もう解雇で悩まない!“採用ミス”を防ぐ人事ポリシーのつくり方

杉山 晃浩

はじめに:解雇に悩む経営者は「悪」じゃない

「入社したばかりなのに、全然ダメだ」
「どうしてうちには問題ばかりの人が集まるのか…」
「このまま雇い続けてもトラブルの火種にしかならない…」

社長のあなたがそんな気持ちになるのは当然です。

人手不足の中、採用に時間もお金もかけたのに、蓋を開ければ
「想像していた人物像と全然違う…」
そのギャップは、ときに会社の存続に関わります。

けれど実は…

解雇で悩む企業は「採用時点」で既に失敗している場合がほとんど。

火がついてから消火活動をするより、
そもそも火種を入れない方がずっと簡単。
その鍵が「人事ポリシー」です。


人事ポリシーとは何か?

ズバッと言い換えると…

どんな人と働きたいか
その人をどう育てて評価するか
この2点を、最初からハッキリ言語化したもの。

たとえば…

  • 経営理念に共感できる人

  • 素直に学べる人

  • チームワークを乱さない人

  • 最低限の礼儀がある人

こうした会社の「人に対するこだわり」を形にしたのが人事ポリシーです。

これがあるだけで、採用基準ブレブレ問題が一掃されます。


なぜ「人事ポリシーがない」と解雇問題が起こるのか

理由はとてもシンプル。

①誰を採ればいいか分からない

「とりあえず即戦力」「条件に合えば採用」
結果、会社の文化に合わない人が入る

②誰が判断してもバラつきが生まれる

現場が急いで採用して
「なんか良さそう」=採用
が発生

③育成も評価もあいまい

期待値の共有不足から双方に不満が生まれる

つまり…

人材トラブルは「入口の設計ミス」が原因

経営は家づくりと同じで、
土台が弱ければ、どんなに補修しても傾き続けます。


解雇リスク=採用ミス

社労士として見てきた「典型あるある」

私はこれまで多くの企業支援をしてきました。
問題社員のケースはこんなパターンが多いです👇

社長の言い分 実際の原因
仕事の覚えが悪い 教育体制が整っていない
態度が悪い 面接で「態度」を見ていない
トラブルばかり起こす コミュニケーション能力の見極め不足
言うことを聞かない 期待値調整していない

社長は悪くありません。
ただ、採用の「戦略」がなかっただけです。


人事ポリシーがある会社は“採用強者”

「人手不足だ」「優秀な人が来ない」と嘆く企業は多いです。
しかし、同じ地域・同じ業界でも

✅離職率が低く
✅応募も安定して
✅人材がみるみる育つ

そんな会社が存在します。

違いは何か?

人を選ぶ基準が“ブレない”こと
つまり、人事ポリシーを持っていること


実践!人事ポリシー作りの4ステップ

「難しそう…」と思うかもしれませんが、コツはシンプルです。
鏡を覗くように「自社を見つめる」だけ。

STEP1. いま活躍している人を分析する

例)誠実、素直、報連相ができる、向上心あり

STEP2. トラブルを起こした人の特徴を明確にする

例)自己中心的、遅刻が多い、攻撃的

活躍人材と問題人材の差が「採るべき基準」になります。

STEP3. 採用要件に落とし込む

例)具体的な行動基準にする
「YESで答えず質問で返してくる」→コミュニケーション不良

STEP4. 面接・評価・教育の全てに反映

採用時だけでなく
入社後の育成にも一貫して使えるルールに。

人事ポリシーは「理念×行動」をつなぐ翻訳機


面接で効く「核心を突く質問」例

採るべき人が分かっても、見抜けなければ意味がありません。
そこで質問例を共有します。

  • 最近挑戦したことは?

  • 失敗した時、どう行動した?

  • チームで意見が分かれたらどうする?

  • 入社後に叶えたいことは?理由は?

回答より理由を見る。
これがミスマッチを防ぐ技術です。


試用期間は「評価期間」ではなく「見極め期間」

よくある失敗
→ 試用期間に何も評価しないまま本採用してしまう

これは危険すぎます。

✅行動
✅適性
✅社内コミュニケーション
✅成長の姿勢

これらをしっかり観察し、不安があれば延長・不採用判断を。

「一度入れたら最後」と考えるから解雇に悩むのです。


【重要】会社は人で壊れる

だからこそ、人で守る

間違った人を入れると

  • 管理職が疲弊

  • 雰囲気が悪化

  • 優秀な人から辞める

企業にとって最も高くつくコストは
間違った採用です。

逆に、正しい採用ができると…

  • 社内の空気が変わる

  • 顧客満足度が上がる

  • 生産性が爆増

  • 利益率が上がる

採用は投資。
良い人を採るだけで、企業は生まれ変わります。


まとめ:解雇相談から卒業しませんか?

■解雇問題が増える会社
 …「誰でもいい」採用

■解雇問題が減る会社
 …「ウチに合う人しか採らない」採用

指標 解雇型の会社 採用強者の会社
求人戦略 穴埋め 選ばれる採用
人材 ミスマッチ多い 活躍人材が集まる
離職率 高い 低い
風土 ギスギス 前向き
社長の心 ヒヤヒヤ ワクワク

どちらが理想でしょうか?

経営者の皆様に提案です。

解雇の相談が減る採用に変えましょう。
その第一歩が“人事ポリシー”です。


私が社労士としてできること

  • 自社に合った人事ポリシー策定

  • 採用基準の明確化

  • 面接質問表の作成

  • 試用期間の運用支援

  • 問題社員トラブルの予防設計

火消しではなく、
火を起こさない組織づくりへ。


最後に:採用は未来選択

採用は、会社の未来そのものです。

「採るべきでない人を採らない」
これだけで企業は守られます。

解雇に悩む日々に終止符を。
人に悩む会社から、人が育つ会社へ。

まずは一度、御社の人事ポリシーについてお話ししませんか?
社長の理想の未来を形にするお手伝いをします。

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