2023年9月分 人事労務クイズ~【36協定】従業員代表の選び方~

問題  ∼ 【36協定】従業員代表の選び方 ∼

前月から引き続き36協定に関してです。協定締結における従業員代表の選び方で誤っているものはどれでしょうか?

答え

【A】 社長の指名

【B】 挙手

【C】 話し合い

【A】 社長の指名

36協定とは、時間外・休日労働に関する協定届のことです。
労基法第36条により、法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超える時間外労働や休日労働を命じる場合、協定を結び、労働基準監督署に届け出る必要があります。

36協定を締結する相手は、労働者の過半数で組織する労働組合、または労働者の過半数を代表する者です。
これらにはそれぞれ条件が設定されており、条件を満たしていなけば、たとえ36協定を締結したとしても無効とされますので、ご注意ください。
無効ということは、36協定が締結できておらず、違法な労働が発生していることになります!

労働者代表とは

①労働者の過半数を代表していること
②労働基準法第41条第2号に規定する管理監督者でないこと
③36協定を締結するための過半数代表者を選出することを明らかにした上で、投票、挙手などにより選出すること

特に③には注意が必要です。
使用者の意向によって選出された人は労働者代表とは言えません。労働者代表を選出する際は、36協定の労働者代表を選出することを明らかにしたうえで、投票や挙手などによって選ぶ必要があります。

何の書類かしっかりと説明もせず、社長が、従業員の誰かに対し「ここにサインして」というようなやり方は、法違反となります。完全にアウトです!

繰り返しになりますが、協定を締結していたとしても、労働者代表の選任方法に誤りがあれば、その協定自体が無効とされます!

36協定以外にも、「変形労働時間制の適用」「フレックス制の適用」「年休の計画的付与」等、協定の締結が必要なものは多いです。

また、会社には法令等の周知義務(労基法第106条)もあります。
法令の要旨、就業規則、各種労使協定等を掲示、備え付け、書面の交付等によって労働者に周知しなければなりません。
就業規則や協定を周知していなければ効力が無いとされてしまう可能性もあります。

今一度、貴社の状況がどのようになっているのか確認しましょう。