2021年11月分 人事労務クイズ~第4回~

問題 

前回、前々回では『労働条件通知書』関するお話でした。労働者にとって「賃金」は生活の安定を図るための最も重要な労働条件のひとつです。

労働基準法では、その「賃金」の支払いを確実にするために5つの原則が定められていますが、次のうち誤っているものは、次のA、B、Cのうちどれでしょうか?

答え

【A】 賃金は、いかなる場合でも通貨で支払わなければならず、現物(自社の製品等)で支払うことはできない。

【B】 賃金は、直接労働者に支払わなければならないが、労働者が未成年者である場合は保護者に支払えば足りる。

【C】 賃金は、その全額を支払わなければならないが、労使協定がある場合等はこの限りではない。

【B】 賃金は、直接労働者に支払わなければならないが、労働者が未成年者である場合は保護者に支払えば足りる。

賃金は、①通貨で②直接労働者に③全額を支払わなければならず④毎月1回以上⑤一定の期日をさだめて支払わなければいけません

②の直接払の原則は賃金を本人以外の者に賃金を支払うことを禁止するものです。

したがって、労働者の親権者その他代理人に賃金を支払うことは労働基準法違反となり、その支払いは無効となるのでご注意ください。

使者への支払いは禁止されておりませんので、病気療養中に旦那さんや奥さんに取りに来てもらうことは出来ますが、本人確認はしっかりと行い、受領書をもらうようにしましょう。

これらのことを考えると、お給料の支払いは手渡しより銀行振り込みのほうがいいですね。
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労働基準法
(賃金の支払)
第二十四条 賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。

② 賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金(第八十九条において「臨時の賃金等」という。)については、この限りでない。