【令和8年度】女性活躍に取り組む宮崎県企業へ|えるぼし認定で100万円、職場整備に最大60万円
杉山 晃浩
「女性を採用したいけれど、なかなか応募が来ない」
「女性社員はいるものの、管理職になる前に退職してしまう」
「育児や介護と仕事を両立できる制度を整えたいが、何から始めればよいかわからない」
「女性専用のトイレや更衣室を整備したいが、費用の負担が大きい」
宮崎県内の中小企業から、このような声を聞くことが増えました。
人手不足が続く今、女性が働きやすく、能力を発揮できる職場をつくることは、単なる福利厚生ではありません。
採用力を高め、社員の退職を防ぎ、会社の将来を支える人材を育てるための経営戦略です。
しかし、女性活躍に取り組みたいと思っていても、制度づくりや設備整備には費用がかかります。
そこで、宮崎県内の経営者に知っていただきたいのが、令和8年度「女性にやさしい職場づくり応援事業」です。
この事業には、女性活躍に関する取組や職場環境の整備に利用できる3つの支援タイプがあります。
- えるぼし認定の取得などで100万円
- 女性の採用・育成・管理職登用・多様な働き方の取組で15万円から最大100万円
- 女性専用トイレ、更衣室、キッズスペースなどの整備費用に10万円から最大60万円
一定の条件を満たせば、タイプAからCまでを併用することも可能です。
ただし、この制度は先着順です。
申請期限前でも、予算の上限に達する見込みとなれば受付が終了します。
また、タイプBとタイプCは、原則として交付決定前に取組を始めたり、工事や購入の契約をしたりすると対象外になります。
「工事が終わってから補助金を探す」のでは間に合いません。
取り組む前、購入する前、契約する前の相談が重要です。
女性活躍は「女性だけの問題」ではありません
女性活躍という言葉を聞くと、次のように感じる経営者もいるかもしれません。
「うちは女性社員が少ないから関係ない」
「管理職になりたい女性がいない」
「育児中の社員だけを優遇するのは難しい」
「女性活躍は大企業がすることではないか」
しかし、実際には女性が働きやすい職場は、男性や高齢者、育児・介護を抱える社員にとっても働きやすい職場です。
たとえば、休憩室やトイレを整備する、時間単位で休暇を取りやすくする、仕事を特定の人だけに集中させない、資格取得を支援するといった取組は、性別を問わず多くの社員に役立ちます。
添付されている宮崎県の活用事例集でも、建設業をはじめとする県内企業が、次のような取組を実施しています。
- 女性専用トイレや洗面台、更衣室、シャワールームの整備
- 資格取得やスキルアップの支援
- 女性社員による意見交換会の実施
- キャリア面談やカウンセリング
- 仕事と育児・介護を両立できる制度の整備
- ホームページを活用した女性社員の活躍事例の発信
- 業務のデジタル化やコミュニケーションツールの導入
- 年間休日の増加や働き方の見直し
取組の結果、女性からの応募が増えた、女性技術者を採用できた、資格取得によって担当できる仕事が広がったなどの成果も紹介されています。
「女性活躍」という看板だけを掲げるのではなく、社員が実際に感じている不便や不安を取り除くことが、採用や定着につながっているのです。
対象になるのは、従業員10人以上300人以下の宮崎県内企業等
令和8年度「女性にやさしい職場づくり応援事業」の主な対象者は、次の要件をすべて満たす企業・事業主です。
- 宮崎県内に本社または本店がある
- 常時雇用する労働者が10人以上300人以下である
- 「みやざき女性の活躍推進会議」の会員企業である
- 県税に未納がない
- 対象となる法人は個人住民税の特別徴収を実施している、または開始を誓約する
- 暴力団等との関係がない
法人格の有無は問われないため、要件を満たす個人事業主も対象になる可能性があります。
現在、「みやざき女性の活躍推進会議」に入会していない企業でも、入会手続を行うことで申請を検討できます。
ただし、タイプごとに追加の条件があります。自社がどのタイプに該当するかは、取組を始める前に確認する必要があります。
タイプA|えるぼし認定の取得などで100万円
タイプAは、女性活躍のトップランナーを目指す企業向けの奨励金です。
令和7年4月以降、新たに厚生労働大臣の「えるぼし認定」を受けた企業、すでに認定を受けていて、より上の認定段階に進んだ企業、または新たにプラチナえるぼし認定を受けた企業が対象になります。
奨励金は定額100万円です。
ただし、先にタイプBの交付を受けている場合は、100万円からタイプBで受け取った額を差し引いた金額になります。タイプAとタイプBを合計した奨励額の上限が100万円になる仕組みです。
