健康経営優良法人になると何が変わる?採用・融資・企業信用に効く7つのメリット
杉山 晃浩
「健康経営優良法人って、認定を取ると何かいいことがあるの?」
「社員の健康づくりは大切だと思うけれど、忙しくてそこまで手が回らない」
宮崎県内の中小企業経営者の皆さんから、このような声を聞くことがあります。
確かに、健康経営と聞くと、健康診断や運動、食生活の改善など、社員の健康づくりを思い浮かべる方が多いでしょう。
もちろん、それも大切です。
しかし、健康経営の価値は、それだけではありません。
実は、健康経営に取り組み、健康経営優良法人の認定を受けることは、採用活動、社員の定着、企業の信用力、金融機関との関係など、さまざまな経営課題を考えるきっかけになります。
特に、人材確保に苦労する地方の中小企業にとって、健康経営は見逃せない経営戦略だと私は考えています。
合資会社オフィススギヤマでは、2018年から毎年、健康経営優良法人の認定を継続してきました。
決して大企業ではありません。
だからこそ、中小企業が限られた人員と予算の中で健康経営を続ける難しさも、その価値も実感しています。
今回は、健康経営優良法人になることで期待できる7つのメリットと、宮崎県内の中小企業が認定取得に向けて何から始めればよいのかを、わかり易く解説します。
なお、健康経営優良法人2027の中小規模法人部門は、2026年10月16日(金)17時が申請期限です。
さらに、初めて申請する場合などに必要となる新規IDの発行期限は、**10月15日(木)**となっています。
今年の申請を検討している企業は、まず申請に必要な準備が整っているか、早急に確認してください。
健康経営は、社員の健康づくりだけではない
健康経営とは、社員の健康管理を経営上の重要な課題として捉え、健康の保持・増進に戦略的に取り組むことです。
例えば、健康診断を受けてもらうこと。
長時間労働を減らすこと。
メンタルヘルス不調を予防すること。
働きやすい職場環境を整えること。
こうした取り組みは、社員本人のためになるだけではありません。
社員が健康で、安心して働ける環境は、会社の生産性や組織の活力にも関係します。
反対に、社員が体調を崩して休職したり、疲労やストレスを抱えながら働き続けたりすれば、本人だけでなく会社にも影響が及びます。
人手不足が深刻な中小企業では、社員一人の長期欠勤が事業運営に大きな影響を与えることもあるでしょう。
健康経営は、単なる福利厚生ではありません。
社員の健康を守ることによって、会社の持続的な成長を目指す経営の取り組みなのです。
健康経営優良法人は全国で広がっている
健康経営優良法人認定制度は、優良な健康経営に取り組む企業などを社会的に評価するための制度です。
経済産業省が制度を創設し、日本健康会議が認定しています。
2026年3月に発表された「健康経営優良法人2026」では、大規模法人部門で3,765法人、中小規模法人部門で23,085法人が認定されました。
中小規模法人部門だけでも、前年の19,796法人から大きく増加しています。
これだけ多くの企業が取り組んでいるのは、健康経営が経営上の課題として認識されるようになってきたからではないでしょうか。
認定法人が増えることは、健康経営が特別な取り組みではなくなりつつあることも意味します。
今後、採用活動や取引先との関係において、健康経営への姿勢が確認される機会が増える可能性もあります。
では、具体的にどのようなメリットが期待できるのでしょうか。
メリット① 採用活動で会社の魅力を伝えやすくなる
最初に注目したいのが、採用活動です。
宮崎県内でも、人材確保に苦労している中小企業は少なくありません。
給与や休日などの条件を改善しても、応募が集まらない。
知名度の高い企業と比べられると、なかなか選んでもらえない。
そんな悩みを抱える経営者もいらっしゃるでしょう。
求職者が会社を選ぶ際には、給与だけでなく、働きやすさや安心感も重要な判断材料になります。
そこで役立つのが、健康経営への取り組みです。
健康診断の受診を促進している。
社員の健康相談に対応している。
長時間労働の削減に取り組んでいる。
こうした事実を採用ページや求人票、会社説明会で紹介できれば、会社の姿勢を具体的に伝えられます。
さらに、健康経営優良法人の認定を受けていれば、取り組みを外部に示す材料にもなります。
ただし、認定を受ければ必ず応募者が増えるわけではありません。
大切なのは、認定そのものよりも、その背景にある取り組みを求職者に伝えることです。
メリット② 社員の定着と働きがいにつながる
せっかく採用した社員が、数年で辞めてしまう。
これは、中小企業にとって大きな損失です。
採用費用だけでなく、教育にかけた時間や、職場に蓄積された経験も失われます。
健康経営は、社員が安心して働き続けられる環境を考えるきっかけになります。
例えば、健康診断の結果を放置せず、必要な再検査や受診を促すこと。
有給休暇を取得しやすくすること。
上司が部下の不調に気づき、相談できる職場をつくること。
こうした取り組みの積み重ねが、社員の安心感や会社への信頼につながる可能性があります。
健康経営は、病気を予防するだけの活動ではありません。
「この会社なら長く働きたい」と思ってもらえる職場づくりにも関係するのです。
メリット③ 企業の信用力やイメージ向上が期待できる
中小企業にとって、会社の信用力は大切な経営資源です。
取引先、求職者、社員の家族、地域社会。
会社は、さまざまな人から見られています。
健康経営優良法人の認定は、会社が社員の健康を経営課題として捉え、一定の基準に沿って取り組んでいることを示す材料になります。
例えば、会社案内や採用サイトに認定実績を掲載することができます。
営業活動で自社の取り組みを紹介する際にも、説明しやすくなるでしょう。
ただし、健康経営優良法人の認定は、会社の経営内容や財務状況を保証するものではありません。
認定を受けたからといって、すべての取引先から高く評価されるわけでもありません。
それでも、社員を大切にする会社の姿勢を伝えるうえで、有効な情報のひとつになると考えています。
メリット④ 融資や金融機関の優遇制度を利用できる場合がある
経営者の皆さんが気になるメリットのひとつが、金融機関との関係ではないでしょうか。
健康経営優良法人の認定企業を対象に、融資金利などの優遇を設けている金融機関や制度があります。
例えば、一定の条件を満たした認定企業に対し、通常より有利な融資条件を設ける仕組みです。
ただし、ここは誤解していただきたくありません。
健康経営優良法人に認定されれば、必ず融資金利が下がるというわけではありません。
優遇制度の有無や対象条件は、金融機関や商品によって異なります。
通常の融資審査がなくなるわけでもありません。
宮崎県内の企業であれば、取引先金融機関に、健康経営優良法人を対象とした制度があるか確認する価値はあるでしょう。
認定を取得した後も、利用できる制度がないか定期的に情報収集することをおすすめします。
メリット⑤ 補助金や公共調達などで評価される場合がある
健康経営優良法人の認定は、金融機関以外の制度でも評価される場合があります。
自治体などによっては、補助金の審査や公共調達、入札参加資格などにおいて、健康経営への取り組みを評価する制度が設けられています。
特に建設業など、公共工事に関係する企業にとっては、気になるポイントではないでしょうか。
ただし、これも全国共通の特典ではありません。
宮崎県内のすべての補助金や公共工事で、健康経営優良法人の認定が加点されるわけではないのです。
実際に利用できるかどうかは、それぞれの募集要項や審査基準を確認する必要があります。
「認定を取れば必ず加点される」と考えるのではなく、利用できる制度があれば経営に生かす。
そのような姿勢が大切です。
メリット⑥ 健康課題の早期発見と生産性向上が期待できる
社員が出勤していても、体調不良や強い疲労によって本来の力を発揮できないことがあります。
こうした状態は、本人にとっても会社にとっても望ましいものではありません。
健康経営では、健康診断や職場環境の確認を通じて、会社の健康課題を把握し、改善に取り組みます。
例えば、健診結果から生活習慣病のリスクに気づくこと。
残業時間の多い部署を把握すること。
社員の運動不足や睡眠不足への意識を高めること。
こうした取り組みは、健康状態の改善や仕事への集中力の向上につながる可能性があります。
もちろん、取り組みを始めたからといって、すぐに生産性が上がるとは限りません。
しかし、社員の健康状態を把握せずに経営を続けるよりも、課題を見つけ、改善を重ねる方が建設的ではないでしょうか。
メリット⑦ 経営者自身が会社の課題に気づける
私が特に大切だと感じているのは、このメリットです。
健康経営優良法人の申請では、会社の健康づくりに関する取り組みを整理します。
健康診断は適切に実施できているか。
再検査が必要な社員への対応はどうか。
長時間労働を防ぐ仕組みはあるか。
社員が相談しやすい環境になっているか。
こうした項目を確認すると、普段は気づきにくい会社の課題が見えてきます。
経営者が「うちは大丈夫」と思っていても、実際には改善できる点が残っていることがあります。
申請準備を通じて、会社の取り組みを見える化する。
そして、足りない部分を改善する。
私は、認定を受けること以上に、この過程に価値があると考えています。
2018年から毎年認定。オフィススギヤマが健康経営を続ける理由
合資会社オフィススギヤマは、2018年から毎年、健康経営優良法人の認定を継続してきました。
健康経営は、一度認定を受ければ終わりという制度ではありません。
毎年、取り組みを確認し、必要な改善を重ねながら、申請を行う必要があります。
長く続けているからこそ、申請準備に必要なことや、継続するための工夫がわかってきます。
私たちが大切にしている理念は、「えがお うれしい ありがとう」。
そして、「ゴキゲン社長・ワクワク社員・ニコニコ会社」を増やすことを目指しています。
社員が健康で、安心して働けることは、この考え方と深くつながっています。
健康経営は、特別なイベントを毎月開催することではありません。
日々の職場環境を見直し、できることを少しずつ積み重ねることです。
大企業のような予算や専門部署がなくても、中小企業には中小企業なりの進め方があります。
その経験を、今度は宮崎県内の中小企業の皆さんに役立てていただきたいと考えています。
宮崎県内の中小企業こそ、健康経営に取り組んでほしい
宮崎県内には、社員を大切にしている中小企業がたくさんあります。
しかし、その取り組みが社外に十分伝わっていないケースも少なくありません。
健康診断を毎年実施している。
社員の働きやすさに配慮している。
休暇を取りやすくしている。
こうした日常的な取り組みも、健康経営を考えるうえで大切な土台になります。
もちろん、それだけで認定要件を満たすとは限りません。
認定取得には、申請年度の基準に沿った取り組みや必要な手続きが求められます。
ただ、すでに実施していることを整理すると、思っていたより準備が進んでいる場合もあるでしょう。
一方、健康診断の実施や法令遵守など、基本的な部分から見直す必要がある企業もあります。
大切なのは、自社の現在地を知ることです。
【重要】健康経営優良法人2027の申請期限が迫っています
健康経営優良法人2027の中小規模法人部門は、2026年10月16日(金)17時が申請期限です。
さらに、新規IDの発行期限は10月15日(木)です。
今回が初めての申請で、まだIDを取得していない企業は、特に注意してください。
また、健康宣言など、申請に先立って必要となる手続きもあります。
「16日までに申請すればよい」と考えて、前日から準備を始めても、間に合わない可能性があります。
すでに健康宣言や必要な取り組みを進めている企業は、申請要件を確認し、提出に向けた最終点検を行いましょう。
一方、まだ何も準備していない企業は、無理に今年の申請を目指すのではなく、次年度の認定取得に向けて計画的に取り組む方法もあります。
認定を取ることが目的になり、肝心の健康づくりが形だけになってしまっては本末転倒です。
今年申請する場合も、来年に向けて準備する場合も、まずは自社の状況を確認することをおすすめします。
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オフィススギヤマグループが、宮崎の健康経営を応援します
私たちオフィススギヤマグループは、健康経営を宮崎県内の中小企業にもっと広めたいと考えています。
健康経営優良法人の認定を2018年から継続してきた経験と、社会保険労務士としての労務管理の知識を生かし、認定取得を目指す企業の申請準備を支援していきたいのです。
単に申請書を作るだけではなく、会社の健康課題を整理し、無理なく継続できる取り組みを考える。
そして、認定取得後も、採用・定着や職場環境の改善につなげる。
そのような支援を目指しています。
健康経営は、社員の健康を守る取り組みであると同時に、会社の未来をつくる取り組みでもあります。
社員が健康で、安心して働ける。
その結果、社員がいきいきと活躍し、会社にも活力が生まれる。
そんな企業が宮崎県内に増えていけば、地域全体の魅力も高まるのではないでしょうか。
最後に――健康経営は、会社の未来への投資
健康経営優良法人の認定には、さまざまなメリットが期待できます。
採用活動での魅力発信。
社員の定着。
企業イメージの向上。
条件に応じた融資や制度上の優遇。
そして、社員の健康と働きがいの向上。
しかし、最も大切なのは、認定マークを取得することではありません。
社員を大切にする経営を、会社の仕組みとして根付かせることです。
健康経営に取り組むことで、会社の課題が見え、改善のきっかけが生まれます。
その積み重ねが、社員から愛される会社づくりにつながると私は考えています。
宮崎県内の中小企業の皆さん。
健康経営を、特別な会社だけが取り組むものだと思わないでください。
まずは、できることから始めてみませんか。
健康経営を、単なる認定取得で終わらせず、採用・定着・企業成長につながる経営戦略へ。
オフィススギヤマグループは、宮崎の中小企業の皆さんと一緒に、その取り組みを広げていきたいと考えています。