小なり存在しているのです。


第5章|共通言語を育てるREAD&WRITEという選択

私たちが推奨しているのが、「READ&WRITEテキスト」です。
これは、単なる文章読解教材ではなく、ビジネスの現場で使える“伝える技術”を育てるために作られた教育ツールです。

特長は以下の通りです:

  • 「考える→まとめる→伝える」力を、反復学習で身につけられる

  • ビジネス現場で実際に使える例文・言い換えが豊富

  • 若手社員~管理職まで、階層別に応用できる設計

導入企業からは、「会議の質が変わった」「若手の報告が明確になった」と好評をいただいています。

READ&WRITE解説動画


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「うちも、同じような報告トラブルが起きそうで怖い…」
「でもいきなり教材を導入するのはハードルが高い…」

そんな方のために、READ&WRITEお試し版をご用意しました。
以下の内容が含まれています:

  • 基礎編(語彙の定義、伝達の型など)

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この機会に、ぜひ一度お試しください。

READ&WRITEを活用した研修風景


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まとめ:伝え方は、学べる。共通言語は、組織を強くする

今回のようなトラブルは、決して特殊な事例ではありません。
どの会社にも潜む“言葉のズレ”が、大きな損害に繋がることがあるという現実を、改めて実感しました。

報告・連絡・相談──これらを機能させるには、「共通言語」が不可欠です。
そしてそれは、社員全体の教育で整えていくべき組織のインフラ。

「伝えたはず」が「伝わっていなかった」になる前に。
READ&WRITEを、あなたの職場でも使ってみませんか?

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