えるぼし認定とは、女性の採用、継続就業、労働時間、管理職比率、キャリア形成などについて一定の基準を満たし、女性活躍に関する取組が優良な企業を厚生労働大臣が認定する制度です。
認定を受けるためには、単に「女性を応援しています」と宣言するだけでは足りません。
自社の女性活躍に関する状況を把握し、一般事業主行動計画を策定・届出し、数値や取組内容を公表したうえで、認定基準を満たしていることを確認する必要があります。
えるぼし認定を取得すると、企業イメージの向上だけでなく、採用ページや求人票、会社案内などに認定マークを使用できます。
求職者に対して、「女性が働きやすいと言っている会社」ではなく、「国の基準に基づく認定を受けた会社」であることを伝えられる点は、大きな違いです。
なお、常時雇用する労働者が101人以上300人以下の事業主については、令和8年4月1日から男女間賃金差異の情報公表も必須になっています。
女性活躍に関する情報を整理する必要性は、これまで以上に高まっています。
タイプAの申請期限は、令和9年3月31日です。
ただし、えるぼし認定は申請すればすぐに取得できるものではありません。現状分析、行動計画の策定、情報公表、認定基準の確認などが必要になるため、早めに準備を始めることが大切です。
タイプB|新たな取組で15万円から最大100万円
タイプBは、これから女性活躍に向けた具体的な取組を始めたい企業向けの奨励金です。
対象となる取組は、次の4項目に分けられています。
- 女性の積極採用
- 女性社員の配置・育成
- 女性管理職への登用
- 多様な働き方の実現
企業は、このうち1項目以上を選び、達成すべき目標を設定したうえで、目標達成に向けた新たな取組を2つ以上行います。
取組の例としては、次のようなものがあります。
- ホームページや採用冊子に女性社員の活躍事例を掲載する
- 女性求職者向けの職場見学を受け入れる
- 外部講師による研修を実施する
- 資格取得やスキルアップを支援する
- 女性特有の健康課題に配慮した検診を実施する
- ロールモデルとなる女性社員との交流機会をつくる
- 外部専門家によるキャリアカウンセリングを実施する
- 正社員転換や再雇用などの制度を整備する
- 育児や介護と両立しやすい働き方を導入する
奨励金は、1評価項目につき定額15万円です。
さらに設定した目標を達成した場合、1評価項目につき10万円が上乗せされます。4項目すべてに取り組み、それぞれの目標を達成した場合は、最大100万円となります。
ただし、すでにえるぼし認定を受けている企業は、タイプBの対象外です。
また、すでにえるぼし認定の基準を満たしている項目も、タイプBの対象にはなりません。
さらに、設定する目標や取組内容を、自社ホームページまたは厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」などに掲載する必要があります。
女性社員の割合がすでに4割を超える企業が、女性だけを優遇する採用や登用を行うと、男女雇用機会均等法に抵触するおそれもあります。そのため、企業の現状によっては、積極採用・配置育成・管理職登用の項目が対象外になる場合があります。
「女性を増やせばよい」という単純な制度ではありません。
現在の男女比率、採用実績、管理職割合、働き方などを確認し、自社に合った目標と取組を設計する必要があります。
タイプBの申請期限は、令和9年3月31日です。
ただし、設定した取組の実施や目標達成の判定、実績報告まで見込んで計画する必要があるため、期限直前から始めるのは現実的ではありません。
タイプC|トイレ、更衣室、キッズスペースなどの整備に最大60万円
タイプCは、女性が働きやすい職場環境を整備する企業向けの補助金です。
対象となる可能性がある取組には、次のようなものがあります。
- 女性専用トイレの新設・増設・改修
- 女性用更衣室の整備
- シャワールームの設置
- 休憩室の整備
- 防犯カメラの設置
- 子どもの急な預け先として利用するキッズスペースの整備
- 必要な物品や器具の購入
補助率は、対象経費の2分の1以内です。
補助額は10万円以上、最大60万円となっています。
たとえば、補助対象として認められる改修工事に100万円かかった場合、50万円が補助額の目安になります。
ただし、実際の対象経費や交付額は、宮崎県による審査と交付決定によって決まります。
また、タイプCでは、事業経費に関する2者以上の見積書、工事や整備を行う前の写真、図面なども必要です。
特に重要なのが、交付決定前に契約や工事、物品購入を行わないことです。
「女性社員から更衣室をつくってほしいと言われたので、先に工事を始めました。その費用に補助金を使いたい」
この順番では、補助対象にならない可能性があります。
タイプCの申請・事業完了期限は、令和9年2月26日です。
申請から交付決定までには一定の期間がかかるため、工事期間や納品時期も考え、余裕を持って申請する必要があります。
3つのタイプは、どれを選ぶかより「どの順番で進むか」が重要
この制度では、タイプAからCまでを併用できる場合があります。
しかし、単純に「全部申し込めばよい」というものではありません。
たとえば、えるぼし認定をすでに取得している企業は、タイプBを利用できません。
一方、タイプBで女性活躍の取組を進め、その後えるぼし認定を取得してタイプAへ進むことは考えられます。ただし、タイプAとタイプBの奨励額は合計100万円が上限です。
タイプCは職場の設備整備ですから、タイプAまたはタイプBと組み合わせられる可能性があります。
つまり、自社が現在どの段階にいるかによって、最適な進め方が変わります。
- まず職場の設備を整えたい会社
- 採用や人材育成の取組から始めたい会社
- えるぼし認定を本格的に目指したい会社
- タイプBから始め、将来タイプAへ進みたい会社
最初の選択を誤ると、利用できたはずの制度が使えなくなることも考えられます。
補助金の金額だけを見るのではなく、3年後、5年後にどのような会社になりたいのかを考えながら、制度を選ぶことが重要です。
オフィススギヤマグループなら、労務整備と行政手続の両面から支援できます
女性活躍の取組では、補助金の申請書を作るだけでは十分ではありません。
就業規則や育児・介護休業規程を見直す、柔軟な働き方を設計する、一般事業主行動計画を策定する、女性活躍に関する情報を整理・公表するといった労務面の整備が必要になります。
一方で、宮崎県への奨励金・補助金申請では、事業計画書、収支予算書、誓約書、確認書、見積書など、多くの行政書類を準備しなければなりません。
オフィススギヤマグループでは、それぞれの専門家が役割を分担して支援します。
特定社会保険労務士杉山晃浩事務所では、厚生労働省が管轄する「えるぼし認定」の取得支援を行っています。
現状分析、一般事業主行動計画、社内制度の確認、情報公表、認定基準の確認など、労務管理の面から認定取得に向けたサポートが可能です。
行政書士法人杉山総合法務では、厚生労働省管轄の助成金を除く、行政官庁の補助金・奨励金について、申請書類の作成や申請手続を支援しています。
今回の宮崎県「女性にやさしい職場づくり応援事業」についても、対象可能性や必要書類、申請までの流れを確認しながら、ご相談に対応します。
えるぼし認定と県の奨励金・補助金の両方が関係する場合でも、グループ内で連携し、労務面と行政手続の両方から検討できることが、オフィススギヤマグループの強みです。
なお、えるぼし認定の取得や補助金・奨励金の交付を保証するものではありません。最終的な認定や交付は、それぞれの行政機関による審査によって決定されます。
買う前、工事する前、取組を始める前にご相談ください
この制度で最も避けたいのは、「良い取組をしたのに、順番を間違えて対象外になった」という結果です。
次のような企業は、早めにご相談ください。
- 女性からの応募を増やしたい
- 女性社員の退職を防ぎたい
- 女性管理職を育てたい
- 資格取得や研修を支援したい
- 育児・介護と仕事を両立できる制度をつくりたい
- 女性専用トイレ、更衣室、休憩室などを整備したい
- えるぼし認定を取得したい
- 自社がタイプA・B・Cのどれに該当するかわからない
- 補助金を使えるか確認してから工事や取組を始めたい
オフィススギヤマグループでは、初回30分の無料相談を実施しています。
「まだ具体的な計画は決まっていない」
「まず、自社が対象になる可能性だけ確認したい」
という段階でも構いません。
女性が働きやすい職場をつくることは、女性だけを特別扱いすることではありません。
これまで見過ごされていた不便を取り除き、育児や介護などの事情があっても、能力を発揮できる会社をつくることです。
その取組は、採用力、定着率、生産性、企業イメージの向上につながります。
そして今なら、その第一歩を宮崎県の奨励金・補助金で後押ししてもらえる可能性があります。
先着順の制度です。
設備を買う前、工事を契約する前、新しい取組を始める前に、まずはご相談ください。
制度の詳細や最新の受付状況は、宮崎県の公式情報をご確認ください。
えるぼし認定制度については、厚生労働省の公式情報をご確認ください。
▶ 女性活躍推進法・えるぼし認定に関する厚生労働省公式ページ
※本記事は令和8年8月9日時点で公表されている情報をもとに作成しています。対象要件、申請期限、受付状況、補助対象経費等は変更される場合があります